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笠岡市 H様 婦人ショーロブーツの厚底ウェッジソールが加水分解したため オールソール交換修理しました

笠岡市にお住まいのH様よりご依頼いただきました、婦人ショートブーツのオールソール交換修理が無事に完了いたしました👢✨

今回お預かりしたブーツは、近年のファッションでも人気の高いウェッジタイプの厚底デザイン。特にヒールの高さが印象的で、スタイルアップ効果と歩きやすさを兼ね備えた魅力的な一足でした。しかしその一方で、構造的に負荷が集中しやすいヒール部分には経年劣化の影響が現れやすく、今回もまさにその典型的な症状が見受けられました。

■ポリウレタン素材特有の「加水分解」とは

今回のトラブルの原因は、ポリウレタン素材に多く見られる「加水分解」です。ポリウレタンは軽量でクッション性に優れ、履き心地の良さから多くの靴に使用されていますが、空気中の水分と化学反応を起こすことで徐々に劣化していく性質があります。

この加水分解が進行すると、以下のような症状が現れます。

・ソール内部がスカスカになる
・押すと沈み込むような感触になる
・ひび割れや崩れが発生する
・最終的にはボロボロと崩壊する

今回のブーツも、外見上はまだ履けそうな状態に見えましたが、内部では空洞化が進行しており、安全に歩行することが難しい状態でした。このようなケースでは、部分修理ではなく「オールソール交換」が最適な対応となります。

■既製ソールでは対応できない特殊な厚底構造

今回の修理で最も難しかったポイントは、「ヒールの高さと形状の再現」です。

一般的な靴であれば、市販されている既製のソールを使用することで対応可能なケースも多いのですが、このブーツのように高さのあるウェッジソールの場合、完全に一致する既製品はほぼ存在しません。

さらに重要なのは「高さ」だけではなく、「角度」や「重心バランス」です。

・前足部との高低差(傾斜)
・歩行時の体重移動のバランス
・見た目のシルエット

これらをすべて考慮しながら、元の履き心地とデザインを再現する必要があります。

■EVAスポンジを使用したオーダーメイド成形

そこで今回採用したのが、EVA(エチレン酢酸ビニル)スポンジを用いた積層構造によるソール製作です。

EVA素材は、以下のような特長を持っています。

・軽量で足への負担が少ない
・クッション性に優れている
・加工しやすく自由な形状が作れる
・耐久性が高く加水分解しにくい

これらの利点を活かし、複数のEVAシートをミリ単位で調整しながら丁寧に積み重ね、元のソールの高さ・角度・フォルムを忠実に再現していきます。

単純に積み上げるだけではなく、削り出しや微調整を繰り返すことで、見た目にも自然で、なおかつ歩きやすい構造を実現しています。

この工程は非常に時間と技術を要しますが、履き心地の完成度を左右する重要な作業です。

■アウトソールにはTOPY社製クロコ柄を採用

ソールの最下層、いわゆる接地面にはフランスのTOPY(トピー)社製ラバーソールを採用しました。

TOPY社は、ヨーロッパを中心に高い評価を受けているソールメーカーで、以下のような特徴があります。

・耐摩耗性に優れ長持ちする
・グリップ力が高く滑りにくい
・デザイン性が高く上品な仕上がり

今回使用したクロコ柄のソールは、機能性だけでなく見た目の高級感も演出してくれるため、婦人ブーツとの相性も抜群です。

厚底でありながらも、重たく見えず、洗練された印象に仕上がりました。

■修理によって蘇る「履き心地」と「安心感」

オールソール交換によって、見た目の美しさはもちろんのこと、履き心地も大きく改善されました。

・安定した歩行
・適度なクッション性
・長時間の使用でも疲れにくい構造

これにより、日常使いはもちろん、お出かけや旅行などでも安心してご使用いただける状態に仕上がっています。

お気に入りの靴は、単なる「履き物」ではなく、その方のライフスタイルや思い出が詰まった大切な存在です。だからこそ、修理によって再び長く使えるようになることには、大きな価値があります。

■靴を長く使うためのメンテナンスの重要性

今回のような加水分解は、完全に防ぐことは難しいものの、日頃のケアによって進行を遅らせることは可能です。

例えば、

・風通しの良い場所で保管する
・長期間履かない場合も定期的に状態を確認する
・異変を感じたら早めに相談する

といった習慣が、靴の寿命を大きく左右します。

特にポリウレタン素材の靴は「履いていなくても劣化する」という特徴があるため、定期的なチェックが非常に重要です。

■オールソール交換という選択肢

「ソールがダメになったら買い替え」と考える方も多いですが、実は多くの靴は修理によって再生可能です。

特に今回のようなケースでは、

・デザインが気に入っている
・履き慣れていて足に合っている
・同じものが手に入らない

といった理由から、修理を選ばれる方が増えています。

オールソール交換は確かに手間のかかる作業ですが、その分、新品にはない「自分だけの一足」として蘇らせることができます。

■まとめ|大切な一足を、これからも長く

笠岡市のH様、この度は大切なブーツの修理をお任せいただき、誠にありがとうございました。

加水分解によって一度は履けなくなってしまったブーツも、適切な修理を施すことで再び活躍できる状態へと生まれ変わりました。

これからまた、このブーツで素敵なお出かけを楽しんでいただければ幸いです😊

当店では、今回のような厚底ブーツや特殊構造の靴の修理にも対応しております。

「これは直るのかな?」と迷われた際も、ぜひ一度ご相談ください。

お気に入りの靴を、より長く、より快適に履き続けるお手伝いをさせていただきます👞✨

お問い合わせ・ご相談、心よりお待ちしております📞


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兵庫県 M様 LLビーン ロングブーツ ソール張替え

兵庫県にお住まいのM様より、LLビーンのロングブーツのソール張替えをご依頼いただきました。
アウトドアブランドらしい実用性の高い一足ですが、長年の使用により靴底の摩耗が進み、滑りやすさやクッション性の低下が気になってきたとのことです。

今回のブーツは一般的な革靴やスニーカーとは大きく異なる構造を持つモデルで、通常のソール交換とはまったく異なるアプローチが必要となりました。構造を理解し、適切な方法を選択することが仕上がりと耐久性を左右する重要なポイントとなります。

ここでは、状態の確認から仕上げまでの工程を詳しくご紹介いたします。

ご依頼品の特徴 ― 一体成型のゴムボトム構造

今回のブーツ最大の特徴は、靴本体の下部が合成ゴムの一体成型で作られている点です。
いわゆる「ビーンブーツ系」の構造で、足を包み込む防水性の高いゴムシェルに、くるぶし付近から上部の革シャフトが縫い付けられています。

この構造の利点は、
・高い防水性能
・耐候性の高さ
・タフな使用環境への適応力
といった点にあります。

しかし一方で、修理の観点では大きな制約があります。
それは「靴底を取り外すことができない」という点です。

一般的な靴であれば、アウトソールを剥がしミッドソールを交換することで修理を行いますが、このタイプは底材が本体と一体化しているため、同じ方法は採れません。
つまり、既存の底を活かしながら新しいソールを構築する必要があります。

状態確認

底面は全体的に摩耗が進み、特に踏み込み部分の溝が消えかけている状態でした。
グリップ力の低下だけでなく、長時間歩行時の疲労感にもつながるコンディションです。

また、側面にはデザインとして凸凹したモールドが施されていました。
この部分まで深く削り込むと、ゴムの厚みが不足し穴が開く可能性があるため、加工範囲の見極めが重要になります。

修理方針

M様には構造上の制約をご説明し、以下の方法での修理をご提案しました。

・既存の底面を削りフラットなベースを作る
・ミッドソールを新設し縫い付け
・アウトソールを貼り付けて耐久性を向上
・側面の意匠部分は革でカバーし外観を整える

この方法であれば、構造を損なわずに機能性と見た目の両方を改善できます。
ご了承をいただき、作業に入りました。

作業工程① 底面の削り込み

まずは摩耗した底面を均一に削り、ソールを接着するための平面を作ります。
一体成型のゴムは厚みのばらつきがあるため、削りすぎると強度が落ち、削り足りないと仕上がりが不安定になります。

特に側面の凸凹モールド付近は慎重に作業し、必要以上に削らないよう調整しました。
結果として、強度を保てる範囲で最適な削り量に収めています。

作業工程② ミッドソールの構築

次に、クッション性と土台の役割を担うミッドソールを作製します。
今回のような構造では、この層が仕上がりの安定性を大きく左右します。

ブーツ底面の形状に合わせて材料を成形し、位置決めを行った後、縫製によって固定。
ゴム本体に直接縫い付けるため、針の角度や糸のテンションに細心の注意を払います。

この工程により、単なる接着よりもはるかに高い耐久性を確保できます。

作業工程③ 側面デザインの処理

今回の修理の特徴的なポイントが、この側面処理です。
削り込み量を抑えたことで、凸凹したモールド部分が部分的に残る状態となりました。

このままでは見た目に違和感が出るため、革を用いてカバーリングを行います。
形状に合わせて革を裁断し、丁寧に縫い付けることでデザインを整えました。

結果として、オリジナルの無骨な印象を残しつつ、より引き締まった外観に仕上がっています。

作業工程④ アウトソールの装着

アウトソールには、耐摩耗性とグリップ力に優れた
Vibramの1136ソールを採用しました。

このソールは厚みと剛性のバランスが良く、アウトドア用途にも適したモデルです。
接着と圧着を丁寧に行い、全体のラインを整えながら固定していきます。

ソールの接地面が均一になるよう最終調整を行い、歩行時の安定感を高めました。

仕上がり

完成したブーツは、ソール周りが一新されたことで全体の印象が引き締まり、機能面も大きく向上しました。
特にグリップ力とクッション性はオリジナルと比較しても明確に改善されています。

側面の革カバーにより、加工跡の違和感もなく、自然な一体感のある仕上がりとなりました。
耐久性は格段に向上しており、これからの使用環境でも安心して履いていただけます。

この修理の意義

一体成型のゴムボトムブーツは頑丈である反面、修理が難しい靴の代表格です。
そのため、摩耗が進むと「買い替えしかない」と思われがちですが、適切な方法を選べば機能を回復させることが可能です。

今回のように、
・削り込み
・ミッドソール新設
・アウトソール追加
という工程を経ることで、構造を活かしたまま性能をアップデートできます。

お渡し時

仕上がったブーツをご覧になったM様からは、
「見た目がすっきりして新品みたいですね」
とのお言葉をいただきました。

長く履いてきた靴が再び実用的な状態に戻る瞬間は、持ち主の方にとっても特別なものです。
私たちにとっても、この瞬間が修理の大きなやりがいとなります。

これからの一足

今回採用したソールは耐摩耗性に優れているため、今後の使用でも長く性能を維持できるでしょう。
アウトドアシーンや雨天時など、これまで通り安心して活躍してくれるはずです。

靴は消耗品でありながら、使い込むほどに足に馴染み、持ち主の生活の一部になっていきます。
修理によってその時間をさらに延ばすことができるのは、大きな価値だと感じています。

最後に

特殊構造の靴であっても、状態と用途を見極めれば最適な修理方法を見つけることができます。
今回のブーツのように「ソールが外せない」タイプでも、機能回復は十分可能です。

靴底の摩耗や滑りが気になり始めたら、それは修理のサインかもしれません。
お気に入りの一足を長く履き続けるためにも、ぜひ早めのメンテナンスをご検討ください。

兵庫県のM様、このたびは大切なブーツの修理をお任せいただき誠にありがとうございました。
新しく生まれ変わったソールとともに、これからもさまざまなシーンで活躍してくれることを願っております。

耐久性が向上したこの一足が、これから先も長く足元を支えてくれることでしょう。

大阪府 I様 Santoni スニーカー 加水分解でソール割れのため オールソール交換修理 Vibram063にて

本日も、大切な一足の再生をご依頼いただきました。大阪府のI様よりお預かりしたのは、上質な作りと洗練されたデザインで知られる Santoni のスニーカーです。見た目にはまだ十分に履けそうに見える状態でしたが、実際には靴底内部の劣化が進行しており、歩行時の違和感や不安定さが顕著に現れていました。

今回の修理の原因となっていたのは、塩ビ系素材のソールに見られる経年劣化です。長年の使用や保管環境の影響により、素材内部の可塑剤が抜け、硬化とともにひび割れが発生していました。特に屈曲の多い前足部から亀裂が広がり、ヒール部分にかけて破断寸前の状態となっていたため、このままの使用は危険と判断し、オールソール交換という最適な方法で再生を行うことになりました。

まずは、既存ソールの分解作業からスタートします。塩ビ系ソールは劣化すると接着層が不均一になり、部分的に強く固着していることがあります。無理に剥がすとアッパーを傷めてしまうため、温度管理を行いながら慎重に分離しました。分解の過程で確認できたのは、ヒール部に他店で取り付けられたトップパーツの存在です。構造的には問題ないものの、全体のバランスやデザインとの一体感に欠けており、今回の再構築にあたっては取り外すことにしました。

ソールをすべて取り外した後は、中底の状態確認です。靴の寿命を左右するこの部分に大きな損傷はなく、しっかりとした剛性が保たれていました。そのため、クリーニングと補強処理を施したうえで再利用することに。構造を活かすことで、履き慣れたフィット感を維持できる点は、オールソール修理の大きなメリットの一つです。

次に取り掛かったのは、新しいソール構成の設計です。I様からは「より重厚感があり、しっかりとした履き心地にしたい」というご要望をいただいていました。そこで、アウトソールには耐久性と安定感に優れた Vibram の063を採用。ヒール一体型の設計により、クラシカルで存在感のあるシルエットを実現できるのが特徴です。

ミッドソール部分は、衝撃吸収性と安定性のバランスを考慮しながら厚みを設計しました。単に厚くするのではなく、前後の高低差や屈曲位置を調整することで、歩行時の体重移動が自然になるよう仕上げています。こうした細かな設計は、長時間履いたときの疲労感を大きく左右する重要なポイントです。

ソールの接着に入る前には、接着面の下処理を徹底します。旧接着剤の除去、表面の荒らし加工、脱脂といった工程を丁寧に行うことで、接着強度を最大限に高めます。その後、専用のプレス機で圧着し、ソールとアッパーを一体化させました。圧着後は十分な養生時間を確保し、接着の安定を待ちます。この工程を省略すると、後の剥がれの原因になるため非常に重要です。

圧着が完了した後は、仕上げの削りとバランス調整に入ります。ソール周囲を丁寧に整形し、接地面の水平を確認。左右差や歩行時の接地感をチェックしながら微調整を行いました。この作業は見た目以上に繊細で、数ミリの差が履き心地に大きく影響します。最終的には、重厚感のある見た目とスムーズな歩行性を両立した仕上がりとなりました。

今回の修理で印象的だったのは、ソール交換によって靴全体の印象が大きく変わった点です。元の軽快な雰囲気から、より落ち着いた存在感のあるスタイルへと変化し、コーディネートの幅も広がる一足に生まれ変わりました。これは、単なる修理にとどまらず「再設計」と言えるプロセスです。

仕上げの段階では、アッパーのクリーニングと保湿ケアも実施しました。ソールが新しくなると、アッパーのコンディションも目立つため、革の潤いを補い全体の統一感を整えます。こうした細部のケアによって、完成度の高い仕上がりとなります。

最終チェックでは屈曲テストと歩行シミュレーションを行い、接着状態・安定性・クッション性を確認。ヒール一体型ソールの効果により、着地時のブレが少なく、しっかりとした踏み心地が感じられる状態に仕上がりました。I様のご要望であった「安心感のある履き心地」を実現できたと感じています。

靴は日常の中で最も酷使される道具の一つですが、適切な修理を行うことで寿命を大きく延ばすことができます。特に今回のようなソールの加水分解は避けられない経年変化ですが、構造を理解したうえで再構築すれば、再び長く履き続けることが可能です。

私たちの仕事は、壊れた部分を直すだけではありません。お客様のご要望やライフスタイルを伺い、その靴にとって最適な形を提案することも大切な役割です。一足一足に合わせたカスタマイズこそが、既製品にはない価値を生み出します。

今回のように、ヒール形状やソールの種類を変更することで、履き心地だけでなくデザインの印象も大きく変わります。「もう履けない」と思っていた靴でも、修理によって新たな魅力を引き出すことができるのです。

I様の大切なスニーカーが、これからも日々の歩みを支える存在であり続けることを願いながら、心を込めて仕上げさせていただきました。履くたびに感じる安定感と安心感を、ぜひこれからもお楽しみいただければと思います。

靴に関するお悩みやカスタマイズのご相談は、どんな小さなことでも歓迎しております。素材や構造に合わせた最適な修理方法をご提案し、大切な一足を長くご愛用いただけるよう全力でサポートいたします。

これからも、一足一足に真摯に向き合い、履く人の毎日を支える仕事を続けてまいります。皆様のご相談・ご依頼を心よりお待ちしております。

兵庫県のお客様よりお預かりした Zamberlan(ザンバラン)登山ブーツ

―― オールソール交換修理で、街から自然まで対応する一足へ ――

今回ご紹介するのは、兵庫県にお住まいのお客様よりお預かりした、
イタリア発の本格アウトドアブランド
**Zamberlan(ザンバラン)**の登山ブーツ修理事例です。

ザンバランといえば、
登山・トレッキング・ハイキングといったアウトドアシーンで高い評価を得ている老舗ブランド。
堅牢な作りと足をしっかり包み込むホールド感、
そして長時間歩行を前提とした設計が魅力です。

今回お預かりした一足も、
アウトドアブーツでありながら、
どこか洗練されたデザイン性を持つ、とてもおしゃれなモデルでした。

お客様からのご相談は、
「まだアッパーは元気なので、これからも街歩きや軽いハイキングで使いたい」
というもの。

しかし、長年の使用により、
靴底には明らかな摩耗と劣化が見られ、
このまま履き続けるには不安が残る状態でした。


■ 修理前の状態:アウトソールの摩耗とクッション性の低下

まずは、修理前の状態を詳しく確認します。

アウトソールは、

  • 地面との接地部分が大きく摩耗

  • トレッドパターン(溝)が浅くなり、グリップ力が低下

  • 歩行時に硬さを感じる状態

特に、かかとから前足部にかけては、
街歩きでの使用頻度が高かったこともあり、
均一にすり減っている印象でした。

また、ミッドソール部分も経年によって、

  • クッション性が落ちている

  • 反発力が弱くなっている

  • 長時間歩くと疲れやすい

といった症状が出ていました。

アッパーの革や縫製状態は非常に良好で、
「ここで手を入れれば、まだまだ長く履ける」
そんなポテンシャルを十分に感じる一足です。


■ 修理方針:街歩き+軽いハイキングに最適化する

今回のオールソール交換修理で、
私たちが重視したポイントは次の3点です。

  1. 街歩きでも疲れにくい快適性

  2. 軽いハイキングに対応できるグリップ力

  3. ザンバランらしい雰囲気を損なわない仕上がり

本格的なアルパイン用途ではなく、
あくまで「街と自然の両方で使える一足」という方向性を明確にし、
ソール構成と素材を選定していきました。


■ アウトソール選び:Vibram 063 を採用

今回アウトソールに採用したのは、
Vibram(ビブラム)063

Vibram 063は、

  • 適度なボリューム感

  • フラットすぎない安定した接地感

  • 街歩きでも違和感のないトレッドパターン

といった特徴を持ち、
タウンユースとライトアウトドアの中間に位置する、非常にバランスの良いソールです。

ゴツすぎず、しかし頼りなさもない。
ザンバランの上質なアッパーとの相性も良く、
今回の用途にはまさに理想的な選択でした。


■ ソール分解作業:慎重さが求められる工程

オールソール交換修理では、
まず既存のソールをすべて取り外す必要があります。

登山ブーツは構造が複雑なことが多く、
無理な力をかけると、

  • アッパーを傷める

  • 縫製を切ってしまう

  • 靴全体のバランスが崩れる

といったリスクがあります。

そのため、
接着層を一層ずつ確認しながら、
慎重に分解作業を進めていきました。


■ ミッドソール構成:合成ゴム+EVAスポンジ

今回の修理で特にこだわったのが、
ミッドソール部分の作り直しです。

● 合成ゴムを縫い付けて強度を確保

まず、土台となる部分には合成ゴムを使用し、
接着だけでなく、縫い付けによって固定しました。

これにより、

  • 剥がれにくい構造

  • 長期間使用しても安心感のある耐久性

  • 重量を抑えつつ、必要な剛性を確保

といったメリットが得られます。

● EVAスポンジでクッション性をプラス

その上に、EVAスポンジを組み合わせることで、
歩行時の衝撃をしっかり吸収。

EVAスポンジは、

  • 軽量

  • クッション性が高い

  • 反発力があり、歩行がスムーズ

という特性を持っており、
街歩きや長時間の散策でも足への負担を軽減してくれます。


■ 縫製と接着:登山ブーツだからこその安心感

ミッドソールとアウトソールの接合には、
接着剤だけに頼らず、
縫製と接着を併用しています。

アウトドアブーツは、

  • 路面状況が変わりやすい

  • 荷重が不規則にかかる

  • 横方向の力が入りやすい

という特徴があるため、
構造的な強さがとても重要です。

「安心して歩ける」という感覚は、
こうした地味ですが確実な工程の積み重ねから生まれます。


■ 仕上がり:街でも自然でも映える一足へ

完成したザンバランは、

  • 全体のシルエットが引き締まり

  • 適度なボリューム感でコーディネートしやすく

  • 歩き出した瞬間から違いを感じる履き心地

へと生まれ変わりました。

街中の舗装路ではクッション性と安定感を、
公園やハイキングコースでは確かなグリップ力を発揮し、
**「歩くことそのものが楽しくなる」**一足に仕上がっています。


■ お客様へ、そしてアウトドアブーツを愛用されている皆さまへ

大切な靴が、
再び新しい冒険へ出発するその瞬間をサポートできること。
それは、私たち靴修理職人にとって、何よりの喜びです。

ザンバランをはじめ、
高品質なアウトドアブーツは、
ソールを直せば、驚くほど長く履き続けることができます

「まだ履けるか分からない」
「修理する価値があるか迷っている」
そんな時こそ、ぜひ一度ご相談ください。

お客様の用途・歩き方・ライフスタイルに合わせて、
最適な修理方法をご提案いたし

埼玉県e様 ジョーヤ ウォーキングシューズ オールソール交換修理事例

埼玉県のE様よりお預かりした、ジョーヤ(Joya)のウォーキングシューズのオールソール交換修理事例をご紹介いたします。

ジョーヤといえば、「足にやさしい靴」として世界的にも知られているスイス発祥のブランドで、独自構造のソールによるクッション性と安定感が大きな特徴です。特にウォーキングシューズとして愛用されている方が多く、長時間歩いても疲れにくい履き心地を評価されています。E様もこのジョーヤの履き心地を大変気に入られており、「できることなら、これからもずっと履き続けたい」という思いから、今回の修理をご依頼くださいました。

■ ご依頼時の靴の状態

お持ち込みいただいた靴は、見た目には比較的きれいな状態でした。実はアウトソールについては、過去に一度交換修理を行っているとのこと。底面の摩耗自体は大きな問題ではなく、「なぜか最近、履き心地が急に悪くなった」「柔らかさがなくなり、歩くと違和感がある」というのがE様のお悩みでした。

そこで靴を詳しく確認すると、原因はミッドソール部分にありました。ジョーヤの多くのモデルでは、ミッドソールにポリウレタン素材が使用されています。ポリウレタンは軽量でクッション性に優れた素材ですが、経年劣化により“加水分解”という現象を起こすことがあります。

加水分解とは、空気中の水分などの影響で素材が化学的に分解され、弾力を失ったり、ボロボロと崩れたりする現象です。見た目では分かりにくくても、内部ではスポンジ状の組織が壊れてしまい、本来のクッション性能を発揮できなくなります。今回のジョーヤも、まさにその状態でした。

■ オールソール交換修理を選択した理由

ミッドソールが加水分解している場合、部分的な補修では根本的な改善ができません。表面だけを直しても、内部の劣化が進行していれば、再び不具合が出てしまいます。そのためE様とご相談のうえ、アウトソール・ミッドソールを含めた「オールソール交換修理」を行うことになりました。

ジョーヤの履き心地の要となるのは、やはりソール全体のバランスです。ただ単に新しい底を付ければ良いわけではなく、「柔らかさ」「安定感」「自然な体重移動」をいかに再現するかが重要になります。

■ 既存ソールの分解作業

まずは、現在付いているソールを丁寧に分解していきます。過去に一度アウトソール交換がされているため、接着層や素材の状態を慎重に見極めながら作業を進めました。

分解してみると、ミッドソールのポリウレタンは予想通り、指で触ると崩れるほど劣化していました。これでは、いくらアウトソールが新しくても、快適に歩くことはできません。劣化したポリウレタンを完全に取り除き、靴本体側をきれいな状態に整えます。この下処理が、仕上がりと耐久性を大きく左右する重要な工程です。

■ EVAスポンジによる新しいミッドソール作成

今回、新しいミッドソール素材として採用したのは「EVAスポンジ」です。EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)は、軽量でありながら耐久性とクッション性のバランスが非常に良く、近年のスニーカーやウォーキングシューズでも広く使用されている素材です。

EVAスポンジの大きな利点は、加水分解を起こしにくい点にあります。ポリウレタンと比べると経年劣化が緩やかで、長期間にわたって安定した履き心地を保ちやすいのが特徴です。長く履き続けたいE様のご要望にも、非常に適した素材だと判断しました。

今回はEVAスポンジを3層構造で貼り合わせ、しっかりとした厚みを持たせています。ただ厚くするだけではなく、ジョーヤ特有の曲線的なソール形状を再現するため、層ごとに微調整を行いながら削り出しました。

歩行時には、かかとから着地し、足裏全体へ体重が移動し、つま先で蹴り出すという一連の流れがあります。この体重移動が自然に行えるよう、前後の高さや丸み、土踏まず周辺のボリューム感を意識しながら、立体的に仕上げていきました。

■ アウトソールにはTOPY社クロコ柄ソールを採用

ミッドソールが完成した後、仕上げとしてアウトソールを取り付けます。今回使用したのは、TOPY(トピー)社製のクロコ柄ソールです。

このソールは、耐摩耗性に優れているだけでなく、グリップ力も高く、ウォーキング用途に非常に適しています。また、クロコダイル調の模様が施されており、機能性だけでなくデザイン性も兼ね備えているのが特徴です。

シンプルになりがちなウォーキングシューズですが、足元にさりげない表情が加わり、「修理した靴」ではなく「生まれ変わった靴」という印象に仕上がりました。E様にも、見た目の変化を大変喜んでいただけました。

■ 仕上げと最終チェック

ソールを接着後、圧着・乾燥の工程を経て、最終仕上げに入ります。接地面のバランスを確認し、左右差やガタつきがないかを細かくチェック。実際の歩行を想定しながら、細部を微調整して完成となります。

完成後のジョーヤは、クッション性がしっかりと戻り、足を入れた瞬間に「ふわっとした安心感」が感じられる仕上がりになりました。それでいて、沈み込みすぎない安定感も確保できており、長距離歩行でも疲れにくい構造です。

■ 修理を終えて

E様からは、「新品のときよりも、むしろ今の方が歩きやすい気がする」「また安心して長く使える」と嬉しいお言葉をいただきました。大切に履いてこられた靴を、もう一度現役としてお返しできることは、私たち修理職人にとって何よりの喜びです。

ウォーキングシューズは、日々の健康を支える大切な道具です。ソールの劣化を我慢して履き続けると、足や膝、腰への負担にもつながります。「最近、履き心地が変わった」「柔らかさがなくなった」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

今回のように、EVAスポンジを用いたオールソール交換修理によって、お気に入りの靴を再び快適に履き続けることが可能です。これからも、お客様の足元を支えるお手伝いができれば幸いです。

大阪府m様 フットジョイ・アイコン フルリニューアル修理事例  加水分解を原因に

こんにちは。今回は、大阪府にお住まいのM様よりお預かりした、フットジョイの名作ゴルフシューズ「アイコン(ICON)」モデルのフルリニューアル修理事例をご紹介します。

クラシックな佇まいと上質な作りで、長年多くのゴルファーに愛されてきたフットジョイ・アイコン。しかし、どれほど完成度の高い靴であっても、経年劣化だけは避けて通れません。今回お預かりした一足も、外観は比較的きれいな状態を保っていたものの、内部では素材の劣化が静かに、しかし確実に進行していました。

■ ご依頼のきっかけと靴の状態

M様からのご相談内容は「ソールが劣化してきたので、これからも安心して履けるように修理したい」というもの。詳しく拝見すると、ミッドソールに使用されているポリウレタン素材が加水分解を起こしており、内部ではボロボロと崩れ始めている状態でした。

ポリウレタンは、クッション性や軽さに優れる一方で、水分や湿気の影響を受けやすく、一定の年数が経過すると加水分解によって劣化してしまう性質があります。特にゴルフシューズは、芝生の水分や雨、保管環境の影響を受けやすいため、こうした症状が出やすいジャンルの靴でもあります。

今回は部分修理では根本的な解決にならないと判断し、思い切ってオールソール交換によるフルリニューアルをご提案しました。

■ スパイクレス化という選択

もうひとつの大きなポイントが「スパイクレス化」です。オリジナルはスパイク付きのゴルフシューズですが、M様からは「普段の練習やラウンドで、より歩きやすく、汎用性の高い仕様にしたい」というご要望がありました。

そこで今回は、スパイクを使わないスパイクレス仕様に変更することに。これにより、ゴルフ場はもちろん、移動時や練習場でも扱いやすく、現代的な使い方ができる一足へと生まれ変わります。

■ ソール分解作業

まずは既存ソールの分解から作業を開始します。フットジョイ・アイコンは、比較的一体型の構造で、ソールはボンド接着が主体となっています。

この構造のおかげで、熱を加えながら慎重に作業を進めることで、比較的スムーズにソールを分解することができました。ただし、内部のポリウレタンは想像以上に劣化が進んでおり、触れると粉状になって崩れ落ちる状態です。

加水分解した素材を中途半端に残してしまうと、再接着や縫い付けの強度に悪影響を及ぼすため、劣化部分は徹底的に除去します。地味ですが、仕上がりと耐久性を左右する非常に重要な工程です。

■ EVAスポンジミッドソールの製作とマッケイ縫い

次に、新しいミッドソールの製作に入ります。今回採用したのは、加水分解の心配がほとんどないEVAスポンジ素材です。

EVAは、軽量でクッション性に優れ、なおかつ経年劣化に強いという特性を持っています。ゴルフシューズのように長時間歩行する靴には、非常に相性の良い素材です。

このEVAスポンジを靴の形状に合わせて成形し、マッケイ縫いで靴本体に直接縫い付けていきます。マッケイ縫いは、足裏の感覚がダイレクトに伝わりやすく、屈曲性にも優れる製法です。

見た目はシンプルですが、ミシンの角度やテンション管理が難しく、確かな技術が求められます。クラシックな靴の雰囲気を損なわず、かつ実用性を高めるために最適な選択と言えるでしょう。

■ ヒール部のEVA成形

ミッドソールに続いて、ヒール部分もEVAスポンジで新たに製作します。既製品をそのまま使うのではなく、元のシルエットやバランスを意識しながら、丁寧に削り出して高さや形状を調整しました。

ゴルフシューズにおいてヒールの安定感は非常に重要です。スイング時の体重移動や歩行時のバランスを考慮し、過不足のないボリュームに仕上げています。

■ Vibram 419C スパイクレスソールの装着

アウトソールには、Vibram(ヴィブラム)社の419Cスパイクレスソールを採用しました。このソールは、グリップ力と耐久性のバランスに優れ、ゴルフ用途としても非常に評価の高いモデルです。

芝生の上でもしっかりとした安定感を発揮しつつ、スパイク特有の硬さがないため、歩行時の快適性も向上します。クラシックなアイコンの雰囲気とも相性が良く、違和感のない仕上がりになりました。

接着後は、全体のバランスや接地感を細かくチェックし、必要に応じて微調整を行って完成です。

■ 修理を終えて

こうして完成したフットジョイ・アイコンは、見た目こそクラシックなままですが、中身は現代的で実用性の高い一足へと生まれ変わりました。加水分解の不安から解放され、これからも長く安心して履いていただけます。

M様にも仕上がりをご確認いただき、「これならまた何年も使えそうですね」と嬉しいお言葉を頂戴しました。職人として、これ以上ない瞬間です。

古き良きものに新たな命を吹き込み、持ち主の思い出とともに未来へつなぐ。それこそが、私たち靴修理職人の使命だと改めて感じた一足でした。

倉敷市 A様 加水分解した ブランドストーンの靴底をオールソール交換修理しました

倉敷市にお住まいのA様より、ブランドストーン(Blundstone)サイドゴアブーツの修理をご依頼いただきました。


日常使いから街歩きまで幅広く活躍するブランドストーンのサイドゴアブーツは、履きやすさと耐久性を兼ね備えた人気モデルです。A様も長年このブーツを愛用されており、日々の生活の中で欠かせない一足として大切に履かれてきたそうです。

今回のご相談内容は、靴底の剥がれ
確認させていただいたところ、アウトソールだけでなく、内部のポリウレタン製ミッドソールが加水分解を起こしている状態でした。ポリウレタン素材は、クッション性や軽さに優れる一方で、経年や保管環境によって劣化が進みやすいという特性があります。

加水分解とは、空気中の湿気と化学反応を起こすことで、素材の分子構造が壊れてしまう現象です。
この症状が進行すると、ソールがボロボロと崩れたり、今回のように接着が効かなくなって剥がれてしまったりします。履いていなくても劣化が進む場合があるため、「久しぶりに履こうとしたら突然壊れた」というご相談も少なくありません。

A様のブーツも、外見上は比較的きれいな状態でしたが、内部では確実に劣化が進んでいました。
このようなケースでは、部分的な貼り替えや応急処置では根本的な解決にはなりません。そのため今回は、劣化したソールをすべて取り除き、新たに作り直すオールソール交換修理をご提案しました。

まずは既存ソールの分解作業から始めます。
加水分解したポリウレタンは非常に脆く、粉状になったり、粘ついたりと状態が安定しません。無理に剥がすとアッパー(甲革)を傷めてしまう恐れがあるため、状態を見極めながら、慎重に取り外していきます。

ソールを完全に除去した後は、靴底全体の下処理を行います。
劣化した素材の残りや古い接着剤を丁寧に取り除き、次に取り付けるミッドソールがしっかり密着するよう、底面を整えていきます。この工程は完成後には見えなくなる部分ですが、耐久性と履き心地を左右する非常に重要な作業です。

新たなミッドソールとして採用したのは、EVAスポンジ素材
EVAスポンジは軽量でクッション性が高く、加水分解のリスクが低い素材として知られています。歩行時の衝撃を和らげ、長時間歩いても疲れにくいため、街歩きや日常使いのブーツには非常に相性の良い素材です。

このEVAミッドソールは、接着だけに頼らず、マッケイ縫いによって靴本体にしっかりと固定しています。
マッケイ縫いは、インソールからアウトソールまでを一気に縫い通す製法で、軽さと屈曲性に優れるのが特徴です。サイドゴアブーツのように、脱ぎ履きが多く、歩行時の柔軟性が求められる靴には最適な構造と言えます。

アウトソールには、Vibram(ビブラム)528Kソールを使用しました。
このソールは、軽量でありながら耐摩耗性に優れ、安定したグリップ力を持つモデルです。街中のアスファルトやタイル路面でも安心して歩けるため、日常使いを想定した今回の修理内容にぴったりの選択となりました。

仕上がりは、見た目にも自然で、ブランドストーン本来のシンプルで実用的な雰囲気を損なうことなく完成しました。
履き心地も軽やかで、修理前よりも歩きやすく感じていただける仕上がりになっています。

靴は、私たちの日々の歩みを支える大切な道具です。
消耗品であることは確かですが、適切なタイミングで修理やメンテナンスを行えば、驚くほど長く使い続けることができます。特に今回のように、構造から見直したオールソール交換は、靴に新たな寿命を与える修理と言えるでしょう。

新品に買い替えるのではなく、履き慣れた靴を修理して使い続けることは、経済的なメリットだけでなく、環境への配慮にもつながります。
そして何より、足に馴染んだ一足をこれからも履き続けられるという安心感は、何ものにも代えがたいものです。

A様のブランドストーンも、今回の修理によって再び安心して街へ出かけられる相棒として生まれ変わりました。
これからも、日々の歩みを支える一足として、存分に活躍してくれることと思います。

この度は、大切なブーツの修理をご依頼いただき、誠にありがとうございました。
靴の修理やメンテナンスについて、気になる点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

Foot Joy ドライプレミアム スパイクレス化オールソール交換修理事例(東京都i様)

こんにちは。岡山県倉敷市で靴修理を行っております。当店では、革靴からスニーカー、ブーツ、ゴルフシューズまで、幅広いジャンルの靴修理を承っております。今回は、東京都よりご依頼をいただいた I様の FootJoy(フットジョイ)ドライプレミアム の修理事例をご紹介いたします。

今回の修理は、ハーフソールラバーおよびソフトスパイク部分の加水分解が進行してしまったことをきっかけに、スパイクレス化を含むオールソール交換修理を行った内容となります。ゴルフシューズならではの構造や、修理にあたっての注意点、仕上がり後の変化についても詳しくご紹介していきますので、同様のお悩みをお持ちの方はぜひ参考になさってください。


ご依頼の靴について

今回お預かりしたのは、FootJoyの中でも高い評価を受けている「ドライプレミアム」シリーズのゴルフシューズです。防水性・フィット感・安定性に優れ、長時間のラウンドでも疲れにくい設計が特徴で、多くのゴルファーに愛用されているモデルです。

I様もこの靴を大変気に入っておられ、長年大切に履かれてきたとのことでした。しかし、ある時から歩行時に違和感を覚えるようになり、ソール周りを確認したところ、ハーフソールラバーとソフトスパイクが劣化し、ボロボロと崩れてきている状態に気づかれたそうです。


加水分解によるトラブル

ゴルフシューズに多く使用されているラバーやポリウレタン系素材は、経年や保管環境の影響により「加水分解」を起こすことがあります。加水分解とは、空気中の水分と化学反応を起こし、素材が分解・劣化してしまう現象です。

今回のドライプレミアムも例外ではなく、ハーフソールラバーは弾力を失い、触ると崩れ落ちる状態でした。ソフトスパイクも固定力が低下し、プレー中の安定性に影響が出る恐れがある状況です。この状態では部分修理では対応が難しく、オールソール交換修理が最善と判断しました。


スパイクレス化という選択

I様とのご相談の中で話題に上がったのが、「スパイクレス化」という選択肢です。従来のソフトスパイク仕様は、芝生でのグリップ力に優れる反面、スパイク部分の劣化や交換の手間が発生します。

一方、スパイクレスソールは、

  • 軽量で足運びが楽
  • 歩行時の違和感が少ない
  • メンテナンス性が高い
  • 普段履き感覚で使いやすい

といったメリットがあります。最近ではプロ・アマ問わずスパイクレスを選ぶゴルファーも増えており、実用性の高さが評価されています。

I様も「これを機に履き心地を重視したい」とのご希望をお持ちだったため、スパイクレス仕様でのオールソール交換をご提案し、施工することとなりました。


修理工程のご紹介

まずは、劣化したアウトソール・ハーフソールラバー・スパイク関連部材をすべて取り外します。加水分解した素材は非常にもろく、無理に剥がすとアッパーを傷めてしまうため、状態を見極めながら慎重に分解作業を進めます。

次に、靴底全体の下地処理を行います。古い接着剤や劣化素材の残りを丁寧に除去し、平滑な状態を作ることで、新しいソールとの接着強度を高めます。この工程を怠ると、せっかく新しいソールを取り付けても剥がれの原因となるため、非常に重要な作業です。

下地が整った後、選定したスパイクレスソールを取り付けます。接着には専用の強力な接着剤を使用し、圧着・乾燥を十分に行うことで、ゴルフシューズとして求められる耐久性と安定性を確保します。


仕上がりと履き心地の変化

修理完了後のドライプレミアムは、見た目にもすっきりとした印象に生まれ変わりました。スパイクがなくなったことで、ソール全体の一体感が増し、非常にスマートな仕上がりです。

実際に履いた際の変化として、

  • 靴全体が軽く感じられる
  • 歩行時の動きがスムーズ
  • 足裏の当たりが柔らかい

といった点が挙げられます。I様からも「以前よりも足が自然に前に出る感じがする」「ラウンド後の疲れが軽減されそう」と嬉しいご感想をいただきました。


修理で得られるもう一つの価値

靴修理の魅力は、単に「壊れた部分を直す」だけではありません。今回のように仕様を変更することで、履き心地や使い勝手を向上させることができる点も大きなメリットです。

お気に入りの靴を買い替えることなく、自分のライフスタイルや用途に合わせてアップデートできる。それこそが、修理ならではの価値だと私たちは考えています。


最後に

今回ご紹介した FootJoy ドライプレミアムのスパイクレス化オールソール交換修理は、加水分解によるトラブルを解消すると同時に、履き心地を大きく向上させる結果となりました。

ゴルフシューズのソール劣化や、スパイクのトラブルでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。状態やご希望に応じて、最適な修理方法をご提案いたします。

倉敷市の靴修理店として、これからも一足一足と真摯に向き合い、**「安心して長く履ける靴」**をお届けしてまいります。お気に入りの一足を、もう一度快適に蘇らせてみませんか。

広島県 M様 ASICS バレーボールシューズ ソール張替え修理事例

今回ご紹介する修理事例は、広島県よりご依頼をいただいたM様のASICS(アシックス)製バレーボールシューズのソール張替え修理です。


バレーボールシューズは、競技特性上、前後左右への急激な動きやストップ動作が非常に多く、一般的なスニーカーと比べてもアウトソールへの負担が大きい靴です。特に体育館の床面では、適度なグリップ力が求められる一方で、摩耗が進むと一気に滑りやすくなり、プレーの質だけでなく怪我のリスクにも直結します。

M様からは「底面がかなり削れてきて、以前よりも滑る感じが出てきた」とのご相談をいただきました。実際に靴を拝見すると、アッパーや内部構造には大きなダメージはなく、全体的にはまだまだ使用可能な状態です。しかし、アウトソールの接地面は摩耗が進み、特に踏み込み時に力のかかる前足部を中心に、溝が浅くなり平滑化していました。こうした状態では、見た目以上にグリップ性能が低下しており、プレー中の踏ん張りが効かなくなってしまいます。

今回のケースでは、ソール本体(ミッドソールや靴底構造)はしっかりしており、加水分解や内部劣化は見られませんでした。そのため、靴全体を解体するオールソール交換ではなく、「底面のみを削り、新しいラバーソールを貼り替える」ソール張替え修理をご提案しました。これは、靴の寿命を無駄なく延ばし、費用と性能のバランスを取るうえで非常に有効な方法です。

まずは下準備として、既存のアウトソール底面を慎重に削り込んでいきます。この工程は単純に削ればよいというものではなく、元のソール形状を崩さないようにしつつ、新しいソールを確実に接着できる「平滑で均一な接着面」を作ることが重要です。削りが甘いと接着不良の原因になりますし、削りすぎると履き心地や安定性に影響が出ます。靴の状態を見極めながら、ミリ単位で調整していきます。

接着面が整ったら、次に使用するソール素材の選定です。今回はVibram(ビブラム)930Cを採用しました。Vibram930Cは、比較的薄手ながらも高い耐摩耗性とグリップ性能を持つラバーソールで、スポーツ用途や日常使いの靴にも幅広く対応できる素材です。特に注目すべき点は、配合されている「MEGA GRIP(メガグリップ)」というコンパウンドです。これは、濡れた路面や滑りやすい床面でも安定したグリップ力を発揮することで知られており、アウトドアシューズや高機能スポーツシューズにも使用されている素材です。

体育館の床は、一見すると滑りにくそうに見えても、ワックスや湿気の影響で意外と滑りやすい環境になることがあります。そのため、適度なグリップ力を持つソール素材の選択は非常に重要です。Vibram930Cは「止まりすぎず、しかし滑らない」というバランスの取れた特性を持っており、バレーボールのような競技にも相性が良いと判断しました。

ソール材を靴の形状に合わせてカットし、位置決めを行ったうえで、専用の接着剤を使用して圧着します。接着後は十分な時間をかけて乾燥・硬化させ、剥がれや浮きが出ないように慎重に仕上げます。その後、側面のラインを整え、接地面の仕上げ加工を行い、見た目と機能性の両立を図ります。

仕上がった状態では、摩耗していた底面は一新され、しっかりとしたグリップ感が期待できる状態になりました。ソール本体を活かした修理のため、履き慣れたフィット感やクッション性はそのままに、安心してプレーできる性能が戻っています。M様にも「これならまだまだ使えそうだ」と安心していただけました。

スポーツシューズは消耗品ではありますが、状態を見極めて適切な修理を行うことで、性能を取り戻し、長く使い続けることが可能です。特に今回のように、アッパーや内部構造が健全な場合は、ソール張替え修理が非常に有効です。滑りが気になり始めた段階でのご相談は、怪我の予防という意味でもおすすめです。

いずみ靴店では、競技内容や使用環境に応じたソール素材の提案を行い、一足一足の状態に合わせた修理を心がけています。スポーツシューズのソール摩耗や滑りでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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総社市 M様 NIKE エア・ジョーダン1.5 カスタムオールソール交換修理

総社市 M様 NIKE エア・ジョーダン1.5 カスタムオールソール交換修理

総社市にお住まいの M様より NIKE エア・ジョーダン1.5 の修理ご依頼をいただきました。
長年大切に履かれてきたそうで、アウトソール全体のすり減りやクッション性の低下が目立ち、歩行時にも地面の硬さを感じるようになってきたとのこと。
「このまま履けなくなるのは惜しいので、しっかりと直して今後も長く履いていきたい」という強いご希望で、オールソール交換修理のご相談をいただきました。


■ エア・ジョーダン1.5とは

エア・ジョーダン1.5は、1984〜85年頃のトランジションモデルと呼ばれ、アッパーはAJ1の雰囲気を残しつつ、ソールはエア・ジョーダン2へと移行するための試作的な設計を採用している珍しいモデルです。
その構造ゆえに、一般的なAJ1と比べて カップソール構造が独特で、修理部材の互換性がほとんどない ことが修理難易度を上げる要因となっています。

現在国内では 純正形状の交換用カップソールの入手は不可能 に近いため、従来と同じ形での復元修理は現実的には不可能です。
そこで今回は、機能面と耐久性を重視した カスタムオールソール方式 を採用しました。


今回の修理内容のポイント

項目 内容
修理内容 カスタムオールソール交換
ミッドソール 薄手の素材で新規作成し、マッケイ縫いで固定
側面 接着跡を本革で覆い、美観を向上
アウトソール Vibram 4014 白(タンクソール)
仕上げ カスタムデザインとして耐久性と安定性を強化

修理前の状態

靴をお預かりした段階で、アウトソール全体に広い摩耗が見られ、ヒール部分はかなりすり減った状態でした。
ミッドソールはクッション性が落ち、沈み込みが大きくなり、歩行時には衝撃がダイレクトに伝わるほどの劣化が進んでいました。

さらに、ソール側面は元々接着のみで固定されていたため、分解作業を行うと 接着跡が大きく残る構造 となっており、このままでは見た目の美しさに欠けます。


修理工程の詳細

### ① 旧ソールの分解

ソールを丁寧に剥がし、接着跡を除去します。
ジョーダン1.5は通常の縫い付け構造ではないため、内部構造を傷つけないよう慎重に作業を進めます。


### ② 接着跡を本革で側面処理

分解後は側面に広い接着跡が残りますが、
そこに薄手の本革を巻くように貼り込み、自然な1枚革のように見えるよう加工します。

これにより、

  • 接着跡が完全に隠れる

  • 耐久性アップ

  • 高級感のある雰囲気に

というメリットが生まれます。
この工程は見た目に大きく影響するため、カスタム修理では重要な作業となります。


### ③ 新しいミッドソールを縫い付け

薄手のミッドソールを新規作成し、
**マッケイ縫い**で靴本体にしっかり縫い付けます。

これにより

  • 接着のみの不安定さを解消

  • 長く履いてもソールの剥がれが起きにくい構造へ

  • 屈曲性と安定感を向上

オパンケ縫いを施すことで、カスタムモデルのような力強い印象が生まれます。


### ④ Vibram 4014 白ソールを装着

今回はごつめのタンクソールとして人気の Vibram 4014(白) を選択。
ワークブーツでも使われるほどの耐久性で、グリップ力や安定感にも優れています。

元の見た目とは変わりますが、より無骨で安定した履き味へと変化します。


修理後の仕上がり

完成後のジョーダン1.5は、見た目にグッと力強さが増し、
「スポーツスニーカー」から「ストリート感のあるカスタムプロダクト」へ生まれ変わった印象になります。

実際にM様にお渡しした際、

「新品を買い替えるより良かった!かなりカッコよくなりましたね!」
と嬉しいお言葉をいただきました。


今回のカスタム修理のメリット

  • 耐久性が大幅に向上

  • これまでより安定した歩行が可能

  • 剥がれの心配が少ない縫い付け構造

  • 革の側面処理により、見た目のクオリティアップ

  • 同じ症状で困っている方の選択肢として有効

純正部品が入手困難な現代のスニーカー修理では、
こうしたカスタムオールソール方式が大変有効です。


同じ症状でお困りの方へ

エア・ジョーダンシリーズやジョーヤ、ニューバランス、ECCOなど
加水分解・剥離・すり減りの症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。

構造上難しい靴でも、カスタムや縫い付けで再生できる場合があります。


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