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倉敷市s様 紳士ウェスタン調ブーツ ゴアゴム交換修理 詳細レポート

修理ご依頼の概要

倉敷市にお住まいのS様よりお預かりしたのは、紳士用のウェスタン調ブーツです。シャープなシルエットと独特の雰囲気を持つブーツで、サイド部分には装飾性と機能性を兼ね備えたゴアゴムが用いられています。今回のご相談内容は、その履き口部分に取り付けられているゴアゴムが経年劣化により伸び切ってしまい、ブーツ全体がゆるくなってしまったというものです。

ゴアゴムは本来、足入れを容易にしつつ、着用時にはしっかりと足首周りをホールドする重要なパーツです。しかし、長年の使用や保管環境の影響により、内部のゴム繊維が疲労し、弾力を失ってしまうことがあります。今回のブーツもまさにその状態で、見た目にもゴアゴムが波打ち、触ると張りが感じられないほど劣化していました。


修理前の状態確認

お預かりしたブーツを詳しく確認すると、履き口両サイドに設けられたゴアゴムが大きく伸び、足を入れた際に本来感じられるはずの抵抗がほとんどありません。そのため、歩行時にかかとが浮きやすく、フィット感が大きく損なわれている状態でした。

また、このブーツの特徴として、履き口周辺に多数の革のヒダ(プリーツ)が設けられており、その一つ一つが丁寧に縫い留められています。装飾性の高いデザインである反面、修理の観点から見ると非常に手間のかかる構造です。ゴアゴムはそのヒダの内側に組み込まれる形で縫製されており、単純に古いゴムを外して新しいものに取り替える、というわけにはいきません。


修理方法の検討

ゴアゴム交換修理では、いかに元のデザインや雰囲気を損なわずに仕上げるかが重要になります。今回のブーツの場合、革のヒダが多く、それぞれが独立して縫い付けられているため、無理に靴本体に付いたまま作業を進めると、縫いズレや革へのダメージが生じる恐れがあります。

そこで今回は、ゴアゴムとヒダ部分を一度すべて取り外し、部品単位で作業を行う方法を採用しました。取り外しが可能な構造であったことが、今回の修理を成功させる大きなポイントです。


ゴアゴムおよびヒダ部分の取り外し

まずは既存の縫い糸を慎重に解き、劣化したゴアゴムと、それを覆うように配置された革のヒダを一体のパーツとして取り外します。この工程では、革を傷つけないよう細心の注意が必要です。特にウェスタン調ブーツに使われている革は、厚みがありながらも装飾性が高いため、刃物の入れ方一つで仕上がりに大きな差が出ます。

すべてのヒダを無事に取り外した時点で、ようやく新しいゴアゴムを縫い付ける準備が整います。


新しいゴアゴムの選定と縫製

今回使用するのは、耐久性と伸縮性のバランスに優れた石目ゴムです。石目ゴムは表面に独特の凹凸があり、見た目にも高級感があるため、紳士靴やブーツの修理に多く用いられます。オリジナルの雰囲気を損なわず、なおかつ実用性を高める素材として最適な選択です。

取り外したヒダ部分に、新しいゴアゴムを一つ一つ位置合わせしながら縫い付けていきます。この作業には八方ミシンを使用します。八方ミシンは、立体的な形状のパーツにも対応できる特殊なミシンで、今回のような複雑なブーツ修理には欠かせない存在です。

ヒダの数が多いため、同じ工程を何度も繰り返すことになりますが、ここで手を抜くと左右のバランスが崩れてしまいます。一針一針、テンションを確認しながら、丁寧に縫製を進めます。


靴本体への再取り付け

ヒダとゴアゴムが一体となった部品が完成したら、次はそれを靴本体へ縫い戻す工程です。ここでも八方ミシンが活躍します。元の縫い穴をできるだけ活かしながら、位置ズレが起きないよう慎重に作業を行います。

ウェスタン調ブーツ特有のラインやシルエットを崩さないよう、左右を見比べながら縫い進め、全体のバランスを確認します。すべて縫い終えた時点で、ようやくブーツ本来の姿がよみがえります。


修理完了後の状態

修理完了後のブーツは、履き口にしっかりとした張りが戻り、足を入れた瞬間からフィット感の違いを感じていただける状態になりました。伸び切っていたゴアゴムは新しい石目ゴムに交換され、見た目にも引き締まった印象です。

革のヒダも元通り整い、修理跡が目立つことはありません。ウェスタン調ブーツの持つ雰囲気を損なうことなく、機能性だけを回復させることができました。


まとめ

ゴアゴム交換修理は一見シンプルに思われがちですが、今回のようにデザイン性の高いブーツでは、構造を理解した上で適切な工程を選択することが重要です。取り外し可能なパーツは部品単位で作業を行うことで、仕上がりの精度を高めることができます。

これでS様のウェスタン調ブーツも、また安心して履いていただけます。お気に入りの一足を長く履き続けるためにも、ゴアゴムの伸びや劣化が気になり始めたら、早めの修理をご検討ください。


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倉敷市u様 紳士革靴 オールソール交換修理 詳細レポート

倉敷市 U様 紳士革靴 オールソール交換修理

今回ご紹介するのは、倉敷市よりご来店いただいたU様の紳士革靴、オールソール交換修理の事例です。長年にわたり大切に履き続けてこられた一足で、全体的に履き込みの跡がはっきりと見て取れる状態でした。革の風合いにはまだ十分な魅力が残っている一方で、靴底は限界を迎えており、修理によって今後も安心して履ける状態へと再生していきます。


修理前の状態について

お預かりした時点で、アウトソールには明確な穴あきが確認できました。特につま先から土踏まずにかけての摩耗が進行しており、地面との直接接触が避けられない状態です。このまま履き続けると、雨水の侵入や中底・本底へのダメージがさらに広がり、靴の寿命を大きく縮めてしまいます。

また、外からは見えにくいものの、歩行時の違和感や底の柔らかさから判断すると、内部構造にも影響が出ている可能性が高いと考えられました。そのため、部分的な補修ではなく、オールソール交換修理をご提案し、ご了承をいただきました。


ソール分解と内部状態の確認

既存のソールを慎重に分解していくと、やはり予想どおり、靴本体側の吊り込み部分にも穴あきが見られました。吊り込みとは、アッパー(甲革)を中底に引き込み、靴の形状を固定する重要な工程・部位です。この部分にダメージが及んでいる場合、単に新しいソールを取り付けるだけでは不十分で、必ず補強処置が必要になります。

吊り込み部分の革が薄くなり、部分的に欠損している状態でしたので、耐久性のある補強用の革を新たに用意し、傷んだ箇所に貼り付けて補修を行いました。この工程によって、靴本体の強度を回復させ、今後の使用に耐えられる下地を整えます。


新しく取り付けるソールについて

今回使用したアウトソールは、Vibram(ビブラム)430です。Vibram430は、紳士靴やワークブーツなど幅広いジャンルで使用されている定番ソールで、耐摩耗性とグリップ力のバランスに優れています。過度にゴツくなりすぎず、革靴の雰囲気を損なわない点も、大きな魅力の一つです。

まずは、補強を施した靴本体に対して、ボンド接着を行い、確実に密着させます。接着が安定した後、マッケイ縫いミシンを使用して縫い付けを行いました。マッケイ製法は、ソールとアッパーを直接縫い合わせる構造で、返りの良さと軽快な履き心地が特徴です。U様の靴にもともと適した製法であり、仕上がりの違和感もありません。


ヒール交換と全体のバランス調整

ヒール部分には、アウトソールと同じくVibram430のヒールを取り付けました。ソールとヒールの素材を統一することで、見た目の一体感が生まれるだけでなく、摩耗の進み方も均一になります。高さや角度も元の靴のバランスを確認しながら調整し、歩行時に違和感が出ないよう仕上げています。


滑り革(すべり革)の補修について

今回の修理依頼内容には含まれていませんでしたが、作業の途中で靴内部の状態を確認したところ、かかと内側の滑り部分が破れており、ヒールカウンターがむき出しになっていることが分かりました。

滑り革とは、かかと内側に貼られている革のことで、足入れを良くし、歩行時の摩擦から靴本体を守る役割を担っています。この部分が破れてしまうと、見た目の問題だけでなく、かかとが擦れて痛くなったり、靴下が傷みやすくなったりします。また、内部にあるヒールカウンターが露出すると、そこからさらに内装が傷み、修理範囲が広がってしまう原因にもなります。

そこで今回は、靴を長く履いていただくことを優先し、サービス対応として滑り革の補修を行いました。新しい滑り革を適切な形に成形し、内側にしっかりと貼り込みます。これにより、かかとのフィット感が回復し、見えない部分ではありますが、履き心地と耐久性の両面で大きな改善が得られます。


修理後の状態と今後の注意点

すべての工程を終え、全体をチェックしたところ、ソールの安定感、返りの良さ、ヒールの接地感ともに良好な仕上がりとなりました。補強を行った吊り込み部分もしっかりと支えられており、通常使用であれば当分の間、安心して履いていただける状態です。

ただし、今回のようにソールに穴が開くまで履き込んでしまうと、靴本体へのダメージは避けられません。結果的に補修工程が増え、修理費用や作業時間もかかってしまいます。理想としては、アウトソールが薄くなってきた段階、もしくはヒールの減りが目立ってきた時点で修理に出していただくことです。そうすることで、靴本体を傷めることなく、より良い状態を長く保つことができます。


革靴は、適切なタイミングで修理とメンテナンスを行えば、何年、何十年と履き続けることができます。今回のU様の一足も、オールソール交換と各部の補強・補修によって、再び現役として活躍できる状態へと生まれ変わりました。これからも大切に履いていただければ幸いです。


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倉敷市 M様 Timberland(ティンバーランド)ショートブーツ オールソール交換修理事例

倉敷市 M様 Timberland(ティンバーランド)ショートブーツ オールソール交換修理事例

今回ご紹介する修理事例は、倉敷市にお住まいのM様よりご依頼いただいた Timberland(ティンバーランド)ショートブーツのオールソール交換修理 です。アウトドアブーツやワークブーツの定番ブランドとして知られるティンバーランドですが、経年劣化による「加水分解」は避けて通れない問題のひとつです。今回のブーツも、まさにその典型的な症状が現れていました。


ご来店時の状態|ソールが外れ、加水分解が進行

お預かりした時点で、このショートブーツはソールがすでに靴本体から外された状態でした。お客様ご自身で違和感を覚え、確認のために外されたとのことですが、その判断は正解でした。ソール周辺には、ポリウレタン素材が崩壊した残骸が粉状・スポンジ状になって付着しており、典型的な加水分解の痕跡がはっきりと確認できました。

ポリウレタンは、軽量でクッション性に優れた素材ですが、水分や湿気、時間の経過によって分子構造が壊れ、ボロボロと崩れてしまう性質があります。見た目にはまだ履けそうに見えても、実際には歩行中に突然ソールが割れたり、剥がれたりする危険性があるため、この状態では修理以外の選択肢はありません。


修理方針|ポリウレタンを完全除去し、EVAスポンジへ置き換え

今回の修理で最も重要な工程は、劣化したポリウレタンを完全に取り除くことです。加水分解した素材が少しでも残っていると、どれだけ良い材料を使っても接着不良や早期剥離の原因になります。

まずは、靴本体側に残ったポリウレタンの残骸を、工具と手作業で丁寧に除去していきます。粉状になった部分、粘り気の残った部分を見極めながら、接着に耐えられる健全な下地が現れるまで、根気よく下処理を行います。この工程は地味ですが、仕上がりと耐久性を左右する非常に重要な作業です。

下地が整ったところで、次に取り付けるのが EVAスポンジ製のミッドソール です。EVAスポンジは、ポリウレタンと違って加水分解を起こしにくく、軽さとクッション性、そして安定した耐久性を兼ね備えた素材です。今後も長く履き続けていただくため、素材選びには特に気を配りました。


接着とマッケイ縫い|実用性を高める確実な製法

EVAスポンジのミッドソールは、まず専用の接着剤を使用してボンド接着を行います。圧着後、しっかりと乾燥・安定させた上で、次の工程へ進みます。

今回採用した製法は マッケイ縫い です。マッケイ縫いは、靴本体とソールを一体で縫い付ける構造のため、接地感が良く、歩行時の安定性に優れています。カジュアルブーツやワークブーツとの相性も良く、ティンバーランドのような「ガシガシ履く靴」には非常に適した製法と言えます。

縫製の際には、縫い目のピッチやテンションを調整し、見た目の美しさと実用強度のバランスを取りながら仕上げていきます。修理後に違和感なく履いていただけるよう、細部まで気を抜かず作業を進めます。


アウトソール選択|Vibram1136 黒を採用

アウトソールには Vibram(ビブラム)1136 黒 を採用しました。このソールは、

  • 適度な厚みと安定感
  • 高い耐摩耗性
  • ワークブーツ・アウトドアブーツとの相性の良さ

といった特徴を持ち、ティンバーランドのブーツには非常によく似合う定番ソールです。

見た目もオリジナルの雰囲気を大きく損なうことなく、無骨で力強い印象を維持できます。また、日常使いはもちろん、多少ラフな環境でも安心して履いていただける耐久性の高さも大きな魅力です。


修理完了|再び“道具としての靴”へ

すべての工程を終え、仕上がったショートブーツは、加水分解の不安から解放され、実用性の高い一足として生まれ変わりました。EVAスポンジのミッドソールとVibram1136の組み合わせにより、軽快さと安心感を両立しています。

これでまた、気兼ねなく ガシガシ歩いていただける一足 になりました。ティンバーランドは、きちんと修理を行えば、まだまだ長く活躍してくれる靴です。ソールの劣化や違和感を感じた際は、早めのご相談をおすすめします。


修理内容まとめ

  • ブランド:Timberland(ティンバーランド)
  • アイテム:ショートブーツ
  • 修理内容:オールソール交換修理
  • 劣化症状:ポリウレタンソールの加水分解
  • ミッドソール:EVAスポンジ
  • 製法:マッケイ縫い
  • アウトソール:Vibram1136 黒

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滋賀県 H様 Zamberlan「フジヤマ」オールソール交換修理レポート

― 加水分解したミッドソールを根本改善し、長く履ける堅牢仕様へ ―

滋賀県にお住まいの H 様より、イタリアの名門登山靴メーカー Zamberlan(ザンバラン) の人気モデル「フジヤマ」をお預かりしました。ザンバランの中でもクラシックラインに位置するフジヤマは、日本の登山環境に合わせて設計された堅牢な作りが特徴的で、長年愛用される方が非常に多いモデルです。

ご相談内容は、ミッドソール部分の加水分解。特にザンバランの一部モデルに見られる「ポリウレタン(PU)ミッドソール」の経年劣化は避けがたい問題で、今回の靴もまさにその典型的な症状が出ていました。


◆ ミッドソールの状態:ポリウレタン素材の宿命「加水分解」

お預かりした段階で、ミッドソールに触れると ボロボロと崩れる、もしくは 指で押すと凹んだまま戻らない といった状態でした。ポリウレタンはクッション性に優れ、登山靴には適した素材ではあるものの、湿気や温度変化、経年によってどうしても分解してしまいます。

加水分解が進むと次のような問題が起こります:

  • ソールの接着保持力が急激に低下

  • 歩行時にミッドソールが潰れて不安定に

  • 靴内部に粉状の残骸が入り込み、悪臭の原因にも

  • アウトソールが剥がれる危険性が高まる

今回の靴も アウトソールの再利用は不可能 なレベルで、ソール交換は「部分修理」では対応できず、フルオールソール交換修理が必須 という判断になりました。


◆ 分解時に判明したもうひとつの問題

― ミッドソール下にある“塩ビ系素材”が劣化し接着性能を喪失

フジヤマモデルの多くでは、ミッドソールと本体の間に挟まれている層が塩ビ系素材で構成されています。今回この部分を確認したところ、

  • 表面が硬化

  • 接着剤が効かず剥離が多数

  • 触るとザラザラしており粘着性ゼロ

と、ソールをしっかり保持できる状態ではありませんでした。

このように、ミッドソールだけを交換しても塩ビ層が劣化したままでは、数ヶ月で再び剥がれるリスクが高くなります。そこで当店では、

→ EVAスポンジ製のミッドソールを新規で制作し直し

→ 本体に「出し縫い」でしっかり縫い直す

という、耐久性を重視した構造へと大きくアップデートする方法を選択しました。


◆ 新しく採用したミッドソール

EVAスポンジ × 厚手の補強ミッドソールで強度向上

EVAスポンジは、

  • ポリウレタンのように加水分解しない

  • 軽量で耐久性が高い

  • 適度なクッション性があり疲れにくい

というメリットがあり、登山靴の修理では非常に適した素材です。

しかし、EVAは単体では柔らかいため、今回は**厚手のミッドソールを追加で挟み込む「二層構造」**にし、靴底として必要な強度と安定性を確保しました。

▼ 新ミッドソール構造

  1. 下層:EVAスポンジ(クッション性・軽量性)

  2. 上層:厚手ミッドソール(硬度・安定性)

この二層を「出し縫い」で靴本体にしっかり縫い付けることで、
純正以上の耐久性 を持つソールユニットに仕上がります。


◆ 仕上げのアウトソールは Vibram 1136

重厚でグリップ力が高い、登山靴の定番ラグパターン

アウトソールには Vibram(ビブラム)1136 を使用しました。
1136は伝統的な登山靴に多く採用されるラグソールで、

  • 深く刻まれたラグがぬかるみでもしっかりグリップ

  • ゴム硬度が高く耐摩耗性に優れる

  • クラシック登山靴の雰囲気にぴったり

という優れた特徴があります。

元のアウトソールよりもややゴツく感じられるかもしれませんが、登山靴としての実用性・耐久性は大幅アップしています。また、ミッドソールとの相性も良く、フジヤマの持つ本格的なアウトドア感を損なわずに仕上げることができます。


◆ 完成後の状態

見た目は “無骨” に、性能は “より強靭” に

修理後の靴を改めて見てみると、全体のプロポーションは大きく変わらず、ザンバランらしいクラシックな佇まいを保っています。ただし、

  • ミッドソールが二層構造で強化

  • Vibram1136の存在感

  • 出し縫いでしっかり固定

という点から、より無骨で頼れる一足に進化した印象です。

登山・トレッキング用途ではもちろん、長時間のハイキングや荷物を背負った歩行でも十分耐えられる強さに仕上がりました。


◆ 今回の修理ポイントまとめ

◎Before

  • ポリウレタン製ミッドソールが加水分解

  • 塩ビ系素材の中間層の接着力が喪失

  • アウトソールは再利用不能

  • 全体的に剥離が進み危険な状態

◎After

  • EVAスポンジ+厚手ミッドソールの二層構造に刷新

  • 出し縫いで本体に強固に固定

  • Vibram1136で重厚な仕上がり

  • 純正以上の耐久性

  • 加水分解の心配なく長く使える仕様へ改善


◆ 最後に

H様のザンバラン・フジヤマは、これまで大切に履き込まれてきた様子が強く伝わってくる一足でした。今回の修理で靴底を根本から作り直したことで、また長く相棒として活躍してくれるはずです。

加水分解後の登山靴は「もう寿命か…」と思われがちですが、素材選定と構造の見直しで、むしろ純正より長持ちする靴に生まれ変わることも可能です。

また何か気になる点があれば、いつでもご相談ください。

北海道 K様|Danner LIGHT(ダナーライト)アウトソール交換修理

北海道 K様|Danner LIGHT(ダナーライト)アウトソール交換修理

Vibram1319 Arctic Gripへ仕様変更し雪道性能を大幅向上

今回は、北海道にお住まいのK様からご依頼いただいた Danner(ダナー) LIGHTのアウトソール交換修理 の事例をご紹介いたします。

ダナーライトは、アメリカ軍でも採用された実績を誇る本格派ブーツで、ゴアテックス搭載による高い防水性能と堅牢なレザーのコンビネーションが特徴の名作です。


アウトドアユースはもちろん、タウンユースとして日常的に愛用されている方も多い人気モデルです。

今回お預かりしたK様のダナーライトは、現状のアウトソールがまだ十分使用できる状態ではあったものの、これから迎える冬季に向けて、雪道に圧倒的に強いVibram1319 Arctic Grip(アークティックグリップ)へ交換したい というご希望でご依頼くださいました。


現状:Vibram148は健在。しかし北海道の冬には不安が…

お預かりした状態では、純正同等の Vibram148(通称:クリスティソール) が取り付けられていました。
Vibram148はクッション性も耐久性も極めて高く、ダナーライトの定番仕様として長い間支持され続けている名アウトソールです。

特に凹凸の少ない波型パターンは歩行時の安定性も高く、全天候型ソールとして非常に優秀です。実際、今回のK様のブーツでも、すぐに交換が必要な摩耗はほとんど見られませんでした。

しかしK様は 北海道での生活
日常的に雪道や凍結路面を歩くことを考えると…

  • 油分のない圧雪路や氷上のグリップ力

  • 濡れた路面での滑りにくさ

  • 冬の安全性の確保

これらを考慮すると、Vibram148よりも Vibram1319 Arctic Grip の方が圧倒的に優れています。
特に「濡れた氷上でのグリップ性能」は、アウトソール技術の中でも突出していると言えます。

そのため、今回の交換は決して「耐久性のため」ではなく
生活環境に合わせた機能向上のためのアップグレード という位置付けとなります。


Vibram1319 Arctic Gripとは

Vibram1319 Arctic Gripは、冬の路面で最高クラスのグリップ性能を発揮する最新技術のアウトソールです。

特徴

  • 濡れた氷上で驚異的なブレーキ性能

  • 摩耗に強いラバーコンパウンド

  • 温度変化に強く硬化しにくい素材構成

  • 雪詰まりを起こしにくいパターン設計

これらの性能は、一般的な防滑ソールとは次元が違い、
登山・雪国での歩行・転倒予防など、命に関わるレベルの安全性能が求められる環境で本領を発揮します。

特に北海道のような地域では、外出時に「滑らない靴であるかどうか」は、実用性にとって非常に重要です。


修理工程|アウトソール交換作業の流れ

① 現ソールの取り外し

靴本体とアウトソールは強力なボンドで固定されていますので、まず加熱して接着剤を柔らかくします。
温度調整をしながら少しずつ剥がすことで、アッパー素材に負担をかけず安全に分離します。

② 接着面の下処理

旧接着剤を完全に削り落とし、表面を均一に整えます。
この工程は非常に重要で、丁寧に行うことで 新しいソールが長期間剥がれず安定して装着される ための下地が作られます。

③ Vibram1319の接着

接着面に専用プライマーを塗布し、適切な硬化時間を確保したのちボンドを均一に塗布。
位置合わせをして圧着固定します。
接着工程には数段階の圧着と時間管理が必要で、焦りは禁物です。

④ 最終圧着と仕上げ

完全硬化後、エッジ部分の仕上げ調整を行い外観を整えます。
力強いアウトソールと精悍なデザインが引き立ち、見た目の印象も引き締まります。


仕上がり|冬に向けて最強仕様のダナーに進化

交換後の姿は、ダナーライトの無骨で精悍な雰囲気を損なうことなく、より実用性の高いブーツへ生まれ変わりました。

  • 雪道・凍結路に最適化された接地感

  • 冬の安心感を得られる歩行性能

  • 快適な履き心地はそのまま維持

見た目以上に、実際に履いていただくと違いがよく分かるはずです。


まとめ|地域の環境に適したソール選びの大切さ

今回の修理は単なるアウトソール交換ではなく、
使用環境に合わせた性能アップにより、より豊かな靴ライフを実現するカスタム修理例 でした。

靴はただの消耗品ではなく、生活を支える相棒でもあります。
環境が違えば、ベストな選択も変わります。

  • 雪国での安全性を高めたい

  • アウトドア仕様へ強化したい

  • 履き慣れたブーツをさらに長く使いたい

そんな時は、単なる交換ではなく 目的に応じたソール選び をご提案させていただきます。

K様、この度はご依頼誠にありがとうございました。
また何かございましたらお気軽にご相談ください。


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神奈川県 T様 Minnetonka(ミネトンカ)ドライビングシューズ オールソール修理レポート

今回ご紹介する修理事例は、神奈川県 T様よりご依頼いただいた、
Minnetonka(ミネトンカ)のドライビングシューズのオールソール修理です。

ミネトンカは、柔らかい履き心地と足に馴染みやすいモカシン製法のシューズで国内外にファンが多く、特にドライビングシューズは車の運転を想定して設計された独特のアッパー構造が魅力です。

今回お預かりした靴は、長年のご愛用によりアウトソールが摩耗し、
底面の革が露出し、一部には穴が開いてしまっている状態でした。


そのまま履き続けると破れが広がり、アッパーの寿命を縮めてしまいます。


本記事では、修理の詳細と技術的なポイントを解説していきます。


■ Minnetonka ドライビングシューズの構造的な特徴

ドライビングシューズの中でもミネトンカのモデルはやや特殊で、
一般的な靴のように

  • 中底(インソールボード)

  • ミッドソール

  • アウトソール

が三層構造になっているものではありません。

ミネトンカの場合は、
中底と突起状のアウトソールが一体化した成型パーツとなっており、
靴本体(アッパー)から直接露出する形で底面に並んでいます。

この突起が運転時のグリップ性とペダル操作のダイレクトな感覚を生みます。
しかし、この構造はメリットだけでなく以下のような大きな弱点もあります。

  • 突起部分がすり減ると、すぐにアッパーの底革まで摩耗する

  • 一度穴が開くと補修範囲が大きくなる

  • 一般的なソール交換より手間と技術が必要

今回もまさにこの状態で、底面の数箇所が削れ落ち、内部まで摩耗した結果
穴が開いている箇所が複数存在しました


■ 他メーカーのドライビングシューズとの比較

当店では過去にも複数のメーカーのドライビングシューズを修理してきましたが、
ミネトンカは素材選択の面で非常に優秀です。

多くの他社製品では
突起部分を含む中底が塩ビ系(PVC)またはポリウレタン素材で作られていることが多く、経年劣化によって 加水分解 が発生します。

加水分解が起きると、

  • 触るとベタベタ/ネチョネチョする

  • ちょっとした力で粉々に割れる

  • 形状保持が不能になり、中底まで交換が必要

といった状態になり、修理はかなり大掛かりになります。

しかし今回は削り作業を行ったところ、
ミネトンカのソール素材は合成ゴム製であることが判明しました。

そのため加水分解の症状は見られず、
中底部分はそのまま活かした修理が可能と判断できました。
これは非常に大きなメリットで、修理の選択肢が広がります。


■ 修理プランの立案

今回の修理方針は以下のように決定しました。

  1. 穴の開いた底部分を革で補強

  2. EVAスポンジを用いたミッドソールを新たに作成し縫い付け

  3. Vibram 477B(黒)アウトソールで仕上げ

  4. 厚みが増す分はデザインとクッション性で補完

元のデザインは完全再現することが困難ですが、
ぶつぶつ突起の意匠を持つ Vibram 477B を選択することで
できるだけ違和感のない外観に仕上げられるよう配慮しました。


■ 施工工程

◆ ① 既存ソールの除去と下処理

摩耗した突起部分および穴の開いた箇所を削り、
形状を整えながら地面に面する底面をフラットに加工します。

この段階で削りすぎるとアッパーを傷めてしまうため、
削り込みには非常に時間と注意が必要です。

◆ ② 穴周辺の革補強

露出したアッパー底革の穴は耐久性に直結しますので、
厚手の革を貼り込むことで補強します。

革を使用する理由は以下の通りです。

  • 圧縮荷重に強い

  • 履くほど足に馴染む

  • 接着と縫製が確実にできる

単にパテで埋める補修では歩行時の負担に耐えられません。
ここが修理の仕上がりに大きく影響します。

◆ ③ EVAスポンジのミッドソールを縫い付け

耐久性とクッション性の向上のため、
EVA(エチレン酢酸ビニル)スポンジをミッドソールとして追加し、
強度のある糸でマッケイ縫いを施します。

EVAのメリットは

  • 軽量

  • 衝撃吸収性に優れる

  • 加水分解しない

  • 成形加工が容易

という点にあります。

◆ ④ Vibram 477B を接着・圧着

最後にアウトソールとして
Vibram 477B(Black) を使用しました。

このソールは小さな丸い突起が敷き詰められた独特のパターンで、
ドライビングシューズのオリジナルデザインにかなり近い印象を与えます。

圧着後、はみ出し部分を整え、縁を仕上げ処理し完成です。


■ 修理後の状態について

修理前と比べるとミッドソール分の厚みが増えましたが、

  • クッション性の向上

  • 耐摩耗性の向上

  • 歩行時の安定感アップ

というメリットを得ることができました。
車の運転だけでなく普段履きとしても快適性が増しています。

デザインの再現性にも配慮し、
見た目も自然で違和感のない仕上がりとなりました。


■ まとめ:ミネトンカのドライビングシューズ修理は専門店へ

ミネトンカのドライビングシューズは特殊な構造ゆえ、
一般的な靴修理店では断られるケースも少なくありません。

今回の修理は

  • 中底素材の特性を見極めたうえで活かす

  • 削り処理と革補強

  • EVAミッドソール追加

  • Vibram 477Bによる再構築

という工程で、耐久性・履き心地・デザイン性を両立させることができました。

長く愛用している靴ほど、修理を重ねながら履き継いでいただきたいと思います。
T様、この度はご依頼誠にありがとうございました。


■ 使用材料

  • EVAスポンジ ミッドソール

  • Vibram 477B(Black)

  • マッケイ縫い

  • 革補強材


■ ハッシュタグ

#いずみ靴店 #倉敷市 #神奈川県 #ミネトンカ #MINNETONKA #ドライビングシューズ #オールソール交換修理 #穴補修 #EVAスポンジ #マッケイ縫い #Vibram477B

岐阜県 T様 REDWING Beckmann(レッドウィング ベックマン)

ハーフソールラバー交換修理レポート(加水分解 → Vibram2333貼り付け & 出し縫い)

岐阜県よりお預かりしたT様のREDWING Beckmann(ベックマン)。ワークブーツの代表格として多くのファンに愛されているモデルで、堅牢な作りと履き込むほど味わいを増すオイルレザーが魅力の一足です。

今回のご依頼内容は、ハーフソールラバーの交換
フロント部分のハーフラバーが経年による加水分解を起こし、ボロボロ・ネチョネチョの状態になっていました。触ると指にくっつくほどの劣化で、歩行時に剥がれ落ちたり、床に黒い粉が付くような典型的な症状です。


■ 加水分解とは

加水分解とは、ウレタン素材などが長年の湿気や温度変化により化学的に分解されてしまう現象です。
履く頻度とは関係なく、
「素材が経年変化によって内部から崩壊してしまう」
という点が特徴で、保管していても避けられません。

特にベックマンの旧モデルは、ハーフソール部分に塩ビ系・ウレタン系素材が使われているため、ある時期以降に一気に劣化が進行することが多く、当店にも同様の症状でお持ち込みいただくケースが後を絶ちません。

症状の初期では粉を吹くようになり、そこから
ベタつく → ちぎれる → ボロボロに崩れる
という段階を経て最終的にはほとんど形を保てなくなります。

今回のT様のベックマンも、まさにその最終段階にありました。


■ 作業工程

① 劣化したハーフソールの除去

加水分解した素材はただ剥がそうとしても粘りついて残るため、
熱をかけながら少しずつ削ぎ落としていきます

ヒートガンで適度に温めることで粘着質が緩み、素材が浮いてきます。
しかし加熱しすぎると本革ミッドソールを傷めてしまいますので、
温度管理は職人の腕の見せ所です。

表面をざっと取ったあとも下には細かい残渣がびっしり残っているため、
ペーパーで丁寧に削り込み、完全に平面を整えます。

この下処理が甘いと、どれほど良い素材を貼っても
接着が弱くなり早期剥離の原因になります。


② 旧出し縫い糸の除去

ベックマンのフロントは、ハーフラバーとミッドソールを貫通する
「出し縫い(本底縫い)」 が施されています。

まずは古い糸を切り、表から一本一本丁寧に抜いていきます。
加水分解したラバーに埋もれた糸を探りながらの作業となるため、
かなり根気のいる工程です。


③ 新ハーフソールの貼り付け

今回は耐久性の高い合成ゴム素材である
Vibram 2333(ヴィブラム2333) を使用します。

● 摩耗に強く滑りにくい
● 加水分解しない素材
● ベックマンの雰囲気に馴染むデザイン

という点から、当店でも人気の選択肢です。

接着面に均一に専用ボンドを塗り、乾燥を挟みながら二度付け
その後、圧着機でしっかりと圧力をかけて貼り合わせます。


④ 出し縫いによる固定

ハーフソールが貼り付けられた後、
再び出し縫いを施して強固に固定します。

今回使用するのは丈夫な八方ミシン。
ミッドソールを貫通させ、糸がしっかり噛み合うよう微鏡単位で調整しながら縫い進めていきます。
機械任せではなく、職人の感覚でテンションを決めていくため非常に繊細な工程です。

縫い終わりの糸を結び止め、余分を処理して整えます。


■ 仕上げと完成

縫い目の段差を均し、全体の輪郭を整えます。
その後、仕上げ磨きを施し、T様にお渡しできる状態になりました。

新しく貼ったVibram2333と革の雰囲気がとてもよく馴染み、
まるで新品時のような引き締まった表情になりました。


■ 今後のメンテナンスについて

ハーフラバーの交換時期は使用環境にもよりますが、
参考としては 靴底の凸凹パターンが半分程度すり減った頃 が目安です。

今回のように
「履けない状態になる前に早めの交換」
を行うことで、
ミッドソール本体を守り、結果として長く履ける靴になります。

ベックマンは革が育つ靴です。
ソールを交換することで、まだまだ長く愛用いただけます。


■ まとめ

  • 旧ハーフソールは加水分解によりボロボロ状態

  • 熱処理と削り込みで旧素材を完全除去

  • Vibram2333でハーフラバー交換

  • 出し縫いで強固に固定

  • 今後も長く履ける状態へ復活

T様、この度は遠方より修理のご依頼をいただきありがとうございました。
ぜひ引き続き大切にご愛用ください。


■ ハッシュタグ

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【鳥取県 N様】FootJoy(フットジョイ)ドライプレミアム

ハーフソールラバー交換とかかとゴム交換、メスネジ破損修復までの詳細レポート

今回ご紹介するのは、鳥取県にお住まいのN様よりご依頼いただいた、FootJoy(フットジョイ)ドライプレミアムのソール修理事例です。
ゴルフシューズとして高い人気を誇るドライプレミアムですが、モデルによってはソール素材に塩ビ系のラバーが使用されており、経年劣化による加水分解が避けられません。特に近年、湿度の高い環境や長期間の未使用保管によって、突然粉々になってしまうケースが増えています。

本件もまさにその典型的な症状で、ハーフソールラバーが加水分解で崩れてボロボロになってしまっていました。さらに、ソールを分解して内部を確認したところ、ソフトスパイクを装着するためのメスネジを固定している樹脂プレートまで粉々に崩壊している状態でした。

加えて、かかとゴムの摩耗も進んでいたため、ハーフソールラバー交換・かかとゴム交換・メスネジ部分の再構築という複合作業となりました。単純な張り替えで済まない高度な修理となりましたが、最終的にミシュラン製のラバーを使用し、耐久性・グリップ性能ともに蘇らせることができました。


◆ 修理前の状態と診断

お預かりした段階で、目視でもソールの劣化が明らかでした。

  • ハーフソールラバーが触れると粉状になるほど劣化

  • 表面に無数の亀裂、ちぎれた欠片が散乱

  • かかとゴムは摩耗し形状が崩れ、グリップ性能が低下

  • ソール分解後、メスネジを支えている樹脂プレートが完全に粉砕

特に問題なのは、メスネジを固定するための土台(樹脂プレート)が加水分解して崩壊していた点です。ここが正常でなければスパイクを確実に固定できず、プレー中に外れてしまう危険性があります。

表面のゴムだけ張り替えても根本的な解決にはなりませんので、内部構造から修復する必要がありました。


◆ 分解作業と内部の状態確認

まず、アウトソールを靴本体に固定している出し縫い(縫い付け)を丁寧にカットし、ソール全体を分解して内部へアクセスします。
ゴルフシューズの構造は一般的なスニーカーより複雑で、パーツ分解には慎重な作業が求められます。

分解後の内部は予想以上に深刻で、メスネジの固定台となっていた樹脂プレートは完全に粉々になり、元の形を判別することが困難な状態でした。
加水分解は外観以上に内部へ大きく影響していたことが分かります。


◆ 修理に使用する素材の選定

今回採用した交換用素材は、信頼性の高いミシュラン製ハーフソールラバーです。
ミシュランラバーは、タイヤメーカーならではの高い耐摩耗性とグリップ力を持ち、さらに加水分解が発生しない素材を採用しています。

また、かかとゴムも同じくミシュラン製で統一。
シューズ全体のバランスを損なわないよう設計された製品で、ゴルフシューズとしての性能向上も期待できます。


◆ メスネジ再構築と下穴加工

新しいハーフソールを貼り付けた後、ソフトスパイク装着用メスネジを再セットするための重要工程に移ります。

一般的なソール貼り替えでは必要のない特殊作業ですが、ゴルフシューズならではの重要工程です。

  1. ミシュランソールにメスネジ位置を正確にマーキング

  2. 専用治具を用いて下穴を開ける加工

  3. 新しいメスネジを挿入・固定

  4. ボンド接着後に出し縫いで補強

ここで特に重要なのが、穴位置の精度です。
少しでもズレるとスパイクの脱着ができなかったり、力のかかり方が偏って破損の原因になります。非常に繊細な精度作業となりました。


◆ かかとゴム交換

かかとゴムもミシュラン製に交換。
ここでもスパイク装着用のメスネジを取り付けるために、同様に穴あけ加工とメスネジ挿入作業を実施。
摩耗しやすいかかと部分の強度が向上し、耐久性能が大きく改善されています。


◆ 仕上げと最終チェック

すべての部材が正しくセットされたことを確認し、ソール全体の出し縫いをかけて靴本体へしっかり固定します。
縫製ラインが乱れれば耐久性に問題が出るため、緊張感のある作業です。

最終チェックでは、

  • ソフトスパイク装着の確実性

  • 左右均等な高さ

  • ソール接着の密着状態

  • コンタクトポイントのズレ有無

  • 全体のフィット感

これらを細かく検証し、問題ないことを確認して修理完了です。


◆ 修理後の状態と性能面の向上点

修理後は、見た目も美しく、ゴルフシューズ本来の剛性と接地感が蘇りました。

  • 加水分解する素材を排除し、長期保管でも安心

  • ミシュランラバーにより耐摩耗性・グリップ性能アップ

  • メスネジ再構築でスパイク脱着が確実に可能

  • かかとの安定性が向上し歩行時の負担軽減

同じモデルを長年愛用されている方にとって、非常にメリットの大きい修理内容となります。


◆ まとめ:FootJoyドライプレミアムは修理して長く履き続けられます

加水分解が起きると「もう買い替えしかない」と思われる方も多いですが、構造を理解した上で適切に修復すれば、新品以上の耐久性と機能性を持って蘇らせることが可能です。

同じ症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
遠方からの配送修理にも対応しております。


いずみ靴店(倉敷市)

  • ハンドメイド修理・複合修理対応

  • ゴルフシューズのスパイク基部再生も可能


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岩手県 M様 ニューバランス576 ヒールカップ交換修理レポート

岩手県 M様 ニューバランス576 ヒールカップ交換修理レポート

今回ご紹介するのは、岩手県より宅配修理でお預かりしました、ニューバランス576 のヒールカップ交換修理の事例です。
ニューバランスの中でも576は非常に人気が高く、履き心地と設計バランスの良さから長年愛され続けている名作モデルのひとつです。しかし、今回の靴は かかと外側の樹脂製ヒールカップが加水分解によって破損 しており、通常の歩行にも支障が出始めていました。


■ 発生していた症状

お客様からは、

「歩いていると、かかと外側の部分に硬い破片が動くような感触がある」
「見た目にも割れが確認できる」

というご相談をいただきました。

確認したところ、靴の 外側を覆う樹脂製のヒールカップ部分が割れて崩壊し、ひび割れや剥離が進んでいる状態 でした。
ヒール部分を指で押すと、砕けた樹脂片が内部で動く感触があり、履き続けると破片がアッパー素材を傷つける可能性もあります。


■ ヒールカップとは?

今回破損していたのは ヒールカップ です。
誤解されやすい部分ですが、靴には以下の2つのパーツが存在します。

名称 役割 位置
ヒールカップ かかとの外装を覆い、補強しデザイン性も担うパーツ アッパーの外側(目に見える)
ヒールカウンター かかとを支える内部構造で、安定性と保持力を担う 履き口内部、アッパーとライニングに挟まれて内蔵

今回加水分解で破損していたのは、外側を覆う樹脂製のヒールカップ であり、内部のヒールカウンターはまだ正常な状態でした。

ニューバランス576をはじめ多くのスニーカーでは、この外装カップがデザインとしても特徴的であり、ここに割れがあると見映えが損なわれるだけでなく、歩行時の安定感が大きく失われてしまいます。


■ 加水分解がなぜ起きるのか

ヒールカップに使用されている樹脂素材は、経年により空気中の水分と反応して分解が進みます。
使用頻度よりも 経過年数や保管環境の影響が大きい ため、見た目がきれいでも突然割れることがあります。

  • 保存期間が10年前後の靴に多く発生

  • 湿度の高い環境で劣化が早まりやすい

  • ひび割れ → 砕け落ちる → 剥離 の順で症状が進行する

今回も外観は比較的きれいでしたが、ヒール部分だけが完全に崩壊していました。


■ 修理方針

本来であれば純正形状の樹脂製ヒールカップを交換するのが理想ですが、

  • ニューバランス純正部材は流通していない

  • 汎用品では形状が合わず取り付け不可

  • 強度と見た目の復元が求められる

以上を踏まえ、今回は 本革で新しくヒールカップを製作し、縫い付けで再構築する方法 を選択しました。

本革は適度な硬さと耐久性があり、

  • 劣化しにくい

  • 足に馴染む

  • ひび割れが起きない

  • メンテナンスしながら長期使用可能

というメリットがあります。


■ 修理工程

① 破損したヒールカップの除去

最初に破損した樹脂カップを完全に取り除きます。砕けた破片や粉状になった樹脂をきれいに除去しないと、修理後に内側で異物感として残ってしまうため、丁寧に掃除を行います。

② 新しい本革カップの成型

元の形状に合わせて厚手の本革をカットし、熱と湿度を利用してカーブ成型します。
乾燥後に形が固定され、元の樹脂カップとほぼ同じ形状になります。

③ 八方ミシン縫製による取り付け

外側曲面を縫える特殊ミシン 八方ミシン を使用して本革カップをアッパーに縫い付けます。
強力な縫製でしっかり固定することで、以前より高い耐久性が得られます。

④ 内部からビス留め補強

長期間の使用に耐えるよう、内側からビスで固定して剥離防止の補強を施しました。
この工程により、ヒール部分の安定性が格段に向上します。

⑤ 仕上げ

縫い付け箇所の整形と磨き仕上げを行い、自然な外観を復元しました。


■ 修理後の状態

  • 見た目は純正に近い自然な仕上がり

  • かかと部分のホールド感が大幅に改善

  • 歩行時の安定性を復元

  • 長期間使用できる耐久性を確保

お客様からも、

「まだまだ履きたいと思っていたので、復活して本当に嬉しい」

とご感想をいただきました。


■ まとめ

樹脂製ヒールカップは加水分解による破損が必ず起こるパーツですが、本革製で再製作することで再び長く愛用できます。

ニューバランスを含むスニーカーは、パーツ交換によって生き返らせることができますので、諦めずにご相談ください。


■ 使用素材・機材

  • 本革

  • 八方ミシン縫製

  • ビス留め補強


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神奈川県 A様 Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツ 破損したファスナーの交換修理レポート

神奈川県 A様 Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツ

破損したファスナーの交換修理レポート

今回ご紹介する修理事例は、神奈川県にお住まいのA様よりご依頼いただいた、Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツのファスナー交換修理です。
着脱のしやすさを求めてファスナー付きモデルを選ばれる方も多いのですが、実はこのファスナー周りの破損は非常に多く寄せられる修理のひとつです。

A様のブーツは、ファスナー部分の布(テープ)が破れてしまい、ファスナーを閉めても途中で開いてしまう状態に陥っていました。見た目では金具部分の損傷が大きくないように見えても、テープが裂けているとスライダーを動かしても全体のテンションがかからず、正常に閉まりません。

普段から履き込まれていたご様子で、革本体は非常に良いエイジングをしており、まだまだ活躍できる一本。しかし、ファスナーが壊れていると、どんなに気に入った靴でも履くことが出来ません。
そこで今回はファスナー本体の交換修理を行いました。


破損状況の確認

当店へ届いたブーツを確認すると、ファスナーの金属コマ自体は大きく摩耗しておらず、コマ欠けや歯の変形も見られませんでした。

しかし:

  • ファスナーテープ(布部分)が裂けている

  • 裂けた部分から力が逃げるため、閉めてもすぐに開く

  • スライダーの摩耗は少なく交換の必要なし

という状態でした。

通常、ファスナーに関するトラブルは大きく以下の三つに分類されます。

破損箇所 症状 修理方法
テープ(布) 破れる・裂ける ファスナー全交換
スライダー すぐ開く・滑る スライダー交換
コイル(歯) 欠ける・曲がる ファスナー全交換

今回は最初のパターンであり、テープの破損だったためファスナー全体を交換する方法を選択しました。


使用ファスナーについて

ドクターマーチンに限らず、メーカー純正のファスナーは一般流通していないものが多く、完全に同じものを入手することはほぼ不可能です。そのため、修理では品質の高い YKK製の金属ファスナー を採用しました。

なお、修理に際し下記の点をご説明し、ご理解をいただいた上で作業を進めています。

⚠ ブランド価値について

YKKファスナーは世界的に最も信頼性のあるファスナーのひとつですが、
純正品ではないためブランド価値は下がる
という点はどうしても避けられません。
しかしながら、「履き続けたい」「実用性を重視したい」というお客様にとっては最良の選択肢となります。

今回の履き込み具合や革の状態から、まだまだ長く使用できる状態でしたので、実用性と耐久性を優先して修理を行いました。


スライダー・持ち手は再利用

今回の破損はテープの裂けのみであり、スライダー自体の摩耗による「口開き」や「滑り」は見られませんでした。
そのため:

  • スライダー(スラス)を再利用

  • 持ち手の金具も純正を維持

  • リボン(引き手部分)もそのまま活かす

という方法を採っています。

純正の持ち手を残すことで外観の違和感を極力減らし、修理によるイメージ変化を避けることができました。
これは、オーナーが長年使い込み愛着あるブーツに対して非常に大切な部分だと考えています。


修理工程の流れ

① 既存ファスナーの取り外し

靴本体に縫い付けられているファスナーを慎重にほどきます。
縫い直し跡が目立たないように、ステッチのピッチや位置を確認しながら作業。

② 新しいYKK金属ファスナーを採寸・調整

元の長さに合わせ、長さ加工。
金属ファスナーの場合、1mmのずれでも履き心地に影響します。

③ 八方ミシンで縫い付け作業

ブーツ内部の狭いスペースで縫うため、通常の平ミシンでは不可能です。
八方ミシンという特殊な腕ミシンを使用し、立体のまま縫製していきます。

④ ステッチ位置を純正と揃えて縫製

純正と近い仕上がりを目指し、縫い目の幅・ピッチ・押さえ方に細心の注意を払います。

⑤ 最終調整・動作チェック

開閉の滑らかさ、ねじれの有無を確認し、完成です。


修理後の状態

交換後はファスナーの動作も非常に滑らかで、着脱時の快適さが戻りました。
革本体はまだ良好な状態でしたので、これからも長く愛用いただけるはずです。

A様にも仕上がりに大変ご満足いただけ、こちらとしても嬉しい限りです。
お気に入りのブーツを再び履いていただけることこそ、修理屋の冥利に尽きます。


同様の症状の方へ

「ファスナーが途中で開いてしまう」「布が裂けた」「持ち手が取れた」など、
サイドジップブーツのトラブルは放置すると悪化します。

壊れた状態で無理に引っ張ると、革本体まで破れてしまう場合もあり、
むしろ修理費用が高くなってしまいます。

早めの修理が結果的に一番お得です。


まとめ

  • ファスナー布(テープ)の破れにより閉まらない状態

  • 金具部分の摩耗なし → スライダー再利用

  • YKK金属ファスナーで本体交換

  • 純正ファスナーでないためブランド価値は減少

  • 八方ミシンで丁寧に取り付け

  • 外観はほぼ純正のまま違和感なく仕上げ

お気に入りの靴が壊れたら買い替える前に、ぜひ一度ご相談ください。
思い入れのある一足を再び履ける喜びを感じていただけるよう、
丁寧な修理を心がけております。


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