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岡山市 Y様 NewBalance 1300 加水分解による オールソール交換修理しました

岡山県岡山市のY様より、大切に履き続けてこられた New Balance の名作モデル「1300」のオールソール交換修理をご依頼いただきました。

長年にわたり足元を支えてきた一足には、履き込まれた証である風合いとともに、ミッドソールの加水分解という避けられない経年変化が見られました。特にウェッジヒール部分はスポンジが崩れ、歩行時の安定性やクッション性が大きく損なわれている状態でした。

今回の修理の目的は、単に靴底を新しくするだけではありません。オリジナルの履き心地やフォルムを尊重しながら、今後も安心して履き続けられる耐久性を持たせること。そして、Y様が再びこの靴で歩く楽しさを感じられるようにすることです。そのため、分解から再構築まで一つひとつの工程を丁寧に進めていきました。

まず最初の工程は、劣化したソールの取り外しです。加水分解したポリウレタンは粉状になっている部分もあり、無理に剥がすとアッパーを傷めてしまう恐れがあります。そのため、熱と専用工具を使いながら、接着層の状態を見極めつつ慎重に分解を行いました。分解後に現れる中底の状態は、靴の寿命を左右する重要なポイントです。今回は大きな損傷がなく、構造的に再利用可能と判断できたため、クリーニングと補強処理を施しました。

次に取り掛かったのは、新しいミッドソールの設計です。オリジナルのシルエットを保つため、残っていたソールの厚みやカーブを細かく採寸し、EVAスポンジを積層してウェッジ形状を再現しました。EVAは軽量でクッション性に優れ、加水分解しにくい素材のため、長期的な耐久性の面でも非常に有効です。単に貼り合わせるのではなく、削り出しによって曲線を整え、歩行時の体重移動が自然に行えるようバランスを調整しています。

ウェッジの形成が終わると、いよいよアウトソールの装着です。今回は耐摩耗性とグリップ力のバランスに優れた Vibram の298Cを採用しました。このソールは、都市部の舗装路から日常使いまで幅広いシーンで安定した性能を発揮するため、1300のキャラクターにもよく合います。接着面の下処理を丁寧に行い、専用プレス機で圧着することで、剥がれにくく一体感のある仕上がりを実現しました。

また、今回の修理で重要だったのが、靴全体のバランス調整です。ソールを新しくすると、わずかな厚みの違いでも履き心地に影響が出ます。そこで、左右差の確認や接地面の微調整を繰り返し、歩行時に違和感が出ないよう細部まで仕上げました。この工程は見た目には分かりにくい部分ですが、実際の履き心地を大きく左右する職人の腕の見せどころです。

ヒールカップについては、今回の点検時点で割れや変形は見られず、しっかりとしたホールド感を維持していました。そのため大掛かりな補修は行わず、クリーニングと保湿ケアのみ実施しています。構造が健全な部分は無理に手を加えないことも、靴を長持ちさせるための大切な判断です。

すべての工程を終えた後、最終チェックとして実際に屈曲テストと歩行シミュレーションを行いました。新しいウェッジソールは適度な反発力を持ち、踏み出しの際のスムーズさがしっかり感じられます。アウトソールのグリップも良好で、日常の使用において安心して履いていただける状態に仕上がりました。

こうして生まれ変わった1300は、見た目の美しさだけでなく、機能面でも新たな命を吹き込まれています。履き慣れた靴には、新品にはないフィット感や思い出が宿っています。修理とは単なるメンテナンスではなく、その価値を未来へつなぐ作業だと私たちは考えています。

今回のように、ミッドソールの加水分解はスニーカーにとって避けて通れない問題ですが、適切な方法で再構築すれば、再び長く活躍できる状態に戻すことが可能です。お気に入りだからこそ手放せない一足、もう履けないと諦めていた靴でも、修理という選択肢で新たな可能性が生まれます。

Y様の大切な一足が、これからも日々の暮らしの中で活躍し続けることを願いながら、心を込めて仕上げさせていただきました。歩くたびに感じるクッション性と安定感、そして履き慣れた安心感を、ぜひこれからもお楽しみいただければと思います。

私たちは、靴を単なる消耗品ではなく「長く付き合う道具」として考えています。修理によって寿命を延ばすことは、履き心地の向上だけでなく、愛着やストーリーを守ることにもつながります。どんな小さな違和感でも、早めにメンテナンスを行うことで靴は驚くほど長持ちします。

もし、ソールの劣化や履き心地の変化を感じた際は、ぜひお気軽にご相談ください。素材や構造を見極め、それぞれの靴に最適な方法で修理をご提案いたします。大切な一足をこれからも快適に履き続けていただけるよう、確かな技術と経験でサポートいたします。

これからも一足一足に真摯に向き合い、履く人の毎日を支える仕事を続けてまいります。皆様のご来店・ご相談を心よりお待ちしております。

福岡県 S様 本間ゴルフ ゴルフシューズのオールソール交換修理 本革仕様のモデルです

福岡県にお住まいのS様より、大切に履き続けてこられたゴルフシューズをお預かりしました。今回ご依頼いただいたのは、老舗ゴルフブランドである本間ゴルフのシューズです。長年愛用されてきたことが一目で分かる一足で、革の風合いや履きジワからも、これまで多くのラウンドを共にしてきた歴史が感じられました。

このモデルの特徴は、現在ではあまり見かけなくなった「本革ソール仕様」であることです。近年のゴルフシューズは軽量化や防水性を重視したラバーや合成素材が主流ですが、本革ソールは足なじみの良さと独特のしなやかさを持ち、履き込むほどにフィット感が増していくという魅力があります。一方で、水分や乾燥の影響を受けやすく、適切なメンテナンスを行わないと劣化が進みやすいという側面もあります。

今回のシューズも、ソール全体に経年変化は見られたものの、特に問題となっていたのはスパイクを取り付けるメスネジ周辺でした。プレート式のメスネジが埋め込まれている構造で、長年の使用による負荷の蓄積により、周囲の革に細かな亀裂が発生し、さらに金属部分にはサビも確認できる状態でした。このまま使用を続けると、スパイクの固定力が弱まり、プレー中の安定性に影響する可能性があるため、今回はソール交換とメスネジの仕様変更を含めた修理をご提案しました。

まずは既存のソールを丁寧に取り外す作業からスタートします。本革ソールは接着だけでなく縫製も併用されていることが多く、無理に剥がすとアッパー側を傷めてしまう恐れがあります。そのため、接着層を少しずつ緩めながら、縫い糸を一本ずつ外していく慎重な工程が必要です。時間と手間のかかる作業ではありますが、ここを丁寧に行うことで仕上がりの精度と耐久性が大きく変わってきます。

ソールを分解すると、内部の状態も確認できるようになります。今回のシューズは内部構造自体はしっかりしており、大きな損傷は見られませんでした。ただし、メスネジのプレート周辺には負荷が集中していたため、革の繊維が弱くなっている部分があり、補強を行う必要がありました。補強材を入れ、荷重が一点に集中しないようバランスを整えることで、今後の耐久性を高めていきます。

次に、新しいソールの作成です。オリジナルの雰囲気を損なわないよう、本革の質感と厚みを意識しながら素材を選定しました。ゴルフシューズの場合、歩行時だけでなくスイング時のねじれや踏み込みにも耐える必要があるため、柔軟性と強度のバランスが重要になります。適度なコシを持たせつつ、足裏の感覚が伝わるような仕上がりを目指して加工を進めました。

そして今回の修理の大きなポイントとなるのが、メスネジの仕様変更です。従来のプレート一体型から、より耐久性に優れた独立タイプへと交換しました。この構造は、スパイクの着脱時にかかる力を分散しやすく、万が一一箇所に負担がかかっても周囲への影響を最小限に抑えられるメリットがあります。また、将来的なメンテナンスのしやすさという点でも優れており、長く履き続けたい方には非常に相性の良い仕様です。

新しいメスネジを正確な位置に固定した後、ソール全体を組み上げていきます。接着と縫製を併用し、強度を確保しながら見た目の美しさにも配慮しました。コバ周りの仕上げでは、革の断面を滑らかに整え、色味を調整して全体の一体感を高めています。細部の仕上げこそが、修理後の完成度を大きく左右する部分です。

最終工程では、スパイクの装着テストと歩行チェックを行い、接地感や安定性を確認します。独立タイプのメスネジに変更したことで、スパイクの固定力は非常にしっかりしており、踏み込み時の安定感も向上しました。革ソール特有のしなやかさも保たれており、履き慣れた感覚を損なわない仕上がりになっています。

修理を終えたシューズは、見た目にも機能面でも新たな寿命を得た状態です。長年履き込まれた靴には、新品にはないフィット感や愛着があります。その魅力を残しながら、弱くなった部分だけを的確に補強・交換することが、私たち靴修理の役割だと考えています。

ゴルフシューズは、プレーのパフォーマンスを支える重要な道具のひとつです。特に交換式スパイクのモデルは、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、驚くほど長く使い続けることができます。ソールやネジ部分の状態をチェックし、早めに対応することが結果的に靴の寿命を延ばすことにつながります。

S様のシューズも、今回の修理によってこれから先のラウンドを再び安心して楽しんでいただける状態になりました。履き慣れた一足でコースに立つ安心感は、何物にも代えがたいものです。新しく生まれ変わったソールとメスネジが、これからのプレーをしっかりと支えてくれることでしょう。

私たちにとって、お客様の大切な靴を再び使える状態に戻し、その先の時間に寄り添えることが何よりの喜びです。これからも一足一足と真摯に向き合いながら、長く愛用できる修理を心がけていきたいと思います。

もしお手元に、ソールの劣化やスパイク周りの不具合が気になるゴルフシューズがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。古いモデルであっても、適切な方法を選べば再び活躍できる可能性は十分にあります。

S様、この度は大切な一足をお任せいただき誠にありがとうございました。新しくなった履き心地とともに、これからも素晴らしいゴルフライフをお楽しみいただければ幸いです。⛳️

東京都のN様の大切なJoyaウォーキングシューズが加水分解したためオールソール交換修理しました

東京都のN様、この度は大切なウォーキングシューズの修理をご依頼いただき、誠にありがとうございました。長く愛用されてきた一足を再び快適に履いていただける状態へと蘇らせるお手伝いができ、私たちも大変嬉しく思っております。

今回お預かりしたのは、足腰への負担を軽減する独自のクッション構造で知られるスイス発のコンフォートシューズブランド、Joya のウォーキングシューズです。柔らかな履き心地と安定感を兼ね備え、日常の散歩から長時間の歩行まで幅広く活躍するモデルで、N様が日々の生活の中で大切に履いてこられたことが、靴全体の風合いから伝わってきました。

しかし、ウォーキングシューズはその性質上、歩行時の衝撃を吸収するために柔らかい素材が多く使われています。そのため長年の使用により、ソール部分にへたりや劣化が生じやすく、クッション性の低下やバランスの崩れが起こることがあります。今回のシューズも、ミッドソールの弾力が弱まり、アウトソールの摩耗も進んでいたため、本来の快適さが十分に発揮できない状態となっていました。

そこで今回の修理では、ソール全体を作り直す「オールソール交換」を実施し、履き心地を根本からリフレッシュする方法を選択しました。単なる貼り替えではなく、元の構造と歩行バランスを考慮しながら再構築することで、より自然で安定した履き心地を目指しています。

ミッドソールには、軽量で衝撃吸収性に優れたEVAスポンジを採用しました。EVA素材は弾力性と耐久性のバランスが良く、ウォーキングシューズの再生において非常に相性の良い素材です。今回は厚みや硬度の異なるEVAを複数層に分けて積み重ねることで、元のクッション感を再現しつつ、歩行時の沈み込みや安定性を細かく調整しています。

積層構造にすることで、単一素材では再現しにくい「柔らかさと支え」の両立が可能になります。下層には適度な硬さのEVAを配置して安定感を確保し、上層には柔らかめの素材を用いることで足当たりを優しく仕上げました。この構造により、歩き始めの柔らかさと、踏み込んだ際のしっかりした支えを両立させています。

アウトソールには、耐摩耗性とデザイン性を兼ね備えたTopy社のクロコ柄ラバーソールを採用しました。クロコダイル調の型押しパターンは見た目のアクセントになるだけでなく、接地面の細かな凹凸がグリップ力を高め、滑りにくさにも貢献します。街中の舗装路から屋内の床面まで幅広い環境で安心して歩ける仕様となっています。

修理工程では、まず劣化したソールを慎重に分解し、内部の状態を確認します。ウォーキングシューズの場合、見た目以上に内部のクッションが崩れていることも多いため、必要に応じて不要な素材を取り除き、土台を整えることが重要です。下地をしっかり整えたうえで新しいEVAを成形し、接着・圧着を行いながら一体感のある構造へと仕上げていきます。

その後、アウトソールを貼り合わせ、コバ周りのラインを整形。全体のバランスを確認しながら細部を仕上げ、歩行テストを想定した最終チェックを行って完成となります。見た目の美しさだけでなく、実際に履いた際の感覚を重視することで、修理後の満足度を高めています。

仕上がったシューズは、外観が引き締まりスタイリッシュな印象に変わると同時に、足を入れた瞬間に感じる柔らかさと安定感が大きく向上しています。歩行時の衝撃吸収が改善されることで、長時間の外出でも疲れにくく、ウォーキング本来の楽しさを再び感じていただける状態になりました。

また、ソールを新しくすることで耐久性も向上しており、これから先も安心して履き続けていただけます。適切なタイミングでメンテナンスを行えば、コンフォートシューズは長く活躍してくれるアイテムです。履き慣れた靴を修理して使い続けることは、足への負担が少ないだけでなく、環境負荷の軽減にもつながるサステナブルな選択と言えるでしょう。

靴のリペアは「まだ履きたい」という気持ちを形にする方法です。新しい靴に買い替えるのではなく、今の一足を再生することで、履き心地や足への馴染みを保ったまま、機能だけを新しくすることができます。特にウォーキングシューズは足に馴染んでいるほど快適さが増すため、修理との相性がとても良い靴種です。

長く快適に履くためのポイントとしては、
・使用後に湿気を逃がす
・定期的にインソールを乾燥させる
・摩耗が進む前にソールを点検する
といった日常的なケアが効果的です。これらを意識していただくことで、今回の新しいソールもより長く良い状態を保てます。

今回の修理によって、N様のシューズは再び日常を支える頼もしい一足へと生まれ変わりました。これからも散歩やお出かけの時間を、より快適に楽しんでいただければ幸いです。履き慣れた靴が再び活躍する瞬間は、私たちにとっても何よりの喜びです。

改めまして、東京都のN様、この度はご依頼いただき誠にありがとうございました。これからもお客様の大切な一足一足に寄り添いながら、最適な修理とメンテナンスをご提案してまいります。

ソール交換やクッション補修、カスタムなど、靴に関するお悩みがございましたらいつでもお気軽にご相談ください。お気に入りの靴を長く快適に履き続けるためのお手伝いを、これからも心を込めてさせていただきます。👟✨

広島県 T様 REDWING ショートブーツ ソール交換しました

広島県のT様、この度は大切なブーツの修理をご依頼いただき、誠にありがとうございました。長年履き込まれた一足をお預かりし、再び快適に履いていただける状態へと仕上げることができたことを、私たちも大変嬉しく思っております。

今回お持ち込みいただいたのは、世界中にファンを持つワークブーツブランド、RED WING のショートブーツ。堅牢な作りと履き込むほどに味わいが増すレザーが魅力のモデルで、日常使いからちょっとした外出まで幅広く活躍してきたご様子でした。ブーツ全体にはしっかりとしたエイジングが見られ、T様がこれまで大切に履いてこられた時間が感じられる、非常に良いコンディションの一足でした。

しかしながら、ソール部分は経年による硬化が進んでおり、クッション性の低下やグリップ力の減少が見受けられる状態でした。ラバーソールは長年の使用や保管環境の影響を受けると、弾力を失い硬くなることがあります。こうした状態を放置すると、歩行時の疲労が増すだけでなく、滑りやすさやひび割れの原因にもなるため、適切なタイミングでの交換が重要です。

そこで今回の修理では、アウトソールを新品へ交換する「オールソール(アウトソール交換)」を実施いたしました。採用したのは、耐久性と軽快な履き心地のバランスに優れた Vibram 4014ソール(ホワイト)。クッション性のある軽量ラバーを使用したこのソールは、ワークブーツの重厚感を保ちながらも、日常使いに適した快適さを提供してくれる定番素材です。

ホワイトソールの特徴は、見た目の軽やかさと程よいカジュアル感。レザーの風合いが深まったアッパーとのコントラストが美しく、リペア後はまるで新しいブーツのようなフレッシュな印象に仕上がりました。ブーツ本来の雰囲気を損なうことなく、むしろ魅力を引き立てるカスタムと言えるでしょう。

修理工程では、まず古いアウトソールを丁寧に取り外し、接着面を整える下処理を行います。この工程は仕上がりの耐久性を大きく左右する重要な作業で、残った接着剤や汚れをしっかり除去し、平滑な面を作ることで新しいソールの密着度を高めます。その後、接着と圧着を行い、必要に応じてコバ周りを整形。細部までバランスを確認しながら仕上げていきます。

今回のブーツは、ミッドソール(中間層)の状態が非常に良好でした。硬化や割れ、沈み込みといった劣化が見られなかったため、交換せずそのまま活かしています。ミッドソールは履き心地を左右する重要なパーツですが、状態が良ければ無理に交換する必要はありません。元の構造を活かすことで、履き慣れたフィット感を保ちながら修理できるのも大きなメリットです。

修理後の履き心地は、ソールの弾力が戻ったことでクッション性が向上し、歩行時の衝撃が和らぐ仕上がりとなっています。また、Vibram4014特有のしなやかさにより、足運びが軽く感じられるはずです。見た目の変化だけでなく、機能面でもしっかりとリフレッシュされた一足になりました。

ブーツは「消耗品」でありながら、「育てる楽しみ」がある数少ないアイテムです。特にRED WINGのような堅牢な作りの靴は、適切なメンテナンスと修理を重ねることで10年、20年と履き続けることも可能です。ソール交換はその中でも最も効果的なメンテナンスのひとつで、履き心地を大きく改善しつつ、靴の寿命を大きく延ばすことができます。

長く履くためのポイントとしては、
・定期的なブラッシングと保湿(レザーケア)
・雨に濡れた際のしっかりした乾燥
・連続着用を避け、休ませる
といった基本的なお手入れがとても重要です。これらを心がけることで、アッパーのコンディションを良好に保ち、次のソール交換まで安心して履いていただけます。

今回の修理でT様のブーツは、これからまた新たな時間を刻んでいく準備が整いました。履き込むほどに増していく革の風合いと、交換したばかりのソールの軽快さ。その両方を楽しみながら、日々のコーディネートやお出かけにぜひご活用いただければ幸いです。

私たちにとって修理とは、単に壊れた部分を直す作業ではなく、「お客様と靴のこれからの時間をつなぐ仕事」だと考えています。一足一足の背景にある思い出や愛着を大切にしながら、最適な方法をご提案し、丁寧に仕上げることを常に心がけています。

改めまして、広島県のT様、この度はご依頼いただき本当にありがとうございました。生まれ変わったブーツとともに、これからもたくさんの素敵な場所へ出かけていただければ嬉しいです。

靴のソール交換やメンテナンス、カスタムのご相談はいつでもお気軽にどうぞ。大切な一足を、これからも長く楽しんでいただくお手伝いをさせていただきます。👞✨

広島県 T様 Timberland ショートブーツ カスタム オールソール交換修理しました

広島県にお住まいのT様よりお預かりした、大切なショートブーツ。ブランドは世界的アウトドアフットウェアブランドとして知られるティンバーランド。無骨さと上品さを併せ持つデザインで、タウンユースからアウトドアまで幅広く活躍してきた一足です。

しかし今回ご相談いただいたのは、「ソールが剥がれてきた」「カップソールが硬くなり、色も変わってきた」というお悩みでした。


■ 経年劣化によるカップソールの硬化と変色

オリジナルのカップソールは、見た目の一体感や軽量性、クッション性に優れています。しかし、素材の特性上、長年の使用や保管環境の影響を受けると、徐々に硬化が進みます。

特にポリウレタン系素材やラバーコンパウンドは、湿気や紫外線の影響を受けやすく、

  • 弾力の低下

  • 接着力の弱まり

  • 側面の黄ばみや変色

  • ひび割れや剥離

といった症状が現れます。

T様のブーツも、まさにその状態でした。アッパーはまだ十分に美しく、革も良好なコンディションを保っているのに対し、ソールだけが寿命を迎えている状況。これは非常にもったいない状態です。

「アッパーが元気なら、靴はまだまだ蘇る」

それが私たち靴修理専門店の考えです。


■ 同じカップソールが入手できないという現実

今回の修理で大きな課題となったのは、オリジナルと同じカップソールが入手できないという点でした。

ブランド専用の純正パーツは、一般の修理業者には流通しないことが多く、たとえ似た形状のものがあっても、

  • サイズが合わない

  • 側面の意匠が異なる

  • 色味が違う

  • フィット感が変わる

といった問題が生じます。

そこで私たちは発想を転換しました。

「再現できないなら、より美しく進化させる」

今回の修理は、単なる交換ではなく、カスタムオールソールという形で生まれ変わらせる方向へと舵を切りました。


■ 側面に本革を縫い付ける大胆なアプローチ

カップソールを取り外した後、側面には接着跡や段差が残ります。そのまま新しいソールを装着すると、見た目に違和感が出てしまいます。

そこで採用したのが、側面に本革を巻き、縫い付ける方法です。

これは単なる装飾ではありません。

  • 視覚的な美しさの回復

  • 強度の補強

  • 新旧素材の違和感をなくす調整

  • デザインの再構築

という、機能と意匠の両立を目的とした工程です。

丁寧に革を裁断し、厚みを調整し、アッパーとの色味バランスを考慮しながら縫製。縫い幅やピッチにも気を配り、ブーツ本来のタフな印象を損なわないよう仕上げました。

その結果、元のカップソール仕様よりも、むしろクラフト感のある上質な佇まいへと昇華しています。


■ ミッドソールはマッケイ縫いで堅牢に固定

今回の修理の要となるのが、ミッドソールの固定方法です。

採用したのはマッケイ製法

マッケイ縫いは、アッパー・中底・ミッドソールを貫通して一本の縫い糸で縫い上げる構造です。

この製法のメリットは:

  • 屈曲性が高い

  • 軽量

  • 足馴染みが良い

  • 返りが自然

特にショートブーツのように歩行頻度が高い靴には適しています。

接着だけに頼らず、縫いで固定することで、将来的な剥離リスクを大幅に軽減。見えない部分こそ丁寧に仕上げることで、長く安心して履いていただける仕様へと再構築しました。


■ アウトソールにはVibram4014を採用

そして仕上げに選んだのが、世界的に評価の高いソールメーカー、VibramVibram 4014です。

Vibram4014は、いわゆる“クリスティタイプ”の白いフラットソール。

特徴は:

  • 優れたクッション性

  • 軽量設計

  • 安定したグリップ力

  • 柔らかく快適な歩行感

ワークブーツやカジュアルブーツとの相性が非常に良く、見た目も爽やかで都会的な印象になります。

T様のティンバーランドは、もともとやや無骨な雰囲気がありましたが、白い4014を組み合わせることで、重厚感の中に軽快さが加わりました。

「タフ × クリーン」

そんな絶妙なバランスに仕上がっています。


■ 分解から仕上げまでの工程

今回の作業工程を簡単にご紹介します。

  1. 既存カップソールの慎重な分解

  2. 接着剤や劣化素材の完全除去

  3. 中底の状態確認と補強

  4. 側面革巻きの設計・縫製

  5. ミッドソール作成・マッケイ縫い

  6. Vibram4014装着

  7. コバ仕上げ・最終バランス調整

特に重要なのは「古い接着剤を完全に除去する工程」です。これを怠ると、新しいソールの密着性が落ち、数年後に再び剥がれる原因になります。

見えない部分こそ、妥協しない。

それが耐久性を左右します。


■ 履き心地の変化

修理後の履き心地は、元の状態とは明らかに異なります。

  • 硬化していた衝撃が和らぐ

  • 歩行時の返りが自然

  • 足裏への負担軽減

  • 軽やかな足運び

特に白いVibram4014は衝撃吸収性に優れ、長時間の歩行でも疲れにくい仕様です。

T様にも「まるで新しいブーツのようだ」と喜んでいただけました。


■ “修理”ではなく“再設計”

今回の事例は、単なる修理ではありません。

素材の選定
構造の再設計
デザインの再構築

まさに一足の再創造です。

同じ部品が手に入らないからといって、諦める必要はありません。

むしろそこからが、職人の腕の見せどころです。


■ 大切な靴を、これからも長く

お気に入りの靴には、思い出や時間が詰まっています。

履き込んだシワ
刻まれた傷
足に馴染んだ革

それらは新品では決して得られない価値です。

ソールが寿命を迎えただけで手放してしまうのは、本当にもったいないこと。

適切な修理とカスタムを施せば、さらに何年も活躍できます。


広島県のT様、この度は大切な一足をお任せいただき、誠にありがとうございました。

新しく生まれ変わったティンバーランドのショートブーツで、これからもたくさんの場所へ歩んでください。

もし同じように、

  • ソールが剥がれた

  • 加水分解で崩れた

  • 純正パーツが手に入らない

  • カスタムして雰囲気を変えたい

そんなお悩みがありましたら、ぜひご相談ください。

プロフェッショナルの技術で、あなたの大切な靴に新たな命を吹き込みます。

#靴修理
#ティンバーランド修理
#オールソール交換
#カスタムブーツ
#Vibram4014
#広島靴修理

山口県のお客様より|Joyaウォーキングシューズのオールソール交換修理事例

― 加水分解した靴底をEVA三層構造で再構築し、TOPYクロコ柄ソールで美しく再生 ―

山口県にお住まいのお客様より、長年大切に履かれてきたJoya(ジョーヤ)のウォーキングシューズをお預かりいたしました。

「履き心地がとても気に入っていて、できればこれからも履き続けたいのですが、靴底が崩れてきてしまって……」

そんなご相談から始まった今回の修理。拝見すると、ミッドソール部分のポリウレタンが加水分解を起こし、ソール全体が脆く崩れ始めている状態でした。

Joyaは“やわらかさ”と“衝撃吸収性”に優れた構造が特徴のウォーキングシューズです。その独特の履き心地に魅了され、長年愛用されている方も少なくありません。しかし、純正ソールに使用されているポリウレタン素材は、経年や湿気の影響により加水分解を起こす性質があります。

今回は、その大切な一足を「これからも安心して履ける靴」へと生まれ変わらせるオールソール交換修理を行いました。


■ 加水分解とは何か?Joyaに起こりやすい劣化症状

加水分解とは、空気中の水分と化学反応を起こし、ポリウレタン素材が分解・崩壊してしまう現象です。

・ソールを指で押すとボロボロと崩れる
・歩くと黒い粉が出る
・突然ソールが割れる、剥がれる

こうした症状は、履いていなくても進行します。つまり「大切に保管していたのに、久しぶりに履いたら壊れた」というケースも少なくありません。

今回お預かりしたJoyaも、ミッドソールが全体的に劣化し、側面のポリウレタンが崩れ始めていました。アウトソールも摩耗が進んでおり、部分修理では対応できない状態だったため、オールソール交換をご提案いたしました。


■ 修理工程①|劣化ソールの完全除去

まずは既存のソールを丁寧に分解します。

加水分解したポリウレタンは非常に脆く、削るというより“取り除く”作業になります。崩れた素材を残したまま新しいソールを取り付けると、接着不良や剥がれの原因になるため、劣化部分は徹底的に除去します。

中底(インソール下の構造部分)まで状態を確認し、再利用できる部分と補強が必要な部分を見極めます。今回のケースでは、中底は健在でしたので、クリーニングと補強処理を施して活かすことにしました。


■ 修理工程②|EVAスポンジ三層構造でミッドソールを再構築

Joyaの特徴は、何といっても独特の厚みとローリング構造による歩行サポート機能です。

その履き心地をできる限り再現するため、今回はEVAスポンジを三層構造で使用しました。

EVA素材のメリットは:

・加水分解しない
・軽量でクッション性が高い
・加工がしやすく、曲線を美しく成形できる
・耐久性に優れている

まずはベース層を形成し、そこに硬度の異なるEVAを重ねることで、クッション性と安定性のバランスを調整します。

単純に厚みを出すだけではなく、Joya特有の美しい曲線と前傾バランスを意識しながら、削りと成形を繰り返します。この工程はまさに“立体造形”の作業。ミリ単位で削りながら、歩行時の体重移動を想定してフォルムを整えていきます。

三層にすることで、衝撃吸収・安定性・耐久性の三要素を確保。これにより、元の履き心地に近づけながらも、より長持ちする構造へと進化させました。


■ 修理工程③|側面の接着跡を本革縫い付けで美しく補修

加水分解したポリウレタンを除去すると、どうしても側面に接着跡や段差が残ります。

ここをそのままにすると、見た目の美しさが損なわれてしまいます。そこで今回は、本革を使用し、側面を丁寧にカバーしました。

革をただ貼るのではなく、ミシンでしっかりと縫い付けています。

・強度を高める
・将来的な剥がれを防止する
・デザイン性を向上させる

縫い付けることで、構造的な一体感が生まれ、見た目も自然に仕上がります。修理でありながら、どこか“カスタム”のような高級感も感じられる仕上がりになりました。


■ 修理工程④|フランスTOPY社クロコ柄アウトソールで仕上げ

アウトソールには、フランスTOPY(トピー)社製のクロコ柄ラバーソールを採用しました。

TOPY社はヨーロッパで高い評価を受けている老舗ソールメーカー。耐摩耗性に優れ、グリップ力も高く、実用性とデザイン性を兼ね備えています。

クロコ柄は:

・滑りにくい
・高級感がある
・スタイリッシュな印象になる

ウォーキングシューズでありながら、街履きとしても映える仕上がりになりました。

EVAミッドソールとの相性も良く、軽さを保ちながら耐久性を確保しています。


■ 修理後の仕上がりと履き心地

完成した一足は、まるで新品のような佇まい。

しかし中身は、加水分解の心配がない構造へとアップデートされています。

・軽量
・クッション性良好
・安定感のある接地
・長期間使用可能

お客様からも「これならまたたくさん歩けそうです」と嬉しいお言葉をいただきました。

靴は単なる道具ではありません。歩いてきた時間の記憶が詰まった存在です。その一足を、これからも共に歩める形へと再生すること。それが私たちの使命です。


■ Joyaやウォーキングシューズの加水分解でお困りの方へ

・ソールが割れてしまった
・久しぶりに履いたら崩れた
・メーカー修理ができないと言われた
・履き心地を保ったまま直したい

そのようなお悩みがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

素材の特性を理解し、用途に合わせた最適な構造をご提案いたします。


■ お気に入りの靴を、これからも

今回のJoyaは、加水分解という避けられない劣化を乗り越え、新たな構造で生まれ変わりました。

EVA三層構造による安定感
本革縫い付け補修による美しさ
TOPYクロコ柄ソールによる耐久性とデザイン性

修理は「元に戻す」だけではありません。
「これから先をより良くする」仕事でもあります。

山口県でウォーキングシューズ修理、Joya修理、オールソール交換をご検討の方は、ぜひ当店へ。

あなたの大切な一足に、新たな旅路を。

ご相談・お見積りはお気軽にどうぞ。
皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

静岡県Y様 ニューバランス990 オールソール交換修理事例

― 硬化したソールをVibram298Cで再生 ―

こんにちは。靴修理専門店として、日々さまざまな一足と向き合っております。今回ご紹介するのは、静岡県にお住まいのY様よりお預かりした「ニューバランス990」のソール交換修理事例です。

ニューバランス990といえば、1982年の誕生以来、ランニングシューズとして、そしてタウンユースのスニーカーとしても高い支持を受け続けている名作モデルです。優れたクッション性、安定感、そして上質なアッパー素材。履き心地とデザイン性を両立させた完成度の高い一足として、多くのファンに愛されています。

Y様も長年この990をご愛用されており、「履き心地が良くて、つい手に取ってしまう一足」とのことでした。しかし最近、歩行中に違和感を感じるようになったそうです。拝見すると、アウトソールは全体的に摩耗が進み、特にかかと部分は削れが顕著。さらに、ゴム底の表面が硬化し始めており、本来の弾力が失われつつある状態でした。

■ ソールの硬化がもたらす影響

スニーカーのソールは、単に「地面と接するゴム」ではありません。クッション性、屈曲性、グリップ力、衝撃吸収性など、歩行の快適さを左右する重要な役割を担っています。

ゴムは経年変化により徐々に硬化していきます。紫外線や湿度、使用頻度などの影響を受け、弾力を失い、滑りやすくなり、衝撃吸収性も低下します。硬化したソールは地面からの衝撃をダイレクトに足へ伝えてしまい、長時間歩行時の疲労感の増加や、膝・腰への負担につながることもあります。

Y様の990は、アッパー部分には目立ったダメージはなく、内部構造も良好な状態でした。つまり、問題はあくまで「ソール」。この部分を適切に交換することで、再び快適な履き心地を取り戻せると判断しました。

■ 分解・下地処理

まずは既存のアウトソールを丁寧に分解していきます。ニューバランス990は複層構造のソールを採用しており、ミッドソールとアウトソールの接着状態を慎重に確認しながら作業を進めます。

劣化した接着剤を除去し、残留物をきれいに削り落とします。この下地処理は非常に重要です。ここが不十分だと、新しいソールを取り付けても耐久性が落ちてしまいます。見えない工程こそ、仕上がりを左右する要となります。

ミッドソールの状態も確認しましたが、今回は弾力がしっかり保たれており、再利用が可能なコンディションでした。そのため、ミッドソールは活かしつつ、アウトソール部分を交換する施工方法を選択しました。

■ Vibram298Cの採用

今回使用したのは、信頼性の高い「Vibram298C」です。

Vibram社はイタリアの老舗ソールメーカーで、登山靴からワークブーツ、スニーカーまで幅広く採用されています。298Cは耐摩耗性に優れ、適度な柔軟性を持ち合わせたラバーソールです。グリップ力が高く、日常使いから軽いウォーキングまで快適に対応できます。

ニューバランス990の持つ安定感やクッション性を損なわないこと。そして、デザインのバランスを崩さないこと。この二点を重視し、298Cを選定しました。

厚みや形状を微調整し、元のシルエットに違和感が出ないよう成形していきます。スニーカー修理では、単に貼り替えるだけでなく「いかに自然に仕上げるか」が重要です。オリジナルの雰囲気を保ちながら、機能性を向上させる。それが理想的な修理だと考えています。

■ 接着・圧着工程

成形したソールを専用接着剤で圧着します。接着面の温度管理、圧力、乾燥時間などを厳密にコントロールし、しっかりと固定していきます。

接着後は圧着機にて均一な力を加え、密着度を高めます。これにより、日常使用に耐えうる強度を確保します。最後に外周部分を丁寧に整形し、違和感のないラインに仕上げて完成です。

■ 仕上がりと履き心地の変化

完成した990は、見た目にも引き締まり、足元に安定感が戻りました。硬化していた旧ソールとは違い、適度な弾力としなやかさが復活。歩行時の「コツコツ」とした硬い感触がなくなり、自然なクッション性が感じられます。

グリップ力も向上しているため、濡れた路面や駅のタイル床でも安心感があります。かかとの安定性も改善され、着地時のブレが軽減されました。

Y様にも実際に足入れしていただいたところ、「また新品のように安心して歩けます」と嬉しいお言葉をいただきました。お気に入りの一足が再び活躍できる状態になったことを、大変喜んでおられました。

■ 靴は修理して履き続ける時代へ

近年は「良いものを長く使う」という価値観が広がっています。特にニューバランス990のような品質の高いモデルは、適切なメンテナンスを施せば、何年も愛用することが可能です。

アッパーが健在であれば、ソール交換によって再生できます。加水分解や硬化、摩耗などでお困りの場合も、ぜひ一度ご相談ください。状態を丁寧に見極め、最適な方法をご提案いたします。

靴は単なる消耗品ではなく、持ち主の歩んできた時間を刻んだ大切な存在です。その一足を再び最良の状態へ導くこと。それが私たちの使命であり、喜びでもあります。

静岡県Y様、この度は大切なニューバランス990をお任せいただき、誠にありがとうございました。これからも安心して、快適なシューズライフをお楽しみください。

大切なシューズのことでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
シューズライフをより楽しく、より快適に。

倉敷市K様 レッドウィング ベックマン 加水分解したハーフソール&ブロックヒールをVibram2333で再生した修理事例

靴修理専門店として日々さまざまな一足と向き合っていますが、今回ご紹介するのは、岡山県倉敷市にお住まいのK様からお預かりした
**レッドウィング「ベックマン」**の修理事例です。

レッドウィングといえば、アメリカを代表するワークブーツブランド。
中でもベックマンは、ワークブーツの無骨さとドレスシューズの上品さを併せ持つモデルとして、長年にわたり高い人気を誇っています。

K様もこのベックマンをとても大切に履かれており、
「できる限り長く履き続けたい」という強い思いから、今回当店へご相談くださいました。


■ ご相談内容:見た目はまだ良いが、足元に違和感が…

お預かりしたベックマンは、アッパーの革の状態が非常に良く、
定期的にお手入れをされてきたことがひと目で分かる一足でした。

しかし、足元をよく確認すると、

・ハーフソールラバーが硬化し、ひび割れが進行
・ブロックヒール内部の素材が劣化
・歩行時に「コツコツ」「グニャッ」とした違和感

といった症状が見られました。

これらの原因は、加水分解です。


■ 加水分解とは?ブーツに起こる静かなトラブル

加水分解とは、空気中の水分や湿気によって、
ゴムやポリウレタンなどの素材が化学的に分解されてしまう現象です。

特に、

・長期間履かずに保管していた
・湿度の高い日本の気候
・経年劣化

といった条件が重なると、見た目は問題なくても、
内部から静かに劣化が進行してしまいます。

K様のベックマンも、まさにこの状態。
このまま履き続けると、ある日突然ソールが剥がれたり、
ヒールが崩れてしまうリスクがありました。


■ 修理内容のご提案:加水分解しない素材へ

そこで今回ご提案したのが、

・ハーフソールラバー交換
・ブロックヒール交換
・出し縫いによる耐久性強化

という内容です。

最大のポイントは、使用する素材。
今回は、Vibram(ビブラム)2333 合成ゴムを採用しました。


■ Vibram2333 合成ゴムとは?

Vibram2333は、登山靴やワークブーツにも使用される、
非常に信頼性の高い合成ゴム素材です。

この素材の大きな特徴は、

加水分解しない
・適度な硬さと柔軟性のバランス
・耐摩耗性が高く、削れにくい
・雨の日でも安定したグリップ力

といった点。

「今後も長く安心して履きたい」というK様のご希望に、
まさに最適な素材だと判断しました。


■ 作業工程① 既存ソール・ヒールの分解

まずは、劣化したハーフソールラバーとブロックヒールを
丁寧に分解していきます。

無理に剥がすとアッパーやミッドソールを傷めてしまうため、
一工程ずつ慎重に作業を進めます。

分解してみると、内部のゴムはすでに弾力を失い、
ボロボロと崩れ始めていました。
この状態では、本来のベックマンの履き心地は到底得られません。


■ 作業工程② 下地調整と成形

 

次に行うのが、下地の調整です。

古い接着剤や劣化した素材を完全に取り除き、
新しいソールがしっかりと密着する状態を作ります。

その後、Vibram2333のハーフソールとブロックヒールを、
ベックマンのシルエットに合わせて丁寧に成形。

既製品をただ貼るだけではなく、
「レッドウィングらしい雰囲気」を損なわないよう、
細部までバランスを確認しながら作業を行います。


■ 作業工程③ 出し縫いで耐久性をプラス

今回の修理では、**出し縫い(アウトステッチ)**も施しました。

出し縫いを行うことで、

・接着剤だけに頼らない構造
・剥がれにくさが大幅に向上
・歩行時の安定感アップ

といったメリットがあります。

特にワークブーツであるベックマンには、
この「縫い」の工程が非常に相性が良く、
見た目にも無骨で力強い印象を与えてくれます。


■ 仕上がり:生まれ変わったベックマン

すべての工程を終え、仕上がったベックマンは、
まさに**「新しく生まれ変わった一足」**。

・足を入れた瞬間の安定感
・地面をしっかり捉えるグリップ力
・歩くたびに感じる安心感

K様にも大変喜んでいただき、
「またこれから何年も履けますね」と
笑顔でお言葉をいただきました。


■ 靴修理は、思い出をつなぐ仕事

靴は単なる履き物ではありません。
その人の生活や思い出が、確実に刻み込まれています。

今回のベックマンも、
K様とともに多くの時間を歩んできた一足。

私たちは、その歴史を尊重しながら、
「これからの時間」を支えるお手伝いをしています。


■ お気に入りのブーツ、諦める前にご相談を

・ソールが硬くなってきた
・歩くと違和感がある
・加水分解が心配

そんな症状があれば、ぜひ一度ご相談ください。

素材選びから仕上げまで、
一足一足、心を込めて修理いたします。


足元から始まる快適な毎日を、これからも。
あなたの大切な靴に、最高のケアをお届けします👞✨

兵庫県のお客様よりお預かりした Zamberlan(ザンバラン)登山ブーツ

―― オールソール交換修理で、街から自然まで対応する一足へ ――

今回ご紹介するのは、兵庫県にお住まいのお客様よりお預かりした、
イタリア発の本格アウトドアブランド
**Zamberlan(ザンバラン)**の登山ブーツ修理事例です。

ザンバランといえば、
登山・トレッキング・ハイキングといったアウトドアシーンで高い評価を得ている老舗ブランド。
堅牢な作りと足をしっかり包み込むホールド感、
そして長時間歩行を前提とした設計が魅力です。

今回お預かりした一足も、
アウトドアブーツでありながら、
どこか洗練されたデザイン性を持つ、とてもおしゃれなモデルでした。

お客様からのご相談は、
「まだアッパーは元気なので、これからも街歩きや軽いハイキングで使いたい」
というもの。

しかし、長年の使用により、
靴底には明らかな摩耗と劣化が見られ、
このまま履き続けるには不安が残る状態でした。


■ 修理前の状態:アウトソールの摩耗とクッション性の低下

まずは、修理前の状態を詳しく確認します。

アウトソールは、

  • 地面との接地部分が大きく摩耗

  • トレッドパターン(溝)が浅くなり、グリップ力が低下

  • 歩行時に硬さを感じる状態

特に、かかとから前足部にかけては、
街歩きでの使用頻度が高かったこともあり、
均一にすり減っている印象でした。

また、ミッドソール部分も経年によって、

  • クッション性が落ちている

  • 反発力が弱くなっている

  • 長時間歩くと疲れやすい

といった症状が出ていました。

アッパーの革や縫製状態は非常に良好で、
「ここで手を入れれば、まだまだ長く履ける」
そんなポテンシャルを十分に感じる一足です。


■ 修理方針:街歩き+軽いハイキングに最適化する

今回のオールソール交換修理で、
私たちが重視したポイントは次の3点です。

  1. 街歩きでも疲れにくい快適性

  2. 軽いハイキングに対応できるグリップ力

  3. ザンバランらしい雰囲気を損なわない仕上がり

本格的なアルパイン用途ではなく、
あくまで「街と自然の両方で使える一足」という方向性を明確にし、
ソール構成と素材を選定していきました。


■ アウトソール選び:Vibram 063 を採用

今回アウトソールに採用したのは、
Vibram(ビブラム)063

Vibram 063は、

  • 適度なボリューム感

  • フラットすぎない安定した接地感

  • 街歩きでも違和感のないトレッドパターン

といった特徴を持ち、
タウンユースとライトアウトドアの中間に位置する、非常にバランスの良いソールです。

ゴツすぎず、しかし頼りなさもない。
ザンバランの上質なアッパーとの相性も良く、
今回の用途にはまさに理想的な選択でした。


■ ソール分解作業:慎重さが求められる工程

オールソール交換修理では、
まず既存のソールをすべて取り外す必要があります。

登山ブーツは構造が複雑なことが多く、
無理な力をかけると、

  • アッパーを傷める

  • 縫製を切ってしまう

  • 靴全体のバランスが崩れる

といったリスクがあります。

そのため、
接着層を一層ずつ確認しながら、
慎重に分解作業を進めていきました。


■ ミッドソール構成:合成ゴム+EVAスポンジ

今回の修理で特にこだわったのが、
ミッドソール部分の作り直しです。

● 合成ゴムを縫い付けて強度を確保

まず、土台となる部分には合成ゴムを使用し、
接着だけでなく、縫い付けによって固定しました。

これにより、

  • 剥がれにくい構造

  • 長期間使用しても安心感のある耐久性

  • 重量を抑えつつ、必要な剛性を確保

といったメリットが得られます。

● EVAスポンジでクッション性をプラス

その上に、EVAスポンジを組み合わせることで、
歩行時の衝撃をしっかり吸収。

EVAスポンジは、

  • 軽量

  • クッション性が高い

  • 反発力があり、歩行がスムーズ

という特性を持っており、
街歩きや長時間の散策でも足への負担を軽減してくれます。


■ 縫製と接着:登山ブーツだからこその安心感

ミッドソールとアウトソールの接合には、
接着剤だけに頼らず、
縫製と接着を併用しています。

アウトドアブーツは、

  • 路面状況が変わりやすい

  • 荷重が不規則にかかる

  • 横方向の力が入りやすい

という特徴があるため、
構造的な強さがとても重要です。

「安心して歩ける」という感覚は、
こうした地味ですが確実な工程の積み重ねから生まれます。


■ 仕上がり:街でも自然でも映える一足へ

完成したザンバランは、

  • 全体のシルエットが引き締まり

  • 適度なボリューム感でコーディネートしやすく

  • 歩き出した瞬間から違いを感じる履き心地

へと生まれ変わりました。

街中の舗装路ではクッション性と安定感を、
公園やハイキングコースでは確かなグリップ力を発揮し、
**「歩くことそのものが楽しくなる」**一足に仕上がっています。


■ お客様へ、そしてアウトドアブーツを愛用されている皆さまへ

大切な靴が、
再び新しい冒険へ出発するその瞬間をサポートできること。
それは、私たち靴修理職人にとって、何よりの喜びです。

ザンバランをはじめ、
高品質なアウトドアブーツは、
ソールを直せば、驚くほど長く履き続けることができます

「まだ履けるか分からない」
「修理する価値があるか迷っている」
そんな時こそ、ぜひ一度ご相談ください。

お客様の用途・歩き方・ライフスタイルに合わせて、
最適な修理方法をご提案いたし

岡山県・赤磐市 M様 New Balance 576 修理事例 ―― ウェッジヒールとヒールカップの加水分解を乗り越え、再び履ける一足へ ――

今回ご紹介するのは、岡山県・赤磐市にお住まいのM様よりお預かりした、
New Balance(ニューバランス)576の修理事例です。

New Balance 576といえば、英国製モデルとしても知られ、
安定感のある履き心地とクラシカルなデザインで、長年愛され続けている名作スニーカー。


M様もこの576をとても大切に履かれてきたとのことで、
「できることなら、これからも長く履き続けたい」という想いを込めて、当店へご相談くださいました。

しかし今回お預かりした576は、**経年劣化による“加水分解”**が進行しており、
そのまま履き続けることが難しい状態になっていました。


■ ご相談内容:ウェッジヒールとヒールカップの加水分解

M様がお困りだった主なポイントは、次の2点です。

  1. ウェッジヒール(ミッドソール部分)の加水分解

  2. 樹脂製ヒールカップの割れ・崩れ

New Balance 576は、ミッドソールにポリウレタン素材を使用しているため、
年数が経つとどうしても避けられないのが「加水分解」という現象です。

加水分解とは、
空気中の湿気や保管環境の影響によって、素材が分子レベルで分解され、
・ボロボロと崩れる
・ひび割れが起きる
・弾力が失われる
といった症状が現れる劣化のこと。

M様の576も、
歩行時に違和感が出始め、
「このまま履くと完全に壊れてしまいそうで怖い」
という状態でした。

さらに、かかと外側に取り付けられている樹脂製ヒールカップも、
同じく加水分解によってひび割れが生じ、
部分的に欠け落ちてしまっていました。


■ 修理方針:見た目と履き心地、どちらも妥協しない

今回の修理で私たちが大切にしたのは、
**「オリジナルの雰囲気を尊重しながら、今後も安心して履ける仕様にする」**という点です。

単に壊れた部分を直すだけではなく、

  • 576らしいシルエットを崩さない

  • 履いた時の安定感・クッション性を損なわない

  • 同じトラブルを繰り返しにくい素材を選ぶ

この3点を軸に、修理内容を組み立てていきました。


■ ウェッジヒール修理:段差を活かした2段構造で再現

まずは、最も劣化が進んでいたウェッジヒール部分から作業を開始します。

劣化したポリウレタン素材は、
一度加水分解が始まると、表面だけでなく内部まで脆くなっているケースがほとんどです。
そのため、部分補修ではなく、劣化部分を完全に除去することが重要になります。

慎重にソールを分解し、
崩れてしまった素材を一つひとつ丁寧に取り除いた後、
新たにEVAスポンジ素材を使って、ウェッジヒールを作り直していきました。

今回のポイントは、
**かかとの段差を活かした「2段構造」**での再構築です。

New Balance 576特有のヒールラインは、
単なるフラット構造では再現できません。
段差の高さや角度をミリ単位で調整しながら、
オリジナルに近いフォルムになるよう積み上げていきます。

この工程は、
見た目だけでなく、歩行時の体重移動や安定感にも大きく影響するため、
特に時間と神経を使う部分でもあります。


■ 樹脂製ヒールカップを本革で製作・補強

続いて、樹脂製ヒールカップの修理です。

New Balance 576に使われているヒールカップは、
デザイン性とホールド感を高める重要なパーツですが、
樹脂素材のため、どうしても経年劣化に弱いという弱点があります。

今回は、同じ樹脂素材で作り直すのではなく、
耐久性の高い本革を使って代替パーツを製作する方法を選択しました。

本革は、

  • 加水分解を起こさない

  • 適度な柔軟性がある

  • 使い込むほど足に馴染む

といったメリットがあり、
長期的に見ても非常に優れた素材です。

靴の形状に合わせて革を成形し、
八方ミシンという特殊なミシンを使用して、
しっかりと縫い付けていきます。

縫製位置やステッチ幅も、
外観を損なわないよう細心の注意を払いながら調整しました。


■ 仕上げと最終チェック

すべてのパーツを組み上げた後は、
全体のバランスを確認しながら最終仕上げに入ります。

  • 左右の高さに違いはないか

  • 接地時の安定感は十分か

  • 歩行時に違和感が出ないか

実際に足を入れて確認し、
問題がないことを確認してから完成となります。

完成した576は、
オリジナルの雰囲気をしっかり残しつつ、
以前よりも安心して履ける一足へと生まれ変わりました。


■ M様へ、そして同じお悩みをお持ちの方へ

M様、この度は大切なNew Balance 576の修理をご依頼いただき、
誠にありがとうございました。

「もう履けないかもしれない」と感じていた靴が、
修理によって再び日常で活躍できるようになる。
それは私たち靴修理職人にとって、何より嬉しい瞬間です。

New Balanceをはじめ、
加水分解によるトラブルは、決して珍しいものではありません。
しかし、適切な素材選びと技術によって、
まだまだ履き続けられるケースがほとんどです。

あなたの大切な一足も、
「これはもう無理かな?」と思う前に、ぜひ一度ご相談ください😊
靴と向き合い、一足一足に心を込めて、最善の方法をご提案いたします。

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