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東京都 K様 NIKE Kobe 9 Elite(コービー9エリート)ソール剥がれ修理

― オパンケ縫いで再びコートへ ―

今回ご依頼をいただいたのは、東京都にお住まいのK様よりお送りいただいた NIKE Kobe 9 Elite(ナイキ コービー9 エリート)
バスケットボール界の伝説、故コービー・ブライアント氏の名を冠したシリーズの中でも、特に人気の高いモデルです。

Kobe 9は、シリーズ初のフライニットアッパーを採用したハイカット仕様で、軽量かつ柔軟性に優れた構造が特徴です。
ただ、発売から年月が経過したことで、ソールの接着剤が劣化し、ソールがガバッと剥がれてしまうというトラブルが発生していました。


■ 加水分解ではなく「接着剤の劣化」

まず状態を確認したところ、ソール素材自体(ミッドソールやアウトソールのゴム・クッション部分)はまだしっかりしており、加水分解による崩壊までは進んでいませんでした。
しかし、接着層に使用されているボンドが経年劣化で硬化し、弾力を失ってパリパリと割れ、剥がれてしまっていたのです。

このような症状は、NIKEのハイエンドモデルや限定モデルによく見られます。
コービーシリーズをはじめ、ジョーダン、レブロンなどの高機能系バッシュでは、軽量化を優先するため、接着面が薄く設計されていることが多く、時間の経過とともに接着剤の寿命が露呈するケースが少なくありません。


■ 分解と下処理 ― ソールの再接着準備

修理にあたっては、まず剥がれたソールを一旦すべて分解します。
表面的にボンドを塗り足しても密着しないため、旧接着剤をしっかりと除去することが重要です。

ソール側とアッパー側の双方に残っている古いボンドを、専用の剥離剤とワイヤーブラシで丁寧に落としていきます。
ここで手を抜くと、再接着後の持ちが格段に悪くなります。

下処理が終わったら、改めて接着面を研磨。
細かな凹凸をつけることで新しいボンドがしっかりと定着するようにします。


■ ボンド接着 ― 圧着と乾燥時間の管理

接着には、靴修理用の高強度ウレタン系ボンドを使用します。
塗布後、一定時間「オープンタイム」と呼ばれる乾燥時間を取ってから圧着するのがポイント。
湿度や温度によって時間を微調整しながら、最適な圧着状態を作ります。

今回は、ソール全体の接着範囲が広いため、部分ごとに段階的に圧着。
かかと、土踏まず、つま先へと順に合わせていき、ズレや浮きを防ぎながら慎重に貼り合わせていきます。

圧着後は専用のプレス機でしっかり固定し、24時間以上乾燥。
この工程でしっかり密着させることで、強度が格段に上がります。


■ オパンケ縫い ― 接着+縫製による補強

接着だけでも一応履ける状態にはなりますが、バスケットシューズは着地衝撃や横方向の負荷が非常に大きく、
単なるボンド接着だけでは再び剥がれるリスクがあります。

そこで今回は、**オパンケ縫い(Opanke stitch)**を施して補強しました。

◎ オパンケ縫いとは

靴底の側面からアッパーを貫通させて縫い上げる技法で、
見た目にはソールのフチをぐるりと囲むようにステッチが入るのが特徴です。
ヨーロッパのハンドメイドシューズやブーツなどでも採用される構造で、
接着だけでなく縫製によってソールを“物理的に固定”するため、
剥がれ防止の効果が非常に高い方法です。


■ 黒いソールに合わせた黒糸の選択

今回のKobe 9 Eliteは、全体がブラックを基調としたクールなデザインでした。
そのため、縫い糸も黒色のワックスコードを選択。
糸色をアッパーに馴染ませることで、補修跡をできるだけ目立たなくしています。

この黒糸は、摩擦に強く伸縮性もある特殊なナイロン糸で、
スポーツシューズのように屈曲の多い靴にも適しています。
縫い目のピッチ(間隔)はやや細かめに設定し、
縫製後の屈曲性を確保しながら強度を保ちました。


■ ミシン作業と仕上げ

オパンケ縫いには、専用の横縫い用ミシンを使用します。
このミシンは通常の靴用ミシンとは構造が異なり、靴の立体的な形状に沿って針を側面に差し込むことができます。

つま先からかかとまで、均一なテンションで縫い上げていきます。
Kobe 9はアッパーのカーボンヒールカウンター部が硬く、
縫い針が通りにくい箇所もありますが、位置を調整しながら慎重に縫製。

最後に縫い終わりの糸をしっかり熱処理して固定し、
縫い目を整えてから全体をクリーニング。
仕上げにソールエッジを軽く磨いて、自然な艶を出しました。


■ コービーシリーズ特有の注意点

Kobeシリーズは、ミッドソール内に「ルナロン」や「フライニット」など、
軽量で柔軟な素材が多く使われています。
これらは衝撃吸収性に優れる反面、加水分解や接着面の劣化を起こしやすい素材でもあります。

また、接着面がカーブしているため、単純な再接着では隙間ができやすく、
縫製による補強が特に有効です。
今回のようにオパンケ縫いを組み合わせることで、
耐久性・安定感の両面で長持ちする仕上がりとなりました。


■ 修理後の状態と再び履ける喜び

修理後のKobe 9 Eliteは、ソールの密着も良好で、縫い目も美しく仕上がりました。
アッパーのラインを壊さず、全体のデザインバランスを維持しながら補強ができています。

黒いソールと黒糸の相性も良く、
見た目には修理跡がほとんど分からないほど自然な仕上がり。

K様にも「また安心してプレーできそうです」と喜びの声をいただきました。


■ 長く履くためのポイント

今回のような接着剥がれは、湿気の多い場所で保管したり、
長期間未使用のままだったりする場合に起こりやすいトラブルです。

特にウレタン系ボンドは湿気に弱く、
日本のような多湿環境では数年で劣化が進むこともあります。

以下のようなポイントを意識していただくと、より長持ちします。

  • 使用後は風通しの良い場所でしっかり乾燥させる

  • 長期間保管時はシューズボックスに除湿剤を入れる

  • 年に一度はソール周辺の浮き・隙間をチェックする

  • 小さな剥がれでも早めに補修に出す


■ まとめ

今回の修理内容:

  • ソール全体の分解・下処理

  • 高強度ウレタン系ボンドによる再接着

  • オパンケ縫いによる側面補強(黒糸)

NIKE Kobe 9 Eliteは、軽さとフィット感を極めた名作ですが、
その繊細な構造ゆえに修理も慎重な技術が求められます。
接着と縫製を組み合わせた今回の方法で、
再び安心して履ける一足に仕上がりました。

これでまた、K様にもバスケットやタウンユースで
存分に楽しんでいただけると思います。


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千葉県A様 Paraboot(パラブーツ)紳士革靴 履き口破れ修理事例

~愛犬とのハプニングが生んだ、世界に一つだけの靴~

靴修理の現場には、日常のトラブルからちょっと珍しい事件まで、さまざまなケースが舞い込んできます。長年履き込んだ靴のソールが摩耗した、雨で革がふやけてしまった――そんな話はよくありますが、今回の修理依頼は少し変わっていました。

千葉県にお住まいのA様から届いたのは、フランスの老舗ブランド Paraboot(パラブーツ) の紳士革靴。しっかりとした作りで、アウトドアやビジネスシーンでも活躍する一足です。しかし、問題はその履き口部分。A様曰く、「愛犬にガブリとやられてしまった」 とのこと。

犬に噛まれた革靴――なんともユーモラスで、思わず笑ってしまいそうな話ですが、靴好きにとっては一大事です。革が裂け、噛み跡も深く残ってしまったため、通常の縫い合わせだけでは修理が難しい状態でした。


Parabootとは?人気の理由と修理が必要になるケース

Parabootはフランス発祥の高級靴ブランドで、天然皮革を使用した丈夫な作りが特徴です。代表的なモデル「シャンボード」や「ミカエル」は、ドレスにもカジュアルにも合わせやすく、履き心地の良さも評価されています。

しかしどれだけ高級でも、外的な力には勝てません。長年の摩擦やうっかりの水濡れ、そして今回のようにペットによる突発的な破れなど、靴は予期せぬダメージを受けることがあります。

特に履き口の破れは、靴を脱ぎ履きするたびに負荷がかかるため、そのまま放置すると裂け目が広がる可能性があります。A様のケースも、まさにその典型でした。


犬に噛まれた靴の修理は可能?

結論から言えば、修理可能です。ただし、破れの範囲や革の状態によって方法が変わります。

  • 小さな傷や裂け → 縫い合わせで対応可能

  • 広範囲の破れ → 革を当てて補強する必要あり

A様の靴は片足の履き口が広範囲に損傷していたため、単純な縫い合わせだけでは再び裂けてしまう恐れがあります。そこで選んだのが チャールズパッチ風の修理 です。


チャールズパッチ風修理とは?

チャールズパッチは、英国の伝統的な靴修理技法で、穴や裂けた部分に新しい革を当てる方法です。単なる補修にとどまらず、装飾として楽しむこともできます。

今回の修理では、破れた部分を広めに覆うことで強度を確保するとともに、デザインとして自然に見えるよう仕上げました。

つまり、破れを「隠す」だけでなく、靴に新しい表情を与える修理です。


革の色合わせと染色の工夫

補修用の革を選ぶ際、同じ色・質感のものを見つけるのは非常に難しいです。靴の革は一枚ごとに微妙に表情が違い、同じモデルでも個体差があります。

そこで、少し色味の異なる革をあえて当て、修理後に茶色の染料で全体に馴染ませました。結果として、光の加減では差がわかるものの、履いてしまえば違和感はほとんどありません。

片足のみの補修ですが、これもまた世界に一つだけの靴として、個性的な仕上がりになりました。


修理工程のポイント

  1. 下処理
    破れ部分の革を整え、裂けが広がらないよう軽くステッチで補強。

  2. 革の裁断・成形
    チャールズパッチ風に広めの革を裁断。破れ部分をしっかり覆うサイズに調整。

  3. 縫製
    曲線の多い履き口には 八方ミシン を使用。強度を確保しつつ縫い目も美しく。

  4. 染色仕上げ
    補修した革を茶色で染め、全体に馴染ませることで自然な仕上がりに。


修理後の仕上がり

修理後のA様のParabootは、破れや噛み跡をすっかりカバー。履き心地も損なわず、再び安心して履ける状態になりました。

片足だけ少し表情が違うものの、チャールズパッチ風のアクセントとして個性を楽しむこともできます。


Q&A:読者の疑問に答えます

Q1. 犬に噛まれた革靴は本当に直せる?
A1. はい、破れの範囲や革の状態によって、縫い合わせやチャールズパッチ風補修で対応可能です。

Q2. Parabootの部分修理は可能?
A2. はい、履き口、かかと、ソールなど、パーツごとの修理が可能です。

Q3. 色味が合わない場合はどうなる?
A3. 完全一致は難しいですが、染色やデザイン的な工夫で自然に見せることができます。

Q4. 修理費用と納期は?
A4. 破れの範囲や靴の種類により異なりますが、片足の履き口修理の場合は数日〜1週間程度が目安です。


まとめ

  • 犯人は愛犬!?片足の履き口が破れたParaboot

  • 修理はチャールズパッチ風に広めの革を当てて補強

  • 色味は染色で調整、世界に一つの靴として再生

  • 八方ミシンで曲線部分も美しく縫製

  • 修理後は履き心地も強度も安心

突発的な破れやペットによる損傷も、適切な修理で長く履けるようになります。A様のParabootは、これからも愛犬との日常に寄り添う特別な一足となりました。


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NIKE コービー 11 バスケットボールシューズの蘇生:青森県 N様からの修理依頼

NIKE コービー 11 バスケットボールシューズの蘇生:青森県 N様からの修理依頼

日本のスニーカー修理業界において、一足のスニーカーがたどるストーリーは様々です。思い出が詰まった一足、パフォーマンスを支え続けた一足。今回は、青森県にお住まいのN様からお預かりした、**NIKE コービー 11(Kobe 11)**バスケットボールシューズの修理レポートをお届けします。

バスケットボール界の伝説、コービー・ブライアントの名を冠したこのシューズは、2016年にリリースされて以来、多くのバスケットボールプレーヤーに愛用されてきました。その軽量性、優れたトラクション、そしてミニマルながらも洗練されたデザインは、今もなお色褪せることがありません。しかし、どんなに優れたシューズも、時間の経過と共に劣化は避けられません。特に、激しいプレーに耐え抜いてきたバスケットボールシューズは、アッパーとソールの接着部分に大きな負荷がかかります。

今回ご依頼いただいたコービー 11も、長年の使用によりソールが剥がれ始めていました。N様にとって、このシューズは単なる道具ではなく、特別な存在であることが文面からも伝わってきます。私たちは、この大切な一足を再びコートで輝かせるべく、全力で修理に取り組むことをお約束しました。


修理前の診断:剥がれの根本原因を探る

お預かりしたコービー 11を最初に見たとき、私たちはまずその状態を詳細に診断しました。症状は、半透明なアウトソールとミッドソールの接着部分の剥がれです。この剥がれは、特にシューズのつま先からサイドにかけて顕著でした。

なぜこのような剥がれが起こるのでしょうか?その原因は、主に以下の2つが考えられます。

1. ボンド(接着剤)の経年劣化 スニーカーの製造には、多くの場合、化学的な接着剤が使われています。これらの接着剤は、時間の経過とともに硬化し、弾力性を失います。特に、バスケットボールのように急激なストップ&ゴーや、ねじれの動きが多いスポーツでは、接着部分に繰り返し力が加わるため、劣化が加速します。今回使用されていた接着剤も、すでに本来の粘着力を失っている状態でした。

2. アウトソール素材の特性 コービー 11の大きな特徴の一つである、半透明なアウトソール。これは、優れたトラクションを生み出す一方で、接着面としては扱いが難しい素材でもあります。このような特殊な素材は、一般的なゴム素材に比べて、接着剤との相性がシビアになることがあります。新品の時点では強固に接着されていても、使用や経年により、接着剤が素材から「浮く」ような形で剥がれてしまうことがあるのです。

これらの原因を踏まえ、私たちは単純に剥がれた部分を接着するだけでは、根本的な解決にならないと判断しました。再接着するだけでなく、今後の耐久性を高めるための補強が不可欠です。


修理プロセス:再接着と「オパンケ縫い」による補強

ここからが、今回の修理の核心です。私たちは、単なる「貼り直し」ではない、根本的な修理プランを立てました。

ステップ1:分解とクリーニング

まず、剥がれかかっているアウトソールを、シューズから完全に分解します。この作業は非常に繊細で、慎重に行う必要があります。無理な力を加えると、シューズ本体やアウトソールを損傷させてしまう可能性があるからです。剥がれた部分を広げ、古い接着剤の残骸を丁寧に取り除いていきます。

このクリーニング作業は、再接着の成功を左右する最も重要な工程の一つです。古い接着剤や、プレー中に付着した汚れ、埃などが残っていると、新しい接着剤の性能が十分に発揮されません。専用の溶剤やブラシを用いて、接着面を完全にきれいにし、新しい接着剤が最大限に密着できる状態に整えます。

ステップ2:再接着(ボンド接着)

クリーニングが完了したら、いよいよ再接着です。今回のコービー 11には、素材の特性を考慮し、最も適した専用のボンドを選定しました。このボンドは、柔軟性と接着強度を兼ね備えており、バスケットボールの激しい動きにも耐えられるよう設計されています。

ボンドをアッパーとアウトソールの両方の接着面に均一に塗布し、所定の時間乾燥させます。その後、正確な位置にアウトソールを配置し、強力なプレス機で圧着します。この際、わずかなズレも許されません。シューズ全体のバランスを崩さず、元の形状を忠実に再現するように慎重に作業を進めます。


ステップ3:「オパンケ縫い」による最終補強

再接着だけでも、一時的な強度は回復します。しかし、私たちはこのシューズが再びハードなプレーに耐えられるように、さらなる補強を施すことにしました。それが、**「オパンケ縫い(Opanque Stitch)」**です。

オパンケ縫いとは?

オパンケ縫いは、シューズの側面からソールにかけて、アッパーとソールを直接縫い付ける伝統的な製法です。これは、単に接着剤で貼り付けるだけでなく、物理的に縫い合わせることで、圧倒的な強度を生み出します。靴底が完全に剥がれることを防ぎ、シューズ全体の耐久性を飛躍的に向上させます。

この手法は、特に負荷がかかりやすいバスケットボールシューズや、登山靴など、タフな使用に耐える必要があるシューズの修理に非常に有効です。

なぜオパンケ縫いを選んだのか?

私たちは、今回のコービー 11にオパンケ縫いを施すことを決断しました。その理由は、以下の通りです。

  1. 激しいプレーへの対応:バスケットボールのプレー中、シューズには常にねじれ、屈曲、そして急激なストップ&ゴーによる衝撃が加わります。接着剤のみでは、いつか再び剥がれてしまうリスクが残ります。オパンケ縫いは、この剥がれを根本から防ぎます。
  2. デザインとの両立:コービー 11のデザイン性を損なわないよう、縫い目のピッチ(間隔)や糸の色を慎重に選びました。目立ちすぎず、それでいて補強効果を最大限に引き出す、まさに「職人の技」が求められる作業です。
  3. N様への安心提供:N様がこのシューズを再び安心して着用できるよう、最大限の耐久性を追求しました。この一足で、再びベストなパフォーマンスを発揮してほしいという私たちの願いが込められています。

底面を縫わなかった理由

ここで一点、専門的な補足説明をさせていただきます。オパンケ縫いは、シューズの側面(サイド)を縫い付ける手法です。しかし、靴底の接地部分まで縫い付ける「マッケイ縫い」や「ブラックラピッド製法」といった手法もあります。

今回、私たちは意図的に底面を縫いませんでした。その理由は、コービー 11のアウトソールの素材の特性にあります。半透明で特殊な素材は、非常に強力な接着剤との相性が良好でした。また、底面に縫い目を施すと、プレー中に縫い目が擦り切れたり、トラクション(グリップ力)が損なわれるリスクがあります。

このシューズのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、接着強度が出ている部分をあえて縫い付けず、最も負荷がかかる側面にオパンケ縫いを施すことが、最善の選択だと判断したのです。


完成、そして新たな旅立ちへ

すべての修理工程が完了し、最終チェックを終えたコービー 11は、見違えるように生まれ変わりました。剥がれていたソールは強固に再接着され、その側面には職人技が光る丁寧な縫い目が施されています。

この修理は、単にシューズを直しただけではありません。それは、N様のバスケットボールへの情熱、そしてこのシューズに対する深い愛着に応えるための挑戦でした。

「プレーで良いパフォーマンスが発揮できますように。」

この言葉には、修理を終えた私たちが、シューズに込めた願いが凝縮されています。青森県にお住まいのN様へ、この一足が再びコートで素晴らしいパフォーマンスを支え、新たな思い出を刻んでくれることを心から願っています。

いずみ靴店が目指すもの

私たちいずみ靴店は、倉敷市玉島で、日々、お客様の大切な一足と向き合っています。今回のNIKE コービー 11の修理は、ただの作業ではありませんでした。それは、お客様の思いを形にし、シューズに新たな命を吹き込むプロセスです。

靴の修理は、単なる技術職ではありません。お客様のライフスタイル、思い出、そして未来に寄り添う仕事です。これからも、一足一足に込められたストーリーを大切にし、最高の技術と心でお応えしていきます。

靴底の剥がれ、破れ、サイズ調整など、どんなお悩みでもお気軽にご相談ください。全国各地からのご依頼も承っております。お困りのことがあれば、ぜひ私たちにご連絡ください。あなたの「大切な一足」を、私たちが責任を持って蘇らせます。

大阪府 K様/FootJoy MyJoys ゴルフシューズ|加水分解したソールをスパイクレス化オールソール修理

【修理事例紹介】大阪府 K様/FootJoy MyJoys ゴルフシューズ|加水分解したソールをスパイクレス化オールソール修理

今回は、大阪府にお住まいのK様からご依頼いただいた「FootJoy(フットジョイ)」のカスタムオーダーモデル MyJoys(マイジョイズ) の修理事例をご紹介します。

MyJoysは、FootJoyのフラッグシップモデル「ICON(アイコン)」をベースに、アッパー素材やカラー、ステッチ、ネーム刻印などを自由にオーダーできるシリーズで、所有者の個性を反映した“世界に一足だけ”のゴルフシューズを作れるのが魅力です。

今回ご依頼いただいたK様のMyJoysも、他にはない配色と素材感を備えた、まさに無二の一足。しかし、経年使用によりソールが深刻なダメージを受けていました。


■ご依頼内容:「愛用の靴をこれからも使いたい」

K様からのご相談内容は以下の通りです。

「長年愛用してきたMyJoysのソールが割れてしまい、スパイクも脱落してしまった。この靴でこれからもゴルフを楽しみたいので、修理して使えるようにしてほしい」

現物を確認したところ、ソールの素材が経年劣化により加水分解を起こし、ひび割れや剥離が多数見られました。また、ソールに埋め込まれていたスパイク固定用のメスネジ部分が複数脱落しており、スパイクの保持機能が失われていました。

純正ソールのままでは修理や交換が困難であり、仮に同等部材を取り寄せられたとしても再び加水分解するリスクが残ります。そこで今回は、「スパイクレス化」+「オールソール交換」 という方法で、靴を新たな形に生まれ変わらせることにしました。


■修理の方針:スパイクレス化による軽量化と実用性向上

今回の修理では、単にソールを交換するのではなく、ゴルフ場内外で使える汎用性の高いスパイクレス仕様 にすることを提案しました。

スパイクレス化には以下のメリットがあります。

  • 芝を傷めにくく、練習場やクラブハウス内でも気兼ねなく歩ける

  • ソールの凹凸が浅めで、街履きとしても利用可能

  • スパイク交換の手間やコストが不要

  • 軽量化により足の負担が軽減

特に今回使用する Vibram 419C ソールは、柔軟性と耐摩耗性を兼ね備え、濡れた芝やカート道路でも安定したグリップ力を発揮するスパイクレス用ラバーソールです。


■作業工程の詳細

1. 旧ソールの除去

まずは、加水分解で崩れた純正ソールをすべて取り外します。FootJoy ICONベースのMyJoysは、アッパーとソールの接着面積が広く、さらにスパイク用金具や中底構造が特殊なため、剥がし作業は慎重に進めます。

剥がす際、加水分解した素材は粉状になって靴内部や縫い糸に入り込んでいるため、これらも徹底的に除去し、新しいソール接着のための下地を整えます。


2. ミッドソールの製作とマッケイ縫い

純正ソールを除去すると、中底はフラットで硬い構造が残ります。このままではクッション性が失われるため、新たに EVAスポンジ製のミッドソール を製作します。

EVAスポンジは軽量でありながら適度な弾力を持ち、歩行時の衝撃を和らげる優れた素材です。切り出したEVAミッドソールを靴底に合わせて成形し、マッケイ縫い によりアッパーへ直接縫い付けます。この縫製工程は、接着だけでは得られない一体感と耐久性を確保する重要な工程です。


3. ヒールパーツの追加

ミッドソールだけでは踵の高さが不足するため、同じくEVAスポンジ素材を使用してヒール部分を積み上げます。これにより、歩行姿勢やスイング時のバランスを崩さないよう調整し、オリジナルに近い履き心地を再現します。


4. Vibram419Cスパイクレスソールの装着

Vibram 419C は、ゴルフやアウトドアに適した耐摩耗性ラバーを使用しており、パターンは浅めながらもグリップ性能が高く、芝や舗装路どちらにも対応できます。

ミッドソールとヒールの上にVibram419Cを丁寧に接着し、圧着機で密着させます。その後、ソール周囲をトリミングし、エッジ部を自然に仕上げて全体の一体感を高めます。


■仕上がりと見た目の変化

完成したMyJoysは、オリジナルのスパイク付きソールから一新され、より軽量でフラットなスパイクレス仕様へと生まれ変わりました。

高級感は純正のスパイクソールに比べやや控えめになりますが、シンプルで実用的な見た目は、むしろ現代的なゴルフシューズらしい印象です。

  • 軽量化効果:長時間歩いても疲れにくい

  • グリップ性能:濡れた芝や舗装路でも安定感がある

  • メンテナンス性:スパイク交換不要でランニングコスト削減


■お客様の声

修理後、K様からは次のようなお言葉をいただきました。

「以前より軽くなって、歩くのが楽になりました。芝でも滑らず、練習場からラウンドまで安心して使えます。大事な一足なので、これからも長く履きたいです」


■まとめ|カスタムシューズも修理で長寿命化

MyJoysのようなカスタムオーダーシューズは、世界に一足しかない特別な存在です。ソールが劣化しても、アッパーが健在であれば今回のように再生可能です。

特にゴルフシューズは、雨や湿気、芝の露など厳しい環境で使用されるため、ソールの劣化が早い傾向があります。しかし、スパイクレス化や素材変更などのリペアを施すことで、機能面・デザイン面の両方をアップデートしながら寿命を延ばすことができます。


いずみ靴店
所在地:岡山県倉敷市
全国対応・郵送修理可能

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栃木県 O様 Clarks クラークス デザートカーン オールソール修理 出し縫い 本革中底 Vibram528K

栃木県のO様よりご依頼いただいたClarksのデザートカーンのオールソール修理を行いました。

このモデルはデザートブーツに似たデザインで、オリジナリティあふれるクラシックな趣があります。

今回の修理では、分解したソールの代替として本革の中底を使用しました。もともとのフェルト素材は経年劣化のリスクがあるため、

耐久性を考慮して本革に交換することを標準仕様としています。

中底の取り付けには出し縫いを用いたステッチダウン製法を採用し、頑丈さを確保しました。また、お客様のご希望により、

靴底はVibram528K黒を使用しました。これはVibram1136のデザインを基にしたスポンジ系素材で、耐久性とデザイン性の両立が図られています。仕上がりにご満足いただけることを願っております。ぜひ、リフレッシュしたデザートカーンで快適な歩行をお楽しみください。

広島県 K様 南海 ナンカイ バイクブーツ靴底交換 Vibram430 マッケイ縫い ライダースブーツ 

広島県のK様、南海のバイクブーツの靴底交換についてご相談いただきありがとうございます。

このブーツはご愛用いただいているとのことで、かなり年数を経て靴底がすり減っていたようですね。合成ゴムの底材にはいくつか選択肢がありますが、バイクに適したVibram430を提案させていただきました。

Vibram430の底材は、滑り止め効果もありつつデザインが派手すぎないため、バイク用として理想的です。

本来はボンドで接着されていますが、今回は耐久性を考慮してマッケイ縫いでしっかりと底を縫い付けました。

ヒール部分についても調整が可能です。特にステップ位置によってチェンジが難しいと感じられる場合は、ヒールを深く削ることで改善が見込めます。

ぜひ一度ご相談ください。K様にとって快適なバイクライフのお手伝いをさせていただければ幸いです。

岐阜県 K様 ブランドストーン サイドゴアブーツ オールソール交換修理 加水分解 EVAスポンジ マッケイ縫い Vibram528K

岐阜県にお住まいのK様からお預かりしたのは、ブランドストーンのサイドゴアブーツです。

このブーツは、長年の使用によってソールに亀裂が生じており、交換修理が必要となっていました。

特に、塩ビ系のソールが加水分解によって劣化しており、そのままでは履き心地にも影響が出てしまいます。

K様のご要望としては、軽量なソールへの交換がありました。

そこで、私たちはEVAスポンジのミッドソールを採用し、さらにスポンジ系素材のVibram528Kを合わせることにしました。

この組み合わせにより、耐久性には多少の妥協があるものの、通常の合成ゴムソールであるVibram1136に比べ、格段に軽量で動きやすいブーツへと生まれ変わります。

この修理により、K様のブーツはそのままのスタイルを保ちながら、新たな快適性を提供できるようになりました。また、修理後のブーツは機能性が高まっているため、日常の様々なシーンで活躍することでしょう。

岡山市 S様 REGAL Standard リーガル スタンダード デッキシューズ オールソール交換修理 EVAスポンジ マッケイ縫い Vibram2303

岡山市のS様よりお預かりしました、リーガルのスタンダードデッキシューズをオールソール交換修理いたしました。

長年のご使用で縫い付けが切れるほど履き込まれていたシューズですが、しっかりと修理させていただきました。

元々のソールと同じデザインのものは入手困難でしたため、EVAスポンジのミッドソールをマッケイ縫いで取り付け、Vibram2303で仕上げる形状を選択しました。

 

この選択により、少し厚みが出てゴツい印象になったかもしれませんが、クッション性は格段に向上し、履き心地も良くなったかと存じます。

このように、お気に入りのシューズを再び快適に履いていただけるよう、丁寧な修理を心がけております。S様にも再度長くご愛用いただけることを祈っております。

京都府 H様 クロケットアンドジョーンズ サイドゴアブーツ ヒールカウンター交換とサイドゴアゴム交換 八方ミシン

京都府にお住まいのH様よりご依頼いただいた、Crockett & Jonesのサイドゴアブーツの修理を行いました。

このブーツは非常に上質な製品で、古くから多くの方に愛用されていますが、使用頻度が高いとやはり消耗が進んでしまいます。

今回の修理では、まずヒールの内張りが破れていたため、新しい本革のヒールカウンターを用いて交換を行いました。この部分は足元の安定感を高め、長時間履いていても快適さを保つ重要な役割を果たしています。

さらに、サイドゴア部分のゴムが柔らかく伸び切っていたため、4箇所すべてを新しいものに交換いたしました。

この作業により、ブーツ全体が引き締まり、履き心地が著しく向上しました。

新たに修理されたブーツが、また長くH様の足元を支えてくれることを願っています。これからもお客様に信頼される高品質な修理サービスを提供して参ります。

愛媛県 K様 キクチタケオ 紳士ブーツ ファスナー交換 YKK 八方ミシン

愛媛県のK様、この度はキクチタケオブランドの紳士ブーツを修理させていただき、誠にありがとうございました。

お客様のブーツにおいて、ファスナーを完全に閉めても下から自然に開いてしまうという症状がありました。長年ご愛用いただく中で、ファスナーの部品に劣化が見られる場合、このような症状が発生することは珍しくありません。

弊社では、装飾品やブランドの雰囲気を損なわないように、元のデザインに最大限配慮しながら新しいファスナーへの交換を行いました。

このようなメンテナンスを受けて、ブーツの快適な着用感が復元され、また長くご愛用いただけるようになりました。今後もお気に入りのアイテムとして末永くご使用いただければ幸いです。

他にもお困りのことがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。心よりお待ちしております。

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