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倉敷市 O様 BUTTERO 婦人ブーツ ハーフソールラバーとかかとゴム交換修理

倉敷市 O様 BUTTERO 婦人ブーツ ハーフソールラバーとかかとゴム交換修理

今回ご紹介するのは、倉敷市にお住まいのO様からお預かりした「BUTTERO(ブッテロ)」の婦人ブーツです。
一見するとぺったんこ靴のような印象を受けるシルエットですが、実際にはしっかりとヒールが備えられたハイヒールタイプ。
しかもそのヒールが靴本体の革で美しく包まれており、全体が一体化したようなデザインになっています。
ブッテロらしい、無骨さとエレガンスが共存した非常に粋な一足です。

■ブランド「BUTTERO(ブッテロ)」について

まず簡単にブランドの背景を触れておきましょう。
BUTTEROは1974年にイタリア・トスカーナ地方で創業されたシューズブランドで、その名はイタリア語で「カウボーイ」を意味します。
創業当初は乗馬ブーツの製造からスタートし、現在ではレザースニーカーやブーツなど、クラシックな雰囲気の中に洗練された都会的デザインを融合させた靴作りで知られています。

同ブランドの靴は、素材選定から縫製に至るまで非常に丁寧で、トスカーナ産のベジタブルタンニンレザーを使用することでも有名です。
一方で、構造的にはかなり複雑で、特にソール部分には見た目以上に繊細なバランスが求められます。
今回の婦人ブーツもまさにその典型。見た目はフラットな印象ですが、内部にはヒールの高さを確保するための独自の設計が施されていました。

■修理前の状態

O様からのご相談は「靴底が少しひび割れてきたような気がする」とのことでした。
お持ちいただいた靴を確認すると、ハーフソールラバー(前底部分のゴム)が経年劣化を起こし、表面に亀裂が入り始めていました。
見た目こそそれほど損傷していませんが、指で押すとパリッと割れるような硬化状態。

この素材は塩化ビニル系、いわゆる塩ビ素材であることが多く、特にイタリア製の一部モデルでは滑りにくく軽量な反面、経年で加水分解を起こしやすい特徴があります。
靴底の柔軟性が失われると、歩行中のグリップ性能が低下し、ヒール部分にかかる負担が増大するため、早めの交換が望ましい状態でした。

ヒール側も確認すると、トップリフト(かかとゴム)がかなり摩耗しており、特に外側が斜めに削れています。
ヒールの芯材はしっかりしており交換不要でしたが、滑り止めとしての役割を担うゴムが限界に達していました。

■修理方針と素材選定

今回の修理では次の2点を中心に行いました。

  1. ハーフソールラバーの交換(前底部)

  2. ヒールゴム(トップリフト)の交換

まずハーフソールラバーですが、純正品は塩ビ系素材で同じものはすでに廃盤。
代替として当店では耐摩耗性と柔軟性に優れた合成ゴム製ラバーを選定しました。
合成ゴムは加水分解の心配がなく、長期間にわたり安定したグリップ性能を発揮します。

また、厚み・硬度ともにオリジナルと近いバランスに調整し、装着後の違和感が出ないように仕上げました。
色味もブッテロ特有の革の深いブラウンに馴染むよう、マットな質感のダークブラウンラバーを採用。
靴の印象を壊さず、むしろ落ち着いた高級感を引き立てる仕上がりになります。

次にヒールゴム。
ブッテロのヒールは非常に特徴的で、革巻きヒールの上に専用設計の小ぶりなゴムが取り付けられています。
しかもそのゴムには独特のトレッドパターン(滑り止め模様)が刻まれており、市販のヒールゴムではまず見つかりません。

このため、今回はフランスのTOPY社製「クロコソールシート」を加工して使用しました。
TOPY社は世界的に評価の高いゴムソールメーカーで、特に滑り止め性能と耐久性に優れています。
クロコソールはその名の通り、表面に細かなクロコ調のパターンが施されており、エレガントさと機能性を両立した素材です。

既製サイズをそのまま貼るのではなく、オリジナルの形状に合わせてひとつひとつ手作業でカット。
厚みの微調整を行い、ヒールのカーブにぴったりと沿うように成形しました。
こうした手作業の精度が見た目の自然さと歩行時の安定感を左右します。

■修理工程の詳細

  1. 旧ソールの除去


  2.  ハーフソールラバーを熱で柔らかくして丁寧に剥がします。
     古い塩ビ素材は硬化しているため、無理に剥がすと本体レザーを傷つけかねません。
     この工程では温度管理が非常に重要です。

  3. 下地処理


  4.  接着面に残った古いボンドを完全に除去し、サンドペーパーで均一に整えます。
     表面が滑らかすぎるとボンドが密着しないため、あえて細かな凹凸を残しておくのがポイント。

  5. 新ハーフソールの貼り込み


  6.  専用接着剤を両面に塗布し、適切な乾燥時間を取った後に圧着。
     プレス機で均等に圧をかけ、気泡が入らないようにします。
     その後、エッジ部分を削り出して、靴本体との境目を自然にぼかします。

  7. ヒールゴムの交換


  8.  古いトップリフトを除去し、ヒール面を水平に整えます。
     カット済みのTOPYクロコソールを貼り付け、エッジを丸く整形。
     最後にヒール全体を軽く磨いて艶を出します。

  9. 最終仕上げ
     靴全体をブラッシングし、革表面に保湿クリームを塗布。
     仕上げに防水スプレーを施し、秋冬の街歩きにも安心して履ける状態に。

■修理後の仕上がり

修理後のブーツは、見た目こそほとんど変わらないものの、触れた瞬間に足元の安定感がまるで違います。
加水分解していた塩ビ素材特有の「硬さ」や「滑り」は一切なく、しなやかな弾力とグリップ力が戻りました。

ヒール部分のTOPYクロコソールも自然に溶け込み、オリジナルよりもむしろ上品に見えるほど。
滑り止め効果が高いため、冬場の石畳やタイル床でも安心です。

O様にもお渡しの際に「まるで新品みたい」「履き心地がしっとりしてる」と喜んでいただけました。

■職人としての考察

ブッテロのような革巻きヒールデザインは、外観を損なわずに修理する難易度が高い部類に入ります。
特に婦人靴の場合、ヒールの厚みや角度が微妙に変わるだけで歩行感が大きく変化するため、ミリ単位の調整が求められます。

また、イタリア靴の多くに使われる塩ビ素材は、軽量でコスト面に優れるものの、湿度の高い日本ではどうしても劣化が早くなりがちです。
そのため、今回のように合成ゴム素材へ交換することで、寿命を大幅に延ばすことができます。

靴修理というと「壊れたものを直す」という印象が強いですが、実際は「より快適に、より長く履けるように改善する」という要素が大きいのです。
今回の修理も、まさにその代表例と言えるでしょう。

■最後に

お気に入りの靴は、見た目のデザインだけでなく、その靴を履いたときの“気分”までも思い出と共に残ります。
BUTTEROのブーツは長く履くほどに革が馴染み、色艶が深まり、唯一無二の表情を見せてくれます。

その靴をこれからも長く楽しんでいただけるよう、いずみ靴店では素材の特性を踏まえた修理提案を心がけています。
今回の修理で、O様にもこの冬、安心しておしゃれを楽しんでいただけるはずです。


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沖縄県 S様 Melissa パンプス ベルトバックル式から美錠ホック式への改造修理

沖縄県 S様 Melissa パンプス ベルトバックル式から美錠ホック式への改造修理

今回ご紹介するのは、沖縄県にお住まいのS様からご依頼いただいた「Melissa(メリッサ)」のローヒールパンプスに関する修理・改造事例です。
メリッサといえば、ブラジル発祥の個性的なデザインとPVC(塩化ビニール系樹脂)を用いた素材使いで知られるブランドで、独特の柔らかい質感やカラフルな発色、さらにはほんのり香る独特の香りまでが特徴的です。日本国内でもファッション感度の高い方々を中心に人気を集めています。

今回お預かりしたパンプスは、足首周りを3本の細めのベルトで包み込むようなデザインが特徴のローヒールタイプ。ベルトはそれぞれ小さなバックルによって固定する仕様で、両足合わせると6箇所を毎回取り付け・取り外ししなければならないという、なかなかに大変な仕様でした。見た目のアクセントとしては非常に魅力的ですが、実際に日常的に履くとなると「脱ぎ履きのたびに時間がかかってしまう」という問題点が浮かび上がってきます。

■ ご依頼の背景

S様からは、「デザイン自体はとても気に入っていて履きたいが、毎回6つもバックルを操作するのは現実的ではない。もっとスムーズに履けるようにしたい」とのご相談をいただきました。確かに、仕事や外出で急いでいるときに片足3本ずつのバックルを操作するのは煩わしく、次第に履かなくなってしまう方も多いと思われます。

そこで今回ご提案したのが、ベルトバックルを活かしながら「美錠ホック式」に改造する方法です。ホックに改造することで、見た目のデザインを大きく崩さずに、ワンタッチで着脱できるようになります。ベルトの雰囲気を損なわずに実用性を高められる点が、この加工の大きなメリットです。

■ 修理・改造の工程

1. 既存のバックルの取り外し

まず最初に行うのは、靴本体にしっかりとカシメ固定されているバックルの取り外しです。メリッサの靴は素材がPVC樹脂であるため、革靴に比べて加工時に熱や摩擦で傷みやすい性質があります。そのため、工具を使う際には表面を傷つけないように細心の注意を払いながら作業を進めます。

カシメ部分を一つひとつ丁寧に外し、バックルを分解。靴本体から切り離された時点で、バックル単体の金具部品となります。

これでホックを組み込む準備が整いました。

2. 美錠ホック用の金具取り付け

次に、外したバックルに「美錠ホック」のメス側を取り付けます。美錠ホックとは、通常のホックと同じように「オス」と「メス」が噛み合うことで固定される仕組みの金具で、バックルのデザインを活かしつつスナップボタンのような感覚で着脱できるのが特徴です。

ベルトのデザイン性はそのままに、バックル部分がホック式に変わることで操作性が飛躍的に向上します。装着時はベルトを通してバックルの形を見せかけつつ、実際の着脱はホックで瞬時に行える仕組みです。

3. 靴本体へのホック取り付け

バックル側の加工が終わったら、次は靴本体です。従来バックルがカシメで留められていた穴に、ホックのオス側を取り付けていきます。ベルトが3本とも均等に配置されるよう、位置を微調整しながら作業を進めます。

PVC素材は革とは異なり、穴を開けた箇所に負荷が集中しやすいため、補強を施しながら確実に取り付けることが重要です。強度を確保しつつ、美観を損なわないように注意して取り付けていきます。

4. 完成・最終チェック

全てのベルトに美錠ホックを取り付け終えたら、仕上がりを確認します。バックル自体は飾りとして残っているため、外観としては従来とほとんど変わらず、ブランドの雰囲気を保っています。しかし、実際の操作はホック式になっているため、ワンタッチで着脱可能。これまで6回のバックル操作が必要だったところが、6回のホック操作へと変わり、力もいらず素早く脱ぎ履きできるようになりました。

実際に試していただいた際には「こんなに楽になるなら、もっと早くお願いすればよかった」とS様にも大変喜んでいただけました。デザイン性と利便性を両立できた仕上がりに、当店としても嬉しい限りです。


■ 美錠ホック改造のメリット

今回のようにベルトバックル式をホック式に改造するメリットを整理すると、以下のようになります。

  1. 着脱のスピードが大幅に向上
    ワンタッチで開閉できるため、急いでいるときでもストレスなく脱ぎ履きできます。

  2. 見た目を大きく変えずに実用性をアップ
    バックルのデザインはそのまま残せるため、ブランドの雰囲気や靴の個性を損なわずに済みます。

  3. 長く愛用できる
    「使いにくいから履かない」となってしまう靴を、「快適に履ける日常靴」として生まれ変わらせることができます。

  4. 素材や構造に合わせた対応が可能
    革靴だけでなく、今回のような樹脂素材の靴にも応用可能で、幅広いデザイン靴に対応できます。


■ まとめ

今回ご紹介した沖縄県 S様のMelissaパンプスの修理・改造は、「美錠ホックの導入」によって、デザイン性と実用性を両立させる好例となりました。
靴のデザインはとても気に入っているのに「脱ぎ履きが大変」「留め具が使いにくい」などの理由で履かなくなってしまうことは少なくありません。ですが、このようなちょっとした加工を加えることで、履きやすく・愛用できる一足へと蘇らせることができます。

いずみ靴店では、ソール交換や縫製修理だけでなく、今回のようなデザイン性を尊重した改造修理も承っております。「もっと履きやすくしたい」「この靴を長く愛用したい」というご希望がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。


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東京都 S様 ナイキ エアズームフライト5 底剥がれ修理事例 〜マッケイ縫い・オパンケ縫いによる強度アップ〜

東京都 S様 ナイキ エアズームフライト5 底剥がれ修理事例 〜マッケイ縫い・オパンケ縫いによる強度アップ〜

東京都にお住まいのS様より、「NIKE Air Zoom Flight 5(ナイキ エアズームフライト5)」の修理ご依頼を承りました。


今回の症状は、ソール(靴底)が大きく剥がれてしまったケースです。見た目はまだまだ履けそうな状態に見えても、バスケットボールや屋外プレーで使用する際には深刻なトラブルにつながります。

本記事では、実際の修理工程と、マッケイ縫い・オパンケ縫いといった縫製技術を駆使した補強について、詳しく解説いたします。


■ エアズームフライト5の特徴とソール剥がれのリスク

ナイキの「エアズームフライト5」は、1990年代後半〜2000年代にかけて人気を博したバスケットボールシューズで、今なお根強いファンが多いモデルです。軽量かつ反発力に優れたZoom Airユニットを搭載し、特に素早いステップや切り返し動作をサポートしてくれるのが特徴です。

しかしながら、この時代のバッシュに多用されているミッドソール(特にポリウレタン系素材)は、経年劣化による加水分解や接着剤の硬化によって剥がれやすい傾向があります。今回もまさにその典型で、アッパーとアウトソールの接着が弱り、片足全体が「ガバッ」と口を開けたように剥がれていました。

「まだ履けるだろう」と放置してプレーに使うと、試合中に完全に剥がれ落ちる可能性が高く、非常に危険です。そのため早めの修理が欠かせません。


■ 修理方針:強度を優先した施工

S様からのご要望は「実際のプレーでも安心して履けるように修理してほしい」というものでした。観賞用やコレクション目的であれば見た目の再現性を最優先するケースもありますが、今回は機能面が最重要です。

そのため、通常の接着修理に加え、底縫い(マッケイ縫い・オパンケ縫い)を施して強度を格段に向上させることを選択しました。これにより、再びソールが剥がれるリスクを大幅に軽減できます。


■ 修理工程の詳細

1. ソールの分解と古い接着剤の除去

まずは靴底を一旦完全に分解します。剥がれている部分だけを処理するのではなく、周囲全体の接着剤や劣化したウレタン片を丁寧に除去します。これを怠ると、新しい接着剤の密着性が落ち、再剥離の原因となるため非常に重要な工程です。

2. 下処理(研磨・洗浄)

接着面を研磨して表面を整え、さらに薬剤で油分や汚れを落とします。新品に近い状態まで下処理を行うことで、ボンドの食いつきが格段に良くなります。ここでの手間が仕上がりと耐久性を大きく左右します。

3. ボンド接着

専用の靴用強力ボンドを塗布し、適切な圧力と時間をかけて圧着します。ソール全体が均等に密着するように慎重に作業します。

4. 縫製による補強(マッケイ縫い)

接着後、靴底と中底を直接縫い合わせる「マッケイ製法」による補強を施します。これはイタリア靴などの高級靴にも使われる縫製方法で、強度が非常に高いのが特徴です。スニーカーに応用することで、激しい動きにも耐えられる構造となります。

5. 側面補強(オパンケ縫い)

さらに、アウトソールの側面とアッパーを縫い付ける「オパンケ縫い」も追加します。靴の外周をぐるりと囲うように縫うことで、接着面をカバーしながら補強できるため、剥がれ防止に大きな効果があります。バスケットボールのような横方向の動きが多い競技では特に有効です。


■ 修理後の仕上がりと効果

修理後は、ソールがしっかりと固定され、縫製による補強も加わったことで非常に頑丈な仕上がりとなりました。外観も違和感なく仕上げているため、見た目を損なうことなく実用性を高めています。

「これで試合中も安心して履けますね」とS様にもご満足いただきました。


■ 今後のメンテナンスと注意点

修理後も快適に使っていただくために、以下の点に注意されることをおすすめします。

  • 長期間の放置を避ける
    湿気や乾燥が極端な環境に長く置くと、再び劣化が進みやすくなります。

  • 使用後は陰干し
    汗や湿気を含んだまま収納すると、接着面や縫い糸にダメージが蓄積します。

  • 定期点検
    特にスポーツ用途では負荷が大きいため、数ヶ月に一度、ソール周辺や縫い目の状態を確認することを推奨します。


■ まとめ

今回の「ナイキ エアズームフライト5 底剥がれ修理」では、単なる接着ではなくマッケイ縫い・オパンケ縫いを組み合わせることで、プレーに耐え得る強度を実現しました。
同じように「ソールが剥がれてしまったけれど、まだ現役で履きたい」というスニーカー・バッシュは多く存在します。お気に入りの一足を長く使い続けるためにも、剥がれを感じたら早めに修理をご相談ください。


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福井県 S様 Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツ 履き口スポンジ交換修理

福井県 S様 Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツ 履き口スポンジ交換修理

今回ご紹介するのは、福井県にお住まいのS様からご依頼いただいた Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツの履き口スポンジ交換修理 です。

マーチンのブーツといえば、黄色いステッチと分厚いエアクッションソールが象徴的で、ファッションアイテムとしても実用靴としても世界中で愛用されています。しかし、どんなに頑丈なブーツでも、毎日の着用や経年によって各部にダメージが蓄積していきます。特に今回の「履き口(くるぶしやアキレス腱のあたりが当たる部分)」は、足の出し入れで常に擦れや負荷がかかるため、意外と早く傷んでしまう箇所です。

 


ご依頼時の状態

S様のブーツは、見た目こそまだまだ現役で履ける状態でしたが、履き口まわりに大きなトラブルが発生していました。

  • 履き口の表皮が全体的に ハゲハゲ状態

  • 特に右足は破れがひどく、中のスポンジまで一緒に裂けている

このようになると、履き心地の悪化はもちろん、足首やアキレス腱に直接スポンジの破片や硬い部分が当たり、不快感や靴擦れの原因になってしまいます。また、見た目の印象も大きく損なわれるため、「そろそろ買い替えか…」と悩まれる方も多い箇所です。

しかし、ブーツ全体の革やソールにはまだ十分な耐久性がありましたので、履き口だけを修理することで、これからも長くご愛用いただける状態に戻せると判断しました。


劣化の原因について

履き口の表皮は「合成皮革」ではなく、どうやら 床革に着色したタイプ の素材でした。床革とは、革を漉いた際に出る下層部分を利用した革で、スムースレザーと比べるとどうしても引張強度や耐久性に劣ります。

床革自体はコストを抑えつつ柔らかさを持たせられるため、履き口のように「柔らかく、足に触れて優しい質感が求められる箇所」にはよく用いられます。しかし、その反面で以下のような弱点があります。

  • 擦れや引っ張りに弱く、表面が剥がれやすい

  • 加工によっては表皮が薄いため、すぐにハゲたような見た目になる

  • 長年の使用で繊維が摩耗し、破れにつながる

今回の「ハゲハゲになってしまった」症状も、この床革の特徴が大きく影響していたと思われます。さらに右足は、スポンジ自体も裂けてしまっていたため、表皮だけの補修では十分な耐久性を確保できません。


修理方針

こうした状態に対して、当店では以下の方針で修理を行いました。

  1. 劣化した表皮を完全に除去
     → ハゲた床革部分を剥がして、新しい素材に交換。

  2. スポンジの交換
     → 裏地ごと破れていた右足に合わせて、左右とも新品のスポンジを入れ直し。

  3. 新しい表皮にはスムースレザーを採用
     → 耐久性の高い本革を用いて、柔らかさと丈夫さを両立。

  4. 縫製による確実な固定
     → 新しいスポンジと革を靴本体にしっかり縫い付けて、将来的な再劣化を防止。

これにより、見た目も履き心地も新品同様に近づけることができます。


修理工程の流れ

実際の作業工程を簡単にご紹介します。

①解体

まずは傷んだ表皮と破れたスポンジを取り除きます。履き口はブーツ全体の構造と密接に関わっているため、無理に剥がすと外側のアッパーまで傷めてしまうことがあります。丁寧に分解し、交換する範囲を明確にしました。

②スポンジの新調

中に収めるスポンジは、硬すぎても足当たりが悪く、柔らかすぎても耐久性に欠けます。今回は履き口に適した柔軟性と復元力のあるスポンジを選びました。新しいスポンジを入れることで、足首を包み込むクッション性が蘇ります。

③スムースレザーでカバー

次に、スポンジを新しい革で挟み込みます。選んだのは、床革ではなく スムースレザー。これは表面がしっかりしており、摩擦や引っ張りに強いため、履き口の耐久性を大きく高めることができます。また、見た目の美しさも格段に向上します。

④縫製(八方ミシン)

新しい革を縫い込む工程では、靴修理専用の 八方ミシン が活躍します。立体的で狭いブーツの履き口部分でも自在に縫える特殊なミシンで、仕上がりの美しさと強度を両立できます。この工程によって、しっかりとした固定が実現できました。


修理後の仕上がり

修理が完了したブーツは、履き口が新品同様に蘇り、見た目も履き心地も格段に改善しました。

  • 足首まわりのクッション性が回復

  • 表面がスムースレザーになり、摩耗に強くなった

  • ハゲていた見た目が解消され、印象が大きく改善

特に今回は「床革からスムースレザーへの素材変更」によって、今後の耐久性が大幅に向上しています。S様にも「また安心して長く履けそう」と喜んでいただけました。


今回の修理のポイント

  1. 床革の劣化は避けられない
     履き口に使われる床革は、どうしても耐久性に限界があります。劣化が進む前に早めに修理に出すことで、ダメージを最小限に抑えることができます。

  2. スポンジも同時に交換がベスト
     表皮だけ張り替えても、内部のスポンジが劣化していれば再度破れてしまいます。まとめて交換することで、安心して長く履ける状態に仕上がります。

  3. 素材選びで寿命が変わる
     今回スムースレザーを選んだように、素材を工夫することでオリジナル以上の耐久性を持たせることができます。


まとめ

ドクターマーチンはタフなブーツとして知られていますが、履き口のスポンジや表皮はどうしても傷みやすい部分です。しかし、適切な修理を行えば再び快適に履き続けることができます。

今回のS様のブーツも、履き口を修理したことで、これからまた長い時間を共に歩んでいただけるでしょう。

「お気に入りの靴をまだまだ履きたい」
「買い替えるのはもったいない」

そんな時は、ぜひ当店にご相談ください。お客様の大切な一足を、できる限り長く使えるよう丁寧に修理いたします。


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群馬県 T様 NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し 作成交換修理

群馬県 T様 NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し 作成交換修理

今回ご依頼いただいたのは、群馬県にお住まいのT様からお送りいただいた NIKE(ナイキ)のバスケットボールシューズ です。長年ご愛用されてきた一足で、まだまだ現役で履き続けたいとのことで当店「いずみ靴店」に修理をご相談いただきました。

不具合の内容 ― 靴紐通しの切れ

シューズを拝見すると、アッパーやソールは大きなダメージもなく、まだ十分に使用可能な状態でした。しかし、靴紐を通すための輪っか(ループ)が破損してしまっています。


このモデルは一般的な金属ハトメやプラスチックパーツではなく、アッパーに平紐状のループを縫い付けて靴紐を通す構造。スポーツシューズらしい軽快さやフィット感を重視した設計ですが、その反面「布製のループが摩耗に弱い」という弱点を抱えていました。

バスケットボールは横方向の激しいステップや急なストップ&ゴーが繰り返される競技です。そのため、靴紐にかかるテンションは想像以上に大きく、特に結び目付近や頻繁に締め直す部分には大きな負荷がかかります。T様のシューズでも、使用を重ねるうちに布製ループの一部が切れてしまい、靴紐を通せなくなっていたのです。

純正部品が入手できないケース

スニーカー修理の難しさのひとつは、「純正パーツが流通していない」点です。特に靴紐通しのような細かなパーツはメーカーでも単品供給されないため、破損するとシューズ全体が使えなくなってしまうことが少なくありません。

今回のケースでも、同じような平紐状のパーツを新品で取り寄せることは不可能でした。そのため当店では、オリジナルのイメージを損なわない形で、新しく靴紐通しを作り直す という方法で修理を進めました。

本革とナイロンテープで新しいループを作成

まずは代替素材の選定です。オリジナルに近い「平紐」の質感を再現するため、柔軟でありながら耐久性のある本革を選びました。しかし革だけでは摩擦や引っ張りに対して強度が不足する恐れがあります。

そこで、中にナイロンテープを仕込み、本革で巻く ことで強度を確保。革のしなやかさとナイロンの引張耐性を組み合わせることで、見た目は革製のループでありながら、実用性としてはオリジナルを上回る強さを実現しました。

この工程は見た目以上に手間がかかります。革を巻き付ける際に厚みを最小限に抑えなければ、靴紐を通したときのフィーリングが変わってしまうからです。強度を確保しつつも、厚ぼったくならないように細心の注意を払いながら加工しました。

靴本体への縫い付け

次に、新しく作成したループを靴本体に縫い付けていきます。ループの位置や角度は靴紐の通りやフィット感に直結するため、ミリ単位の精度で調整する必要があります。もし取り付け位置がずれると、靴紐を締めたときに左右のバランスが崩れ、足に余計なストレスがかかってしまいます。

ここで活躍するのが 八方ミシン です。八方ミシンは立体的な靴の構造に合わせて、あらゆる角度から縫製できる特殊なミシンで、靴修理には欠かせない道具のひとつ。今回もアッパーのカーブや既存の縫い目に沿いながら、しっかりとループを縫い付けることができました。

縫製の際には、負荷が集中しやすい部分を補強するように縫い進め、単純に「元に戻す」だけでなく、今後より長く使用できる強度を確保 することを意識しました。

修理完了 ― オリジナルを超える仕上がり

完成したシューズを改めて確認すると、見た目はオリジナルに近い自然な仕上がりでありながら、中にはナイロンテープが仕込まれているため強度は格段に向上しています。T様からも「新品の頃より安心して使えそう」とのお声をいただきました。

今回のように、メーカーが想定していない部位でも、工夫次第で修理・補強することが可能です。特にスポーツシューズは履き心地に慣れてしまうと代替モデルが見つけにくいため、修理によってお気に入りの一足を延命させる価値は非常に大きいと言えるでしょう。

靴紐通しの破損でお困りの方へ

靴紐通しのループが切れてしまうと「もう履けない」と思われる方も多いですが、実際には今回のように修理が可能なケースもあります。布製・ナイロン製・革製など素材に応じて対応方法は変わりますが、いずれの場合も「強度を高めながら違和感のない見た目に仕上げる」ことを意識して作業しています。

もし同じようなお悩みをお持ちでしたら、一度ご相談いただければと思います。修理の可否を含め、最適な方法をご提案させていただきます。


まとめ

  • 依頼内容:NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し修理

  • 症状:平紐のループが切れて使用不可

  • 修理方法:本革でループを作成、中にナイロンテープを仕込んで強度アップ

  • 取り付け:八方ミシンで靴本体に縫い付け

  • ポイント:オリジナルのイメージを保ちながら強度を向上

大切な一足を「まだまだ履きたい」というお気持ちに応えられるよう、当店では今後も工夫を凝らした修理に取り組んでまいります。


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神奈川県F様事例:ナイキ エアジョーダン ゴルフシューズ 底剥がれ修理

~フェイクステッチの罠を乗り越えて、職人技で蘇るゴルフシューズ~

ゴルフシューズは、芝の上で安定したグリップ力と快適な歩行性を両立させるために非常に重要なアイテムです。中でも、スポーツブランドとして圧倒的な人気を誇る ナイキ(NIKE)のエアジョーダン ゴルフシューズ は、そのデザイン性と履き心地の良さから、ゴルファーに愛用されるモデルのひとつです。

しかし、今回神奈川県からご依頼いただいたF様のエアジョーダン ゴルフシューズは、なんとソールが大きく剥がれてしまうトラブルに見舞われていました。しかも一見すると「縫い目」が入っているように見えるのに、実はそれがフェイクステッチだったのです。

「縫ってあるから安心」と思っていたのに、実際には縫われていない――。これは使用者にとって大きな落とし穴ですね。では、この修理がどのように行われたのか、詳しくご紹介します。


ナイキ エアジョーダン ゴルフシューズの特徴と弱点

エアジョーダンは、バスケットボールシューズをルーツに持ち、ファッション性とスポーツ性能を兼ね備えた人気モデル。そのゴルフ仕様は、独自のグリップパターンと快適なクッション性を備えています。

しかしながら、F様のゴルフシューズには大きな弱点がありました。

側面の縫い目が「フェイクステッチ」だった

修理に取りかかった際、まず違和感を覚えたのが、側面の縫い目。ぱっと見は「アウトソールとアッパーをしっかり縫い合わせてある」ように見えます。ところが分解してみると、その下糸はソールの内側で止まっており、靴本体とアウトソールは実際には縫い合わされていませんでした。

つまり、見た目だけの装飾ステッチだったのです。

この構造だと、どれだけ見た目が良くても強度はボンド接着頼み。ゴルフのように横方向のG(負荷)が強くかかるスポーツでは、接着剤が劣化すると簡単にソールが剥がれてしまうのです。


修理の流れ

1. ソールの分解と下処理

まずは剥がれたソールを一旦すべて分解。古い接着剤や劣化した素材を徹底的に取り除き、新しい接着剤がしっかり食いつくように表面を整えます。この下処理を怠ると、どんなに良い接着剤を使っても再剥離の原因になります。

2. ボンド接着

分解・清掃したパーツに新しい接着剤を塗布し、丁寧に圧着。仮止めの段階でもうすでに靴の形が戻ってきますが、これだけではまだ安心できません。

3. 側面の「本当の縫い付け」

ここからが当店の腕の見せ所です。今回は装飾ではなく、**実際に靴本体とソールを縫い合わせる「オパンケ縫い」**を採用。

オパンケ縫いは、靴底の周囲をぐるりと縫い付ける伝統的かつ強力な製法で、見た目も美しい仕上がりになります。これにより、接着剤だけに頼るのではなく、物理的に底と本体を固定できるため、剥がれのリスクが大幅に低減します。


修理後の仕上がり

修理が完了したF様のエアジョーダン ゴルフシューズは、見た目にも自然で違和感がなく、しかし中身は「フェイクではなく本物の縫い付け構造」となりました。

これで、接着剤が多少劣化しても縫い糸がしっかり支えてくれるため、安心してゴルフに集中できます。特にスイング時の横方向の負荷や、歩行中のソールのよじれに対しても耐性が向上しました。


修理のポイントまとめ

  • フェイクステッチ問題:見た目の縫い目に安心してはいけない

  • 下処理の徹底:古い接着剤を完全に除去

  • オパンケ縫い採用:本体とソールを確実に固定

  • 仕上がりは自然:強度アップしつつデザインも損なわない


よくある質問(FAQ)

Q1. エアジョーダンのソール剥がれは自宅で直せますか?
A1. 瞬間接着剤や汎用ボンドで一時的に直す方もいますが、負荷の大きいゴルフではすぐに再剥離します。プロの修理がおすすめです。

Q2. オパンケ縫いとは?
A2. 靴底の周囲をしっかりと縫い付ける製法で、見た目の美しさと強度を両立します。フェイクステッチとの大きな違いは「実際にソールと本体を繋ぐ」点です。

Q3. 修理にかかる期間と費用は?
A3. 状態によりますが、底剥がれ補修+オパンケ縫いの場合はおおよそ1〜2週間が目安。費用は靴の状態や素材によって変わります。


まとめ

今回のF様の事例は、「縫ってあるように見えて実は縫っていない」フェイクステッチが原因となった底剥がれでした。
しかし、当店での オパンケ縫いによる補強修理 によって、もう剥がれの心配はありません。

ゴルフという集中力を要するスポーツにおいて、シューズの不安要素は大敵。今回の修理で、F様がスコアアップに繋がるプレーを存分に楽しんでいただけることを願っています。


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【修理実績】ルイ・ヴィトン 厚底サンダル 底剥がれ修理:東京都 Y様

【修理実績】ルイ・ヴィトン 厚底サンダル 底剥がれ修理:東京都 Y様

この度は、東京都にお住まいのY様よりご依頼いただきました、ルイ・ヴィトンの厚底サンダルの底剥がれ修理についてご紹介します。

経年劣化によってソール(靴底)が剥がれてしまった状態で、遠方から当店にお任せいただき、誠にありがとうございます。

高級ブランドの靴は、そのデザイン性や素材の美しさから、私たちを魅了してやみません。しかし、どんなに高価な靴でも、時間と共に素材や接着剤は劣化し、修理が必要になる時がきます。特に、今回ご依頼いただいたような厚底サンダルは、ソール部分に大きな負荷がかかりやすいため、底剥がれが起こりやすい傾向にあります。

なぜ高級ブランドの靴も剥がれてしまうのか

今回お預かりしたサンダルのソールは、ウレタン系の素材でできていました。幸いにも、加水分解と呼ばれる素材自体がボロボロになってしまう重篤な症状は出ておらず、接着剤の劣化が主な原因でした。

靴底をアッパー(甲の部分)に接着しているボンドは、製造されてから時間が経つと、その粘着力が徐々に失われていきます。

  • 経年による劣化: 時間の経過と共に、ボンドの成分が変化し、接着力が弱まります。
  • 歩行時の負荷: 歩くたびに靴が屈曲したり、体重がかかったりすることで、接着面に常にストレスがかかります。
  • 温度・湿度: 高温多湿の環境下では、ボンドの劣化が加速します。

このような複合的な要因が重なり、ある日突然、ソールが「パカッ」と剥がれてしまうのです。

ボンド接着と「ビス止め」による強度アップ

底剥がれの修理は、単に剥がれた部分をボンドでくっつけ直すだけでは、すぐに再発する可能性が非常に高いです。特に厚底の靴は、ソール自体が重く、歩行時の負荷が大きいため、より頑丈な補強が不可欠となります。

そこで、当店では以下の手順で修理を施しました。

  1. 丁寧な下処理: 剥がれた部分の古いボンドを、手作業で丁寧に除去します。この下処理が、新しいボンドの接着力を最大限に引き出すために最も重要な工程です。古いボンドが残ったまま新しいボンドを塗布しても、十分な強度は得られません。
  2. 専用ボンドによる再接着: 下処理を終えた後、靴の素材に適した専用のボンドを塗布し、しっかりと圧着します。この時点で、ソールとアッパーは再び一体となります。
  3. ヒールとつま先部分のビス止め: これが今回の修理の肝となります。ボンド接着だけでは不十分な強度を補うため、特に負荷のかかりやすいヒール(かかと)とつま先部分に、補強用の小さなビス(ネジ)を打ち込みました。

ビス止めは、ソールを物理的にアッパーに固定する役割を果たします。これにより、ボンドが再び劣化しても、ビスがソールとアッパーをしっかりと繋ぎとめてくれるため、再発のリスクを大幅に軽減できるのです。

ビスは靴のデザインを損なわないよう、目立たないように carefully 取り付けました。これにより、見た目はほとんど変わらず、安心して長く履いていただける状態に仕上がりました。

修理を終えて

修理が完了したルイ・ヴィトンの厚底サンダルは、見た目の美しさを保ちながら、底剥がれが再発しにくい状態になりました。

お客様の大切な靴を、遠方よりご依頼いただいたことに感謝し、一点一点心を込めて丁寧に作業させていただいております。これで、また安心してこのサンダルを履いて、お出かけを楽しんでいただければ幸いです。

ブランドの靴や思い出の詰まった靴の修理でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。お客様の大切な一足を、長く愛用できるようお手伝いさせていただきます。


いずみ靴店

岡山県倉敷市玉島

秋田県 I様 NIKE Air Zoom(ナイキ エアズーム)底剥がれ修理事例

【修理実績】ナイキ エアズーム 底剥がれ修理:秋田県 I様

愛用されているナイキのエアズーム、この度は遠方秋田県より当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。

今回ご相談いただいたのは、スニーカーの底剥がれです。靴底が部分的に剥がれてきており、このまま履き続けるのは難しい状態でした。

スニーカーの底剥がれは、ソールとアッパー(甲の部分)を接着しているボンドが、経年劣化や歩行時の負荷によって剥がれてしまうことで起こります。特にナイキのようなスポーツメーカーのスニーカーは、軽量化やクッション性を高めるために、非常に複雑な構造のソールを使用していることが多く、一度剥がれ始めると、ボンド接着だけではすぐに再発してしまうケースがほとんどです。

ボンド接着だけでは強度が出ない理由

「剥がれた部分をもう一度ボンドでくっつければいいのでは?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一度剥がれた靴は、新品の時と同じように完全に接着することは非常に困難です。

その理由は、主に以下の3つです。

  1. 接着面の劣化: 剥がれた面には、古いボンドの残りかすやホコリ、ゴミが付着しています。これらを完全に除去しないまま接着すると、新しいボンドの接着力が十分に発揮されません。
  2. 接着剤の相性: メーカーが使用しているオリジナルのボンドと、修理店が使用するボンドでは種類が異なります。完璧な相性を見つけるのは難しく、十分な強度が出せない場合があります。
  3. 歩行時の負荷: スニーカーは、歩くたびにソールが大きく屈曲します。ボンドだけで再接着しても、この強い屈曲に耐えきれず、再び剥がれてしまう可能性が高いのです。

いずみ靴店の独自修理「オパンケ縫い」で再発防止

お客様のナイキ エアズームは、ただボンドで接着し直すだけでは、またすぐに剥がれてしまうリスクが高いと判断しました。そこで当店では、ボンド接着に加えて、**「オパンケ縫い」**という特殊な縫製修理を施すことをご提案いたしました。

オパンケ縫いとは、靴の側面からソールとアッパーを一緒に縫い付けてしまう修理方法です。

この修理によって、以下のメリットが生まれます。

  • 物理的な強度アップ: ボンドの接着力に頼るだけでなく、糸の力でソールとアッパーをしっかりと固定します。これにより、歩行時の強い負荷にも耐えられる、圧倒的な強度を得ることができます。
  • 屈曲時の耐久性向上: 足を曲げた時にかかるストレスを、糸が分散してくれるため、ボンドが剥がれるのを根本的に防ぎます。
  • 修理跡が目立たない: 専用のミシン**「八方ミシン」**を使用するため、縫い目がきれいに仕上がり、修理跡が目立ちにくいように配慮します。また、糸の色もスニーカーの色に合わせて選ぶことで、修理後の見た目も違和感なく仕上がります。

修理工程のご紹介

秋田県から届いたI様のナイキ エアズームは、以下の手順で丁寧に修理を進めました。

  1. 古いボンドの除去: 剥がれた部分の古いボンドを丁寧に削り、接着面を平らにします。この工程を怠ると、再接着の強度が大幅に低下します。
  2. 専用ボンドによる接着: 新しいボンドを塗布し、ソールとアッパーをしっかりと圧着します。この時点で、ある程度の強度は回復しますが、まだ油断はできません。
  3. オパンケ縫いミシンによる縫製: 修理の要となるオパンケ縫いです。当店の熟練の職人が、特殊な八方ミシンを使い、ソールとアッパーを確実に縫い合わせていきます。

今回は、かかとから土踏まずにかけて大きく剥がれていたため、全体的に縫い付けることで、安心して履いていただけるように修理いたしました。

修理を終えて

修理が完了したI様のエアズームは、元のデザインを損なうことなく、しっかりと強度を取り戻しました。遠方からのご依頼で、お客様のお顔が見えないからこそ、一点一点心を込めて丁寧に作業させていただいております。

これで、秋田の地でも安心して歩いていただけますね。これからも、このエアズームがお客様の良きパートナーとなることを願っております。

スニーカーの底剥がれでお困りの方は、ぜひ当店にご相談ください。ボンド接着に加えて「オパンケ縫い」を施すことで、お気に入りの一足を長く愛用するお手伝いをさせていただきます。


いずみ靴店

岡山県倉敷市玉島

愛知県Y様 PUMA(プーマ)バスケットボールシューズ ソール剥がれ修理事例

今回ご紹介するのは、愛知県にお住まいのY様よりお預かりした、PUMA(プーマ)のバスケットボールシューズ「1OF1」モデルの修理事例です。

PUMAは世界的なスポーツブランドで、サッカーや陸上をはじめとした様々な競技用シューズを展開していますが、バスケットボールの分野でも確固たる地位を築いています。特に近年はNBA選手とのコラボモデルや、限定生産の希少モデルも多く、そのデザイン性や機能性の高さからコレクターや愛好家にとって特別な存在になっています。

Y様がお持ち込みくださったのは、その中でも限定的に展開された1OF1モデル。まさに“一点物”ともいえる特別なシューズで、普段の練習や試合に使うだけでなく、所有する喜びや愛着も大きな一足です。

しかし、長年の使用により靴底の接着剤が劣化し、ソールの剥がれが発生してしまっていました。


ソール剥がれの原因 ― ボンド劣化

バスケットボールシューズに限らず、近年の多くのスニーカーやスポーツシューズは、接着剤(ボンド)による接着構造を採用しています。縫い付けではなく接着によってアッパーとソールを一体化する製法は、軽量化と柔軟性を実現する一方で、長年の使用によってどうしても劣化が避けられません。

接着剤は経年により硬化や分解が進み、使用環境によっては熱や湿気の影響で剥離が起こります。特にバスケットボールのように激しいジャンプや横方向のステップが繰り返される競技では、ソールへの負担が大きいため、剥がれが一気に進行してしまうこともあります。

Y様のPUMAシューズもまさにその状態で、アウトソールが部分的に浮き、プレー中の安定性や安全性に不安を感じるレベルになっていました。


修理方針:接着+縫い付け補強

今回の修理では、単純に再接着するだけでは再び剥がれるリスクが高いため、接着+縫製による補強を行う方針をとりました。

具体的には、

  1. ソールを一度剥がし、古い接着剤を除去

  2. 新しいボンドで接着

  3. さらに**側面からつま先にかけて周囲をぐるりと縫い付ける「オパンケ縫い」**で補強

という流れです。

オパンケ縫いとは、ソールの縁をアッパーに貫通させながら糸で縫い付ける技法で、古くから登山靴やワークブーツの補強としても用いられてきました。単なる装飾ステッチとは異なり、縫製そのものが強度を担保する役割を果たすため、糸が切れない限りソールが剥がれることはほぼなくなります。


修理工程の詳細

1. 分解とクリーニング

まずはソールを完全に分解。接着剤が劣化しているため、無理に引き剥がすとアッパーの素材を傷めてしまうリスクがあるため、専用工具を使って慎重に進めました。剥がした後は残った古いボンドを削り落とし、接着面をきれいに整えます。

2. 新しい接着剤で圧着

下処理が終わったら、新しいボンドを均一に塗布し、圧着機でしっかりと固定します。この段階で既に一度ソールは密着しますが、ここで終わらせると再び剥がれてしまう可能性があるため、次の工程が重要です。

3. オパンケ縫いによる補強

靴の周囲、特に負荷の大きいつま先から側面にかけて、専用の縫製機を用いてソールとアッパーを貫通させながら縫い合わせました。オパンケ縫いは非常に手間と技術を要する作業ですが、その分強度は抜群。糸が切れない限りは再剥離の心配がありません。

4. 仕上げ

縫い付けた部分の糸端処理を丁寧に行い、アッパーとソールの境目を磨いて整えます。外観を損なわず、むしろ補強跡がデザインのように見えるよう工夫しました。


修理後の仕上がりと特徴

修理後のPUMAシューズは、外観を大きく損なうことなく、しっかりとした補強が施されています。ソールの剥がれが再発する心配はほとんどなくなり、競技中の急な方向転換やジャンプ着地でも安定性を確保できます。

さらに、縫い付けによる補強は見た目にも力強さがあり、「修理した靴」ではなく「カスタムされた一足」のような雰囲気をまとっています。Y様にとっても、再び安心してコートに立てる心強い存在になったのではないでしょうか。


オパンケ縫いの魅力

今回採用したオパンケ縫いは、一般的なスポーツシューズにはなかなか施されない特別な修理方法です。量産のスニーカーではコストや効率の面から接着が主流ですが、修理の場面では**「縫う」という古典的な技法が最も信頼できる補強手段**となります。

オパンケ縫いの大きなメリットは、

  • 強度が飛躍的に向上する

  • 見た目にも独特の存在感が出る

  • 縫製によってソール交換も容易になる

といった点にあります。長く履きたい大切な靴にこそ、最適な方法だといえます。


まとめ:プレーに集中できる安心感を

今回の修理を通じて、Y様のPUMAバスケットボールシューズは再び実用に耐えうる状態へと蘇りました。
「糸が切れない限りソールは剥がれない」という確実な補強によって、もう靴の不安に気を取られることなく、プレーそのものに集中していただけるはずです。

特別な「1OF1」モデルという希少性に加え、修理によって付加価値が加わったことで、より一層愛着を持って履き続けられるのではないでしょうか。

当店いずみ靴店では、今回のような修理困難とされるスニーカーやスポーツシューズにも対応しております。大切な一足を「まだ履ける靴」から「これからも履きたい靴」へと蘇らせるお手伝いをいたします。ソール剥がれなどでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。


いずみ靴店

  • 岡山県倉敷市にて営業

  • スニーカー・ブーツ・革靴など幅広く修理対応

  • オールソール交換・縫製修理・接着補強など実績多数

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福井県N様 Joya(ジョーヤ)ウォーキングシューズ カスタムオールソール交換修理

福井県にお住まいのN様より、スイス発のコンフォートブランド「Joya(ジョーヤ)」のウォーキングシューズ修理をご依頼いただきました。Joyaといえば、独自の厚みのあるソールによる「柔らかく、前へ前へと進んでいくような感覚」で人気を集めているブランドです。長時間のウォーキングや旅行のお供として愛用される方も多く、「一度履いたら他の靴に戻れない」という声も少なくありません。

しかし、その一方でJoyaに限らず多くの靴で共通の問題が存在します。それがソールの加水分解です。今回お預かりしたシューズも、ウレタン素材のソール部分が経年劣化によって割れ、使用が困難な状態になっていました。

「もう修理は無理なのでは…?」と諦めてしまう方も多いのですが、当店いずみ靴店では、こうした修理困難とされる靴でも、工夫と技術を凝らすことで蘇らせることができます。今回はオリジナルのウレタンソールをそのまま再現することは不可能なため、加水分解しないEVAスポンジ素材を用いたカスタムオールソール交換を実施しました。その詳細を、工程ごとにご紹介していきます。


Joyaのソールと加水分解の問題

まず、今回の修理に至った背景を少し掘り下げてみましょう。

Joyaの特徴は、厚みのあるウレタン素材を主体としたソール構造にあります。一般的なスニーカーやウォーキングシューズよりもはるかに分厚いソールを備え、そのクッション性とローリング感(前へ進むようなカーブ形状)が歩行を楽にしてくれるのです。

ところが、このウレタン素材の弱点は「加水分解」という現象にあります。空気中の水分と反応して化学的に分解が進み、ある日突然、表面がベタついたり、ボロボロと崩れたり、真っ二つに割れてしまうのです。これは使用頻度にかかわらず発生するため、「あまり履いていなかったのに久しぶりに出してみたら靴底が壊れていた」というケースも珍しくありません。

今回のN様のJoyaもまさにこの状態で、ソールが割れ、しかも側面から跡形が大きく露出してしまっていました。修理屋としてもかなり難易度の高い案件です。


修理方針:オリジナル再現は不可能、だからこそカスタム

ウレタンソールをそのまま修復することは不可能です。専門の工場レベルであれば金型を起こして成形できますが、靴修理店のレベルでは現実的ではありません。そこで今回は、加水分解の心配がないEVAスポンジを積み重ねてソールを再現するという方針を立てました。

EVAスポンジは軽量で柔軟性に富み、衝撃吸収性も優れています。スポーツシューズやサンダルのソールにも広く使われている素材で、長期使用でも加水分解しないのが大きなメリットです。

ただし、オリジナルのウレタンソールに比べると若干固めの着地感になります。そこで積層を工夫し、厚みを持たせつつ、Joya特有の「前に前に進むようなカーブ」を可能な限り再現することを目指しました。


修理工程の詳細

1. 分解作業

まずは残っているソールを丁寧に剥がします。ウレタンが劣化しているため、無理に引きはがすとアッパー側まで傷んでしまう恐れがあるので、ここは慎重に進めます。加水分解でボロボロになった部分は完全に除去し、土台を整えました。

2. 側面処理:本革で覆う

オリジナルのソールが崩れると、側面にはどうしても跡形がむき出しになります。これを隠すために、本革を幅広く縫い付けました。本革を使うことで見た目が美しくなるだけでなく、補強としての強度も増します。縫製方法はオパンケ縫いを応用し、しっかりと固定しました。

3. EVAスポンジの積層と成形

次に、EVAスポンジを何層にも積み重ね、厚みを確保します。ただ積むだけではなく、曲線的なフォルムを削り出していく作業が重要です。Joya特有の「前傾したカーブ」を意識し、着地から蹴り出しまでの流れがスムーズになるようバランスを調整しました。

4. アウトソールの仕上げ

接地面には耐摩耗性に優れたソール素材を使用。今回はTOPY社製のクロコ柄ソールを採用し、機能性とデザイン性を兼ね備えた仕上がりにしました。TOPY社は世界的にも信頼されるソールメーカーで、当店でも多くの修理で活用しています。クロコ柄は高級感もあり、ウォーキングシューズの雰囲気を損なうことなく自然に馴染みます。


修理後の仕上がりと使用感

完成したシューズは、オリジナルとは素材が異なるものの、しっかりとした厚みと前進性を備えています。EVAスポンジ特有のやや固めの着地感はあるものの、歩行時には「前に押し出される感覚」を味わっていただけるはずです。

また、側面に縫い付けた本革のおかげで、加水分解の跡形が目立たず、美しい外観に仕上がりました。むしろ「カスタムシューズ」のような雰囲気が加わり、世界に一足だけの特別な靴になったといえるでしょう。


加水分解に悩む方へ

今回のようなケースはJoyaに限らず、さまざまなブランドの靴で起こります。特にウレタン素材を使ったソールは、経年劣化が避けられません。「まだ履けると思っていたのに、久しぶりに出したら壊れていた」という声も多く、非常に残念な気持ちになる方が多いのです。

しかし諦める前に、ぜひ靴修理店へご相談ください。オリジナルと全く同じ形状や素材を再現するのは難しくても、EVAスポンジなど代替素材を用いて、より長持ちする形にカスタムする方法があります。

特に当店では、マッケイ縫いやオパンケ縫いなど伝統的な製法を活かしながら、現代の素材を組み合わせることで、オリジナル以上に実用的な修理を実現することを目指しています。


まとめ:歩く楽しみをもう一度

今回の修理で、N様のJoyaウォーキングシューズは再び履ける状態に蘇りました。確かにオリジナルの柔らかさとは少し異なりますが、それを補って余りある「丈夫さ」と「前へ進む推進力」を備えています。

「楽しく歩いていただきたい」という思いを込めて、丁寧に仕上げました。これからも長くN様の足元を支え、毎日のウォーキングやお出かけのお供として活躍してくれることを願っています。

もし同じようにソールの加水分解でお困りの方がいらっしゃれば、ぜひ一度いずみ靴店にご相談ください。靴にはまだまだ可能性があります。私たちは、その一足を大切に蘇らせるお手伝いをいたします。


いずみ靴店

  • 岡山県倉敷市にて営業

  • オールソール交換・ヒール修理・縫製修理など幅広く対応

  • Joyaをはじめ、NIKE、Clarks、Timberlandなど修理困難な靴も実績多数

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