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東京都y様 New Balance576 シュータンスポンジ交換修理事例

東京都にお住まいのY様よりご依頼いただいた、New Balance(ニューバランス)576のシュータン(立ちベロ)スポンジ交換修理事例をご紹介します。

今回お預かりしたのは、ニューバランスの定番モデルとして長年高い人気を誇る「576」。英国製モデルを中心に、履き心地・安定感・デザイン性のバランスに優れ、愛用者の多いスニーカーです。Y様も長年この576を履き続けてこられたとのことで、全体的に履き慣れた風合いはあるものの、アッパーの革や縫製自体はまだまだ使用に耐える良好な状態でした。

しかし、今回ご相談いただいたのは「シュータン(立ちベロ)の違和感」です。見た目には大きな破れなどはないものの、触ってみると内部のスポンジが完全に劣化しており、押すとスカスカ、指でつまむと粉状のカスが出てくる状態でした。これはニューバランス576で非常に多く見られる症状で、原因は内部に使用されているスポンジ素材の「加水分解」です。

加水分解とは、空気中の水分や湿気、経年変化などによって、ポリウレタン系素材が分解・劣化してしまう現象です。ミッドソールの崩壊で知られる現象ですが、実はシュータンや履き口、ヒール周りのスポンジにも同様に起こります。特に576の立ちベロは、厚みがありクッション性を重視した構造のため、長年の使用や保管環境によって内部スポンジがボロボロになってしまうケースが少なくありません。

 

スポンジが劣化すると、単に履き心地が悪くなるだけでなく、シュータンが自立せず、左右に倒れたり、履くたびに位置がズレたりします。その結果、甲への当たりが不均一になり、靴擦れや圧迫感の原因にもなります。Y様も「履いた瞬間にフワフワ感がなく、ベロがクタッとしてしまう」と違和感を覚え、今回の修理をご依頼くださいました。

作業はまず、シュータンを靴本体から丁寧に取り外すところから始まります。ニューバランス576のシュータンは、本体としっかり縫い付けられているため、周囲の革やライニングを傷めないよう慎重に縫い糸を解いていきます。無理に引き剥がすと革が裂けたり、後の再縫製に影響が出るため、この工程は非常に重要です。

シュータンを単体にした後、側面の縫い合わせ部分を解き、中に入っている劣化したスポンジをすべて取り除きます。今回の個体では、内部の恋ベージュ色のスポンジが完全に粉砕され、触れるだけでボロボロと崩れ落ちる状態でした。劣化スポンジのカスが残っていると、新しい素材を入れても均一な厚みが出ず、再劣化や異音の原因になるため、内部は可能な限り徹底的に清掃します。

内部を空の状態にしたら、新しいスポンジ素材を用意します。今回使用したのは、EVAスポンジ系の素材です。EVAは軽量でクッション性に優れ、加水分解しにくい特性を持つため、今後長く安心して履いていただけます。元のシュータンの厚みや形状を考慮しながら、スポンジを適切なサイズと厚みに加工し、違和感のない自然なフィット感を目指します。

新しいスポンジを挿入した後、シュータン側面を縫い合わせていきます。ここでは、見た目だけでなく、履いた際の足当たりや耐久性も意識し、縫い代やテンションを細かく調整します。縫製が甘いとスポンジが中で動いてしまい、逆に強すぎると革にシワや歪みが出るため、長年の経験が求められる工程です。

スポンジの入れ替えと側面の縫製が完了したら、いよいよシュータンを靴本体へ戻します。ここでは八方ミシンを使用し、元の縫製ラインに沿って丁寧に縫い付けていきます。八方ミシンは立体物の縫製に適した特殊なミシンで、スニーカー修理には欠かせない機械です。アッパー革やライニングを傷めないよう、慎重に位置を合わせながら作業を進めます。

すべての工程が完了した状態がこちらです。内部にしっかりとしたEVAスポンジが入ったことで、シュータンのフワフワ感が見事に復活しました。指で押しても適度な弾力があり、立ちベロとして本来の形状をしっかり保っています。履いた際も、シュータンがきちんと自立するため、甲全体を均一に包み込む感覚が戻りました。

Y様にも完成後の状態をご確認いただき、「新品の時のような感触に戻った」「これならまた安心して履ける」と大変ご満足いただけました。ソールやアッパーがまだ使える状態であれば、このように部分的な修理を行うことで、お気に入りの一足を長く履き続けることが可能です。

ニューバランス576をはじめ、シュータンや履き口、ヒール周りのスポンジ劣化でお困りの方は非常に多くいらっしゃいます。加水分解は避けられない経年劣化ではありますが、適切な素材選びと修理を行うことで、履き心地を大きく改善することができます。

いずみ靴店では、倉敷市を拠点に、スニーカーのシュータン修理やスポンジ交換、オールソール交換など幅広い修理に対応しております。遠方の東京都をはじめ、全国からのご依頼も承っておりますので、お気に入りの靴でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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埼玉県 H様 ASICS XXIO スパイクレスシューズ オールソール交換修理

埼玉県にお住まいのH様より、ASICS(アシックス)製 XXIO(ゼクシオ)スパイクレスゴルフシューズのオールソール交換修理をご依頼いただきました。

今回お預かりしたのは、アシックスが展開するゴルフラインの中でも人気の高いゼクシオのスパイクレスモデルです。軽量性と安定性のバランスに優れ、歩行量の多いゴルフプレーにおいても足への負担が少ない構造が特徴の一足ですが、その反面、アウトソールの摩耗が進むと性能低下が顕著に表れてしまうという側面もあります。

実際に拝見した状態は、かなり履き込まれており、スパイクレスシューズ特有のアウトソール底面の突起パターンが、全体的にすり減ってしまっている状況でした。特に母趾球から前足部、そしてかかと外側にかけては、突起がほぼ消失している箇所もあり、スパイクレス本来のグリップ性能が十分に発揮できない状態と判断しました。

スパイクレスシューズは、金属スパイクがない分、アウトソールの形状とゴム素材の性能によって、芝生の上でのグリップ力を確保しています。そのため、突起が摩耗してしまうと、スイング時の踏ん張りや斜面での安定性に不安が生じやすくなります。H様も「滑りやすさを感じるようになった」とのことで、今回はオールソール交換修理をご希望されました。

アウトソールには、Vibram(ヴィブラム)社製の「Vibram 419C」を使用します。Vibram 419Cは、スパイクレスゴルフシューズ向けに設計された高性能ラバーソールで、芝生・土・濡れた路面など、さまざまな環境下でも安定したグリップ力を発揮するのが大きな特徴です。ソールパターンも非常に緻密で、体重移動やスイング時の横方向の力にも強く、プレー中の足元のブレをしっかりと抑えてくれます。

まずは、既存のソールを分解する作業から始めます。接着されているアウトソールを、熱を加えながら慎重に剥がし、靴本体を傷めないように分離していきます。ゴルフシューズは、内部構造が複雑なものも多く、無理な力を加えるとアッパーや中底に歪みが出てしまうため、状態を確認しながら丁寧に進めます。

ソールを取り外した後は、劣化した接着剤や残留物をきれいに除去し、次工程に備えて下地処理を行います。この下処理が不十分だと、どれだけ良いソールを使っても耐久性が落ちてしまうため、時間をかけて丁寧に仕上げます。

次に、EVAスポンジ製のミッドソールを新たに作製し、靴本体に縫い付けていきます。今回は、マッケイ縫いによる縫い付け構造を採用しています。マッケイ縫いは、靴の中底からアウトソールまでを一体で縫い込む製法で、接着だけに頼らない分、剥がれにくく、実用性の高い修理方法です。特にゴルフシューズのように、横方向の力が頻繁にかかる靴には非常に相性の良い製法と言えます。

EVAスポンジは、軽量でクッション性に優れており、長時間の歩行でも足への負担を軽減してくれます。さらに、加工性が高いため、ヒール部分の高さや形状を細かく調整することが可能です。今回は、元のバランスを大きく崩さないように注意しながら、安定感を重視したヒール形状に整えています。

ミッドソールの縫い付けが完了したら、ヒール部分をEVAスポンジで成形し、全体のバランスを確認します。ゴルフシューズは、立った状態だけでなく、前傾姿勢での安定性も重要になるため、前後の高さや接地感を細かくチェックしながら調整を行います。

その後、Vibram 419Cアウトソールを接着・圧着し、最終仕上げへと進みます。圧着後は十分な時間を置き、接着が完全に安定してから、ソール周りの仕上げ作業を行います。側面のラインを整え、見た目にも違和感のない自然な仕上がりになるよう丁寧に削り出します。

完成した状態を確認すると、見た目はもちろん、機能面でも大きく生まれ変わった一足となりました。Vibram 419Cならではの高い滑り止め効果により、芝生の上でもしっかりと地面を捉え、スイング時の安定感が格段に向上しています。スパイクレスでありながら、安心して踏み込める感覚を得られる仕上がりです。

H様のXXIOスパイクレスシューズは、今回のオールソール交換修理によって、まだまだ現役で活躍できる状態へと再生しました。足元を気にすることなくプレーに集中できるのは、ゴルフにおいて非常に大きなメリットです。お気に入りの一足を長く使い続けたい方にとって、オールソール交換修理は非常に有効な選択肢だと改めて感じさせてくれる事例となりました。

このたびは、いずみ靴店に修理をご依頼いただき、誠にありがとうございました。

倉敷市 T様 ASICS サッカーボールシューズ 加水分解によるオールソール交換修理 ― 競技用シューズを「普段履きスニーカー」へ再構築 ―

今回ご紹介するのは、倉敷市にお住まいのT様よりご依頼いただいた
ASICS(アシックス)サッカーボールシューズのオールソール交換修理事例です。

この靴は本来、競技用として設計された特殊なシューズですが、
お客様からのご要望は少し変わったものでした。

「この靴を、普段履きのスニーカーとして履けるようにしたい」

一見すると簡単そうに聞こえるかもしれませんが、
実際には 構造的にも素材的にも難易度の高い修理となりました。

■ お預かり時の状態

まず、靴の状態を確認した段階で、
問題点ははっきりしていました。

  • ポリウレタン系素材のソールが加水分解

  • ソールが真っ二つに割れている

  • 触ると崩れるほど劣化が進行

競技用シューズに多く使われる軽量素材は、
時間の経過と湿気によって加水分解を起こしやすく、
今回のように「突然割れる」という症状がよく見られます。

■ さらに深刻だった中底の劣化

外見上のソール割れ以上に問題だったのが、
中底(インソールの下にある構造材)の状態です。

中底を確認すると、

  • 全体に亀裂が入っている

  • 指で押すと割れる

  • すでに構造材としての役割を果たしていない

という、かなり深刻な劣化状態でした。

■ ソール分解時に起きた問題

オールソール交換を行うため、
既存のソールを分解していくと、
予想通りではありますが 中底が割れてしまい、穴が開いた状態になりました。

これは作業ミスではなく、
中底そのものが素材として限界を迎えていたことが原因です。

この時点で、
「ソールを貼り替えるだけ」という選択肢は完全になくなりました。

■ 修理方針の再構築

今回の修理では、

  • アウトソール交換

  • ミッドソール新設

  • 中底の再建

  • 普段履きスニーカー仕様への変更

という、ほぼフルリビルドに近い作業が必要となりました。

競技用シューズをそのまま再現するのではなく、
日常使用に耐えられる靴として作り直すという方向性で進めます。

■ 中底の再建作業

まず最優先となったのが、
中底の再建です。

割れて穴の開いた状態では、
どんなに良いソールを付けても意味がありません。

そこで今回は、

  • 耐久性

  • 形状安定性

  • 縫い付け可能

という条件を満たす 本革を使用し、
新たに中底を作り直しました。

本革の中底は、

  • 経年劣化が緩やか

  • 修理対応がしやすい

  • 足当たりが自然

といった利点があり、
「長く履く靴」には非常に適しています。

■ EVAスポンジミッドソールの新設

中底が再建できたことで、
次に行うのが ミッドソールの構築です。

今回は、

  • EVAスポンジ素材

  • 適度なクッション性

  • 軽量性を重視

したミッドソールを採用しました。

さらに、
ウェッジソール形状とすることでヒールを高く設定し、
歩行時の安定性と疲れにくさを向上させています。

この工程では、
マッケイ縫いによってミッドソールを靴本体に直接縫い付けています。

接着だけに頼らない構造にすることで、
耐久性と修理後の安心感が大きく向上します。

■ アウトソール選択:Vibram 477B 黒

仕上げに使用したアウトソールは、
お客様ご指定の **Vibram 477B(黒)**です。

このソールの特徴は、

  • 丸い突起状のパターン

  • 柔らかすぎないゴム質

  • 日常使用に十分な耐摩耗性

特に今回の修理では、
突起パターンがサッカーボールシューズのイメージを連想させる点が
非常に重要なポイントでした。

競技用としての役割は終えても、
デザイン的な「出自」は残したい、
そんなお客様のご希望を形にした選択です。

■ 仕上げと最終確認

すべてのパーツを組み上げた後は、

  • 接地バランス

  • ヒール高の左右差

  • 縫い目と接着状態

を細かく確認し、
普段履きスニーカーとして違和感がないかをチェックします。

結果として、

  • 見た目は個性的なスニーカー

  • 構造はしっかりした日常靴

  • 歩行感は安定して快適

という、
**「用途を変えて生まれ変わった一足」**に仕上がりました。

■ 今回の修理を通して

競技用シューズは、
本来「軽さ・瞬発力」を重視して作られているため、
長期使用や修理を前提としていない構造が多く見られます。

しかし、今回のように、

  • 用途を見直す

  • 構造を組み替える

  • 素材を選び直す

ことで、
全く別の価値を持った靴として再生することも可能です。

「もう履けない」と諦める前に、
一度ご相談いただければ、
靴の状態に応じた最善の方法をご提案できます。


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倉敷市 T様 REGAL Walker ソール張替え修理事例 ― 履き慣れた一足を、もう一度安心して歩ける靴へ ―

今回ご紹介する修理事例は、倉敷市にお住まいのT様よりご依頼いただいた
REGAL(リーガル) Walker(ウォーカー)モデルのソール張替え修理です。

リーガルのウォーカーシリーズは、「歩くこと」を主眼に設計されたラインで、
クッション性・安定性・足運びの良さに定評があり、
通勤や日常使いはもちろん、長時間歩行にも対応できる実用性の高いモデルです。

その反面、履き心地が良いがゆえに使用頻度が高くなりやすく、
結果としてソールの消耗が進みやすいという特徴もあります。

■ お預かり時の状態について

お持ち込みいただいた靴を確認すると、
全体的に「かなり履き込まれている」ことが一目で分かる状態でした。

特に目立っていたのが、かかと部分の補修跡です。
過去に部分的な補修を行いながら履き続けてこられたことが伺えます。

これは靴を大切にされている証拠でもありますが、
同時に「ソール全体としては限界が近い」サインでもあります。

底面を確認すると、

  • アウトソールのパターン(溝)がほぼ消失

  • 踏み返し部分の摩耗が進行

  • 滑り止めとしての機能が著しく低下

といった状態でした。

ウォーキングシューズにおいて、
底面パターンの消失=安全性と歩行性能の低下を意味します。

滑りやすくなるだけでなく、
足の着地が不安定になり、膝や腰への負担も増えやすくなるため、
この段階での修理判断は非常に適切だと言えます。

■ 修理内容の検討

今回のケースでは、

  • アッパー(甲革)はまだしっかりしている

  • ミッドソールも大きな劣化は見られない

  • 問題はアウトソールの摩耗

という状況でした。

そのため、

「ミッドソールは活かし、アウトソールのみを張り替える」

という修理方法を選択しています。

これはコストと仕上がりのバランスが良く、
REGAL Walkerの設計思想にも合った、非常に理にかなった修理方法です。

■ 使用するソール材について

今回採用したのは
Vibram(ビブラム)2021 ソールです。

Vibram2021は、

  • 軽量なスポンジ系素材

  • 適度なクッション性

  • 歩行時の返りの良さ

  • 日常使いに十分な耐摩耗性

を兼ね備えたソールで、
ウォーキングシューズとの相性が非常に良いモデルです。

純正ソールと全く同じものは手に入りませんが、
「履き心地の方向性が近い素材」を選ぶことで、
違和感の少ない仕上がりを目指します。

■ 修理工程

1.ソールの分解

まずは、劣化したアウトソールを慎重に分解します。
この工程では、

  • ミッドソールを傷めないこと

  • 接着面をできるだけ平滑に保つこと

が重要です。

古い接着剤やゴムの残りを丁寧に除去し、
次の工程に備えます。

2.下処理作業

ソールを取り外した後は、

  • 接着面の研磨

  • 高さ・バランスの確認

  • 左右差の調整

といった下処理を行います。

この工程を丁寧に行うことで、
接着強度・耐久性・歩行時の安定感が大きく変わります。

3.Vibram2021の取り付け

下処理が完了したら、
Vibram2021ソールを靴の形状に合わせて成形し、
強力な専用接着剤を用いて圧着します。

位置ズレがないか、
踏み返し位置が適切かを確認しながら、
慎重に作業を進めます。

4.仕上げ・最終確認

圧着後は、

  • ソール周囲の仕上げ

  • 接着状態の確認

  • 実際に地面に置いてのバランスチェック

を行い、問題がなければ完成です。

■ 修理後の状態

修理後は、

  • 底面にしっかりとしたパターンが復活

  • クッション性のある歩き心地

  • 安定感のある接地感

が戻り、
「また安心して歩ける靴」に生まれ変わりました。

長年履き慣れた靴は、
新品に買い替えるよりも、
修理して履き続ける方が足に合うことも少なくありません。

今回のように、
適切なタイミングでソール張替えを行うことで、
靴の寿命は大きく延ばすことができます。

■ まとめ

REGAL Walkerは、
しっかりとした作りのため、
ソールさえ適切に修理すれば、
まだまだ長く履き続けることが可能な靴です。

「もうダメかも」と思われる状態でも、
実際には修理で十分対応できるケースも多くあります。

ソールの減りや滑りが気になり始めたら、
早めのご相談をおすすめします。


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東京都 H様 Dubarry(デュ・バリー)ブーツ 加水分解によるオールソール交換修理事例

— 側面跡形処理を伴う本格再構築 —

今回ご紹介する修理事例は、東京都にお住まいのH様よりご依頼いただいた Dubarry(デュ・バリー)ブーツのオールソール交換修理 です。
アイルランド発祥のデュ・バリーは、防水性と耐久性に優れたブーツを多く展開しており、アウトドアやタウンユースを問わず愛用されているブランドですが、使用されている素材の特性上、避けて通れない経年劣化も存在します。

■ ご依頼時の状態 ― ミッドソールの加水分解

お持ち込み時のブーツを確認すると、ミッドソール部分に明確な加水分解症状 が見られました。
ポリウレタン素材特有の劣化により、ミッドソールが脆くなり、部分的に剥がれと崩れが生じています。

加水分解は、空気中の水分と反応することで内部から分子構造が壊れていく現象で、見た目にはまだ使えそうに見えても、内部では確実に進行しています。
特にデュ・バリーのように、ミッドソールにポリウレタンを広範囲に使用している構造 の場合、この症状が出始めると部分補修では対応できず、オールソール交換修理が必須 となります。

さらにアウトソール部分も、長年の使用により 全体的に大きく摩耗 しており、グリップ力の低下も顕著でした。
これらの状態を踏まえ、今回はミッドソールからアウトソールまでをすべて作り直す、本格的なオールソール交換修理をご提案しました。


■ 修理の難所 ― 側面に残る「跡形」の問題

今回の修理で特に注意が必要だったのが、側面構造の処理 です。

このブーツは、ミッドソールのポリウレタンが 側面に幅広く貼り付けられている構造 になっています。
加水分解したミッドソールを除去すると、その下から接着跡や段差、素材の境目などがそのまま露出してしまいます。

この「跡形」をそのままにして新しいソールを取り付けてしまうと、

  • 側面の見た目が著しく損なわれる

  • 後付け感が強くなり、全体のバランスが崩れる

  • 耐久性や防水性にも悪影響が出る

といった問題が生じます。

そのため今回は、単なるソール交換ではなく、側面処理を含めた再構築修理 を行うことにしました。


■ 本革による側面処理 ― オパンケ縫いを採用

まず、加水分解したポリウレタンミッドソールを完全に除去し、残った素材や接着剤を丁寧に処理します。
下地を整えたうえで、側面の跡形を覆うために本革を新たに成形 し、靴本体に縫い付けていきます。

ここで採用したのが オパンケ縫い です。

オパンケ縫いは、側面から革を立ち上げて縫い付ける製法で、

  • 側面を立体的に整えられる

  • 跡形を自然に隠すことができる

  • 強度が高く、ハードユースにも耐える

といった特徴があります。

見た目の処理だけでなく、構造的な補強 としても非常に有効なため、今回のような修理には最適な方法と言えます。


■ EVAスポンジミッドソールの縫い付け ― マッケイ縫い

側面処理が完了した後は、新しいミッドソールの取り付けです。
今回は EVAスポンジ素材のミッドソール を採用しました。

EVAは、

  • 加水分解しにくい

  • 軽量でクッション性が高い

  • 加工がしやすく、修理向き

という特性があり、今後長く履いていただくための素材として非常に優れています。

このEVAミッドソールは、マッケイ縫い によって靴本体に直接縫い付けています。
マッケイ縫いは、底付けの安定性が高く、修理後のトラブルが少ない製法で、オールソール交換修理では定番かつ信頼性の高い方法です。


■ アウトソール ― Vibram1136を選択

仕上げとなるアウトソールには、Vibram1136 を使用しました。

Vibram1136は、

  • 厚みがあり耐摩耗性が高い

  • 悪路でも安定したグリップ力を発揮する

  • ブーツとの相性が非常に良い

といった特徴を持つソールです。

デュ・バリー本来のタフなイメージを損なわないよう、実用性重視のソール選定 を行っています。


■ 修理後の仕上がりと評価

完成したブーツは、修理前と比べると 全体的にごつく、無骨な印象 になりました。
しかしこれは決してマイナスではなく、

  • 構造的に強くなった

  • ハードな使用にも耐えられる

  • 今後の再修理もしやすい

という、実用靴として非常に優れた状態に生まれ変わっています。

見た目だけを元に戻す修理ではなく、これから先も安心して履き続けられること を最優先に考えたオールソール交換修理です。


■ まとめ

デュ・バリーのブーツは高品質で魅力的な反面、ポリウレタン素材の加水分解という宿命を抱えています。
しかし、適切な修理方法を選択すれば、寿命を大きく延ばすことが可能 です。

今回のように、

  • 側面跡形を本革で処理

  • オパンケ縫いとマッケイ縫いを使い分け

  • 加水分解しにくい素材へ置き換える

ことで、単なる延命ではなく「再構築」と言える修理が実現します。

同様の症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。


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兵庫県K様ご依頼|New Balance 576 ヒールカップ加水分解による交換修理事例

今回ご紹介する修理事例は、兵庫県にお住まいのK様よりお預かりした New Balance(ニューバランス)576 の修理です。


ニューバランス576は、クラシックなデザインと高い履き心地で、長年愛され続けている定番モデルのひとつです。特にイングランド製モデルはファンも多く、「多少傷んでも直しながら履き続けたい」と考える方が非常に多いスニーカーでもあります。

そんな576ですが、今回K様からご相談いただいたのは、かかとの外側に取り付けられている樹脂製ヒールカップの破損でした。


修理前の状態|ヒールカップの加水分解による割れ

お預かりしたニューバランス576を確認すると、ヒール外側に取り付けられている樹脂製のヒールカップが、経年劣化によって加水分解を起こし、ひび割れから完全に割れてしまっている状態でした。

このヒールカップは、単なる装飾ではなく、

  • かかとの形状を安定させる

  • 着地時のブレを抑える

  • 踵周りのホールド感を高める

といった重要な役割を担っています。
そのため、ヒールカップが割れたまま履き続けると、

  • かかとが不安定になる

  • 歩行時に違和感が出る

  • 靴本体の革や布地に余計な負担がかかる

といった問題が発生します。


ニューバランス576に多い「樹脂パーツの加水分解」

ニューバランス576に限らず、90年代〜2000年代に製造されたスニーカーには、ポリウレタンや塩ビ系素材の樹脂パーツが多く使われています。
これらの素材は、時間の経過とともに空気中の水分と反応し、加水分解を起こします。

加水分解が進行すると、

  • 表面がベタつく

  • ひび割れが発生する

  • 最終的には粉々に崩れる

といった症状が現れます。
今回のヒールカップも、まさにこの典型的な経年劣化によるものと言えます。


純正部品が手に入らないという現実

ニューバランス576のヒールカップは、純正部品としての供給がほぼありません。
メーカー修理でも対応不可となるケースが多く、「直せないから処分するしかない」と諦めてしまう方も少なくありません。

しかし、いずみ靴店では、

  • オリジナル形状をできる限り再現

  • 素材を変えて耐久性を向上

  • 今後も長く履ける構造にする

という考え方で、代替素材による修理をご提案しています。


修理方針|本革によるヒールカップの製作

今回の修理では、同じような樹脂製ヒールカップが入手できないため、本革を使用してヒールカップを一から製作する方法を採用しました。

本革を使うメリットは、

  • 加水分解しない

  • 経年変化を楽しめる

  • 靴本体との馴染みが良い

  • 強度と柔軟性のバランスが良い

といった点にあります。

スニーカーに革を使うことに不安を感じる方もいらっしゃいますが、実はニューバランスのアッパー自体にも天然皮革が多く使われており、相性は決して悪くありません。


作業工程① 破損したヒールカップの取り外し

まずは、加水分解して割れてしまった樹脂製ヒールカップを、慎重に取り外します。
この工程では、靴本体のアッパーや内側のヒールカウンターを傷めないよう、細心の注意が必要です。

劣化した樹脂は非常にもろく、無理に外そうとすると周囲まで裂けてしまうため、少しずつ状態を見ながら分解していきます。


作業工程② 革の選定と型取り

次に、本革素材の選定を行います。
今回は、ある程度のコシがありながらも、足当たりが硬くなりすぎない革を使用しました。

元のヒールカップの形状を参考にしながら、

  • 高さ

  • カーブ

  • かかとの包み込み具合

を細かく調整し、型紙を作成します。
この工程が仕上がりの良し悪しを大きく左右するため、時間をかけて慎重に行います。


作業工程③ 本革ヒールカップの成形

型紙をもとに革を裁断し、立体的に成形していきます。
平面の革を、かかとの丸みに合わせて立ち上げていく作業は、経験と感覚が必要です。

ここで無理な力をかけると、後々シワや浮きの原因になるため、少しずつクセをつけながら形を作ります。


作業工程④ 八方ミシンによる縫い付け

成形した本革ヒールカップは、八方ミシンという特殊な工業用ミシンを使って、靴本体に縫い付けていきます。

八方ミシンは、

  • 円筒状のもの

  • 立体構造のパーツ

  • 通常のミシンでは縫えない箇所

を縫うための、非常に専門性の高いミシンです。
スニーカーのヒール周りを縫製するには欠かせない設備で、どの靴修理店にもあるものではありません。

縫い目のピッチや糸のテンションを調整しながら、見た目と強度の両立を図ります。


仕上がりと完成後の状態

縫い付けが完了すると、本革製のヒールカップがしっかりとかかとを包み込み、安定感のある仕上がりになりました。
見た目も違和感が少なく、元々の576の雰囲気を大きく損なうことはありません。

樹脂製とは違い、今後は割れや加水分解の心配がないため、長期的に安心して履いていただけます。


修理を検討されている方へ

ニューバランス576のヒールカップ割れは、決して珍しい症状ではありません。
「もう直らない」と諦めてしまう前に、素材や構造を工夫することで、修理が可能なケースも多くあります。

いずみ靴店では、今回のように、

  • 純正部品が無い

  • メーカー修理不可

  • 他店で断られた

といった靴でも、状態を見極めた上で最適な修理方法をご提案しています。


修理内容まとめ

  • 修理品:New Balance(ニューバランス)576

  • 症状:樹脂製ヒールカップの加水分解・破損

  • 修理方法:本革によるヒールカップ製作・交換

  • 縫製:八方ミシン使用

大切な一足を、これからも長く履き続けたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

東京都 S様 NIKE AJ1 ゴルフシューズ 底剥がれ修理事例 構造的な注意点

今回ご紹介するのは、東京都にお住まいのS様よりご依頼いただいた
**NIKE エア・ジョーダン1 ゴルフシューズ(AJ1 GOLF)**の底剥がれ修理です。

AJ1といえば、バスケットボールシューズとして誕生し、現在ではスニーカーシーンを代表する名作モデルですが、こちらはそのAJ1をベースにゴルフ仕様へとアレンジしたモデルになります。


デザイン性の高さから、ゴルフ場でもタウンユースでも人気の高い一足ですね。

■ ご依頼内容と靴の状態

お持ち込み時の状態は、アウトソールが前足部を中心に剥がれ始めており、歩行時やスイング時に違和感が出ているとのことでした。
一見すると「接着が甘くなっただけ」に見える症状ですが、ゴルフシューズという用途を考えると、このまま使用を続けるのは非常に危険です。

ゴルフのスイングでは、踏み込んだ際に前後方向だけでなく、横方向にも強い力がかかります。
特にダウンスイングからインパクトにかけては、靴底に大きなねじれと横ズレの力が集中します。そのため、底剥がれを起こした状態では、プレー中に一気に剥離が進行する可能性があります。

■ 分解して判明した構造上の問題点

状態を正確に把握するため、まずはソール部分を慎重に分解しました。
その結果、意外にも、いや「やはり」と言うべきか、**側面に見えるステッチはフェイク(飾り縫い)**であり、実際には靴本体とソールは縫い付けられていませんでした。

構造としては、
・靴本体
・ミッドソール
・アウトソール

これらがボンド接着のみで組み立てられており、縫製による補強は一切ありません。

街履きや軽い使用であれば問題になりにくい構造ですが、ゴルフシューズとして考えると、横方向の負荷に対する耐久性が不足しているのは否めません。
今回の底剥がれは、経年劣化による接着力低下に加え、ゴルフ特有の動作が重なった結果と言えるでしょう。

■ 修理方針の検討

単純に「もう一度ボンドで貼り直す」だけでは、再発の可能性が非常に高くなります。
S様からも「しっかり直して、安心して使いたい」というご要望をいただいていたため、今回は構造そのものを強化する修理を行うことにしました。

修理方針は以下の通りです。

  1. 古い接着剤を完全に除去し、接着面を整える

  2. 強度の高い専用ボンドで再接着

  3. 側面をオパンケ縫いミシンで縫い付け、物理的にソールを固定する

■ ボンド接着と下処理

まず、剥がれかけたソールと靴本体から、劣化したボンドを丁寧に除去します。
この下処理を怠ると、新しい接着剤の性能を十分に発揮できません。

その後、接着面を荒らし、素材に適したプライマー処理を施したうえで、高強度のボンドを使用して圧着します。
この段階で、見た目上は新品同様に戻りますが、今回はここで終わりません。

■ オパンケ縫いによる構造補強

接着後、側面をオパンケ縫いミシンで一周しっかりと縫い付けていきます。
オパンケ縫いは、靴本体とソールを直接貫通させて縫い合わせるため、接着だけに頼らない非常に強力な固定方法です。

特に今回のようなゴルフシューズでは、
・横方向のズレ
・ねじれ
・繰り返しの衝撃

これらに対して、縫製による補強が大きな効果を発揮します。

見た目のステッチが「飾り」から「本物の機能的な縫い」へと変わることで、靴としての信頼性は格段に向上します。

■ 修理後の状態と仕上がり

修理完了後は、ソールが靴本体と一体化し、手で捻っても剥がれる気配はありません。
これで、糸が切れない限りソールが剥がれることはほぼ無い状態になりました。

S様にも仕上がりを確認していただき、
「これなら安心してスイングできますね」
と、大変ご満足いただけました。

■ まとめ

デザイン性の高いスニーカーベースのゴルフシューズは、構造的に「接着のみ」のものも少なくありません。
しかし、実際の使用環境を考えると、今回のように縫製による補強修理を行うことで、安心して長く使える一足に生まれ変わります。

大切なゴルフシューズでお悩みの方は、症状が軽いうちにぜひご相談ください。

安心してプレーに集中できる一足へ。
いずみ靴店が、しっかりとお手伝いさせていただきます。

新潟県T様よりご依頼|Timberland フィールドブーツ 履き口スポンジ表皮張り替え修理 加水分解しています

今回ご紹介する修理事例は、新潟県にお住まいのT様よりご依頼いただいた
Timberland(ティンバーランド) フィールドブーツの履き口スポンジ表皮張り替え修理です。

ティンバーランドのフィールドブーツは、アウトドアテイストのデザインと堅牢な作りで人気の高いモデルですが、経年使用によって避けられないトラブルの一つが、履き口部分に使われている合成皮革の加水分解です。

■ ご来店時の状態|履き口表皮の加水分解

お預かりしたブーツを確認すると、履き口内部のスポンジを覆っている表皮素材が、
加水分解によってボロボロと剥がれ落ちている状態でした。

・表皮が粉状になり、指で触るだけで崩れる
・スポンジ自体がむき出しになっている箇所がある
・履くたびに靴下に黒い粉が付着する

といった、合成皮革特有の典型的な劣化症状が見られます。

この症状は「汚れ」や「摩耗」ではなく、素材そのものの寿命によるものです。そのため、クリーニングや簡易補修では改善できず、表皮を根本から作り直す必要があります。

■ なぜ合成皮革は加水分解するのか

合成皮革は、軽量でコストを抑えられる反面、
・湿気
・汗
・経年
といった条件が重なることで、内部のポリウレタン樹脂が分解し、ボロボロになる性質を持っています。

特に履き口部分は
・足首からの汗
・雨や雪の侵入
・脱ぎ履き時の摩擦
といったダメージが集中しやすく、ブーツの中でも劣化が最も早く進行する箇所です。

■ 修理方針|本革による表皮の作り直し

今回の修理では、劣化した合成皮革をすべて撤去し、
本革で履き口スポンジの表皮を新たに作り直す方法を選択しました。

部分的な補修では、残った合成皮革もいずれ同じように劣化するため、
長期的な使用を考えると「全交換」が最善と判断しています。

■ 修理工程① 履き口スポンジの分解・取り外し

まずは靴本体から履き口スポンジを丁寧に分解していきます。

ティンバーランドのフィールドブーツは、履き口部分が
・アッパー
・裏材
・スポンジ
と複雑に縫製されているため、無理に引き剥がすことはできません。

周囲の縫製を一つひとつほどき、
靴本体を傷めないよう慎重に履き口スポンジを取り外します。

この工程は見た目以上に手間がかかり、仕上がりを左右する重要な作業です。

■ 修理工程② 劣化した表皮の除去と下処理

取り外した履き口スポンジから、加水分解した合成皮革を完全に除去します。

劣化した素材は接着力も失っているため、
表面をきれいに整え、スポンジの状態を確認しながら下処理を行います。

スポンジ自体はまだ弾力が残っており、今回は交換せず再利用が可能と判断しました。

■ 修理工程③ 本革による表皮張り替え

新しい表皮には、耐久性と足当たりの良さを考慮し、
適度な厚みのある本革を使用します。

・足首に直接触れても違和感がない
・縫製に耐えられる強度がある
・長期間使用しても劣化しにくい

といった条件を満たす革を選定し、履き口スポンジの形状に合わせて裁断します。

本革を丁寧に貼り込み、シワや浮きが出ないよう成形していきます。

■ 履き口中央の縫い目について

元の仕様では、履き口スポンジの中央部分に縦方向の縫い目が入っていました。

この縫製は専用の設備と高い精度が必要で、
まっすぐ縫い付けることができる特殊なミシンが必要となります。

当店では同様の完全再現は難しいため、
見た目のイメージを重視した仕上げとし、機能面・耐久面を優先した仕様としています。

使用上の問題はなく、履き心地や強度に影響はありません。

■ 修理工程④ 靴本体への縫い付け(八方ミシン)

仕上げとして、本革で張り替えた履き口スポンジを靴本体に縫い付けます。

この工程では、八方ミシンを使用し、
複雑な立体形状に沿って均一なテンションで縫製を行います。

履き口は足首の動きに追従する必要があるため、
縫い目が硬すぎても、緩すぎてもいけません。

長年の修理経験をもとに、耐久性と快適性のバランスを考えながら仕上げています。

■ 修理完了後の状態と履き心地

修理完了後は、
・ボロボロと崩れることはなく
・足当たりが柔らかく
・しっかりとしたホールド感のある履き口
に生まれ変わりました。

本革を使用したことで、合成皮革とは比べものにならない耐久性が期待できます。

また、革に厚みがある分、
足首周りのフィット感が向上し、安定した履き心地になっています。

■ 合成皮革の加水分解でお悩みの方へ

履き口やタン、内側パッドなどに合成皮革が使われている靴は、
どんなに大切に保管していても、いずれ同じ症状が起こります。

「もう履けない」と諦める前に、
本革による張り替え修理という選択肢があることを知っていただければ幸いです。


いずみ靴店では、素材の特性を理解したうえで、
長く履き続けられる修理方法をご提案しています。

履き口スポンジの加水分解でお困りの方は、
お気軽にご相談ください。

山梨県 I様 FootJoy(フットジョイ)ターロウ スパイクレス化オールソール交換修理事例

今回ご紹介する修理事例は、山梨県にお住まいのI様よりご依頼いただいた
FootJoy(フットジョイ)「ターロウ」モデルのオールソール交換修理です。

フットジョイはゴルフシューズの分野では世界的に評価の高いブランドで、
ツアープロからアマチュアまで幅広い層に支持されています。
今回の「ターロウ」は、クラシックなデザインをベースにしながらも、
ラウンドだけでなく練習場やタウンユースでも使いやすいモデルとして人気があります。

しかし、どれだけ上質なゴルフシューズであっても、
ソール部分は消耗品であり、使用年数や保管環境によっては劣化を避けられません。


ご依頼内容と修理前の状態

I様よりご相談いただいた内容は、
「ソールが劣化してきており、亀裂や剥がれが目立つため、
スパイクレス仕様にしてオールソール交換したい」というものでした。

実際にお預かりした靴を確認すると、

  • アウトソール全体に細かな亀裂が発生

  • 接着面の劣化による浮き・剥がれ

  • ゴルフシューズ特有の硬化したソール素材による柔軟性の低下

といった症状が見受けられました。

この状態では、
・歩行時の安定性が損なわれる
・スイング時に踏ん張りが効かない
・剥がれが進行すれば安全面にも不安が残る

といった問題が起こる可能性があります。

部分補修では対応が難しく、
オールソール交換修理が最適な選択と判断しました。


スパイクレス化という選択

今回の修理の大きなポイントは、
**「スパイクレス化」**です。

従来のスパイク付きゴルフシューズはグリップ力に優れていますが、

  • スパイクの摩耗・脱落

  • メンテナンスの手間

  • 普段履きや練習場での使いにくさ

といったデメリットもあります。

そこでI様は、
「ラウンドでも使えて、普段の歩行も快適なスパイクレス仕様」
をご希望されました。


使用するソールと修理方針

今回採用したのは、
Vibram(ビブラム)419C スパイクレスソールです。

このソールは、

  • 適度なグリップ力

  • フラットで安定した接地感

  • ゴルフシューズとの相性の良さ

を兼ね備えており、
スパイクレス化を希望されるお客様には非常に人気のあるソールです。

また、ミッドソールには
白系のEVAスポンジを使用し、

  • 軽量性

  • クッション性

  • 長時間歩行時の疲労軽減

を重視した構成としました。


修理工程① 既存ソールの分解・取り外し

まずは、劣化した元のソールを
慎重に分解・取り外す作業から始めます。

ゴルフシューズはモデルによって構造が異なり、
無理に剥がすとアッパー(甲革)を傷めてしまう恐れがあります。

今回は、

  • 劣化した接着剤

  • 古いソール素材

を一つひとつ確認しながら、
靴本体に負担をかけないよう丁寧に取り外しました。

ソールを外した後は、
接着面をきれいに整え、次の工程に備えます。


修理工程② EVAスポンジによるミッドソール作成

次に行うのが、
白系EVAスポンジを使用したミッドソールの作成です。

EVAスポンジは、

  • 軽量で反発性がある

  • ゴルフシューズに必要な安定感を確保できる

  • 経年劣化しにくい

といった特長があります。

靴のバランスを見ながら厚みを調整し、
歩行時・スイング時ともに違和感が出ないよう設計します。


修理工程③ マッケイ縫いによる固定

ミッドソールは、
マッケイ縫いによって靴本体に固定しました。

マッケイ縫いは、

  • ソールと靴本体を直接縫い合わせる製法

  • 接着だけに頼らないため剥がれにくい

  • 修理後も安定した履き心地が得られる

というメリットがあります。

ゴルフシューズのように、
踏み込みや体重移動が激しい靴には非常に相性の良い製法です。


修理工程④ ヒール部分の作成

続いて、
同じ白系のEVAスポンジを使ってヒール部分を成形します。

ヒールは、

  • 歩行時の衝撃を受けやすい

  • バランスに大きく影響する

重要な部分です。

左右の高さ・角度を細かく調整し、
自然な歩行ができるよう丁寧に仕上げました。


修理工程⑤ Vibram419Cを貼り付けて完成

最後に、
Vibram419C スパイクレスソールを貼り付けて仕上げます。

接着後は圧着・乾燥を十分に行い、
ズレや浮きが出ないことを確認。

仕上がった靴は、

  • 見た目はスッキリとしたスパイクレス仕様

  • 歩行時の安定感が向上

  • 軽快で疲れにくい履き心地

へと生まれ変わりました。


修理後の仕上がりとまとめ

今回の修理により、
I様のFootJoy ターロウは、

  • 劣化したソールの不安を解消

  • スパイクレス化による汎用性アップ

  • 今後も長く履き続けられる一足

となりました。

ゴルフシューズは「消耗したら買い替え」と思われがちですが、
オールソール交換修理によって、
お気に入りの一足を再生することが可能
です。

いずみ靴店では、
ゴルフシューズ・スニーカー・ブーツなど、
さまざまな靴の構造に対応した修理を行っております。

ソールの劣化や剥がれでお困りの方は、
ぜひ一度ご相談ください。


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埼玉県 I様 NIKE(ナイキ)JORDAN TATUM 1 特殊構造バスケットシューズのソール張替え修理事例

今回ご紹介する修理事例は、埼玉県にお住まいのI様よりご依頼いただいた、NIKE(ナイキ)JORDAN TATUM 1(ジョーダン テイタム1)のソール張替え修理です。

JORDAN TATUM 1は、NBAプレイヤーであるジェイソン・テイタムのシグネチャーモデルとして開発されたバスケットボールシューズで、軽量性と反発力、そして独特なデザインが特徴の一足です。競技用として設計されているため、一般的なスニーカーとは構造が大きく異なり、修理においても注意が必要なモデルになります。

■ ご依頼内容と靴の状態

I様からのご相談内容は
「ソールの底面がかなり削れてきたため、オールソール交換修理をしてほしい」
というものでした。

実際に靴をお預かりして確認すると、アウトソールの摩耗はかなり進行しており、特につま先から前足部にかけて大きく削れています。競技用シューズらしく、踏み込みやターン動作が多い履き方をされていたことがよく分かる状態でした。

ただし、問題は単純な「すり減り」だけではありませんでした。

■ JORDAN TATUM 1の特殊なソール構造

JORDAN TATUM 1を分解せずに内部構造を確認すると、
靴本体(アッパー)とアウトソールの間に非常に大きな空間が設けられており、その内部に**エアーバッグ(クッション構造)**が仕込まれている、かなり特殊な設計になっていることが分かりました。

この構造は、

  • 軽量化

  • 高いクッション性

  • 瞬発的な反発力

を実現するためのもので、競技用としては非常に理にかなっています。しかし、靴修理の観点から見ると、この構造は大きなリスクを伴います。

■ オールソール交換が難しい理由

当初ご希望されていたオールソール交換修理ですが、JORDAN TATUM 1の場合、以下の問題点がありました。

まず、アウトソールを完全に取り外してしまうと、

  • 側面の仕上げ(跡形処理)を綺麗に行える可能性が低い

  • エアーバッグや内部構造を損傷するリスクが高い

という点が挙げられます。

また、このモデルは、一般的なカップソールやフラットなソールとは異なり、立体的かつ複雑な形状をしています。そのため、ソールを取り外した後に、
「新しいソールを確実に装着できるかどうか」
「接着強度を十分に確保できるか」
という判断自体が、事前に確定できない構造でした。

無理にオールソール交換を行った場合、見た目が大きく崩れてしまったり、実用に耐えない仕上がりになる可能性もあります。そこで今回は、リスクの高い修理は避け、確実性を優先した修理方法へ切り替える判断をしました。

■ 修理方針の変更について

I様とご相談の上、今回はオールソール交換ではなく、
底面を平らに削り込み、新たにアウトソールを貼り付ける「ソール張替え修理」
という方法を採用しました。

この方法であれば、

  • 元のデザインを大きく崩さない

  • 内部構造(エアーバッグ)に手を加えずに済む

  • 接着強度を安定して確保できる

といったメリットがあります。

競技用シューズの場合、「理論上できる修理」よりも「実際に問題なく履える修理」を選ぶことが非常に重要です。

■ 使用するソール材:Vibram 298C

今回使用したのは、Vibram(ビブラム)298Cです。
このソールは、

  • 高い耐摩耗性

  • 屋内外で安定したグリップ力

  • 比較的薄く、加工しやすい

という特徴があり、今回のように「底面を削り込んで貼る」修理に非常に適しています。

バスケットシューズ特有の接地感を大きく損なわず、実用性を確保できる点も選定理由の一つです。

■ 修理工程:底面の削り込み

まずは、摩耗して凹凸が激しくなっている底面を、専用の機械でフラットになるまで削り込みます。

この工程では、

  • 削りすぎないこと

  • 内部構造に影響を与えないこと

が重要です。特にJORDAN TATUM 1は、内部に空間があるため、感覚だけで削ると危険です。削り具合を常に確認しながら、慎重に作業を進めます。

底面がきれいに整ったら、接着力を高めるための下処理を行います。

■ Vibram298Cの貼り付け作業

下処理が完了した底面に、専用のボンドを使用してVibram298Cを貼り付けます。
圧着後は十分な時間をかけて固定し、剥がれやズレが起きないようにします。

ソールの縁は、元のデザインに極力馴染むよう、丁寧に成形・仕上げを行います。完全なオリジナル再現ではありませんが、違和感なく自然な見た目に仕上げることを意識しています。

■ 修理完了・仕上がりについて

修理完了後は、

  • 底面の摩耗は完全に解消

  • グリップ力も回復

  • 元のデザインを活かしたまま実用可能

な状態になりました。

オールソール交換を無理に行わなかったことで、JORDAN TATUM 1本来の構造と履き心地を大きく損なうことなく、今後も使用できる仕上がりになっています。

■ まとめ:競技用シューズの修理について

近年のナイキやジョーダンブランドのバスケットシューズは、非常に高度で複雑な構造をしています。そのため、
「すり減った=必ずオールソール交換できる」
というわけではありません。

靴の構造を正しく見極め、
できる修理・やるべき修理・やらない方がいい修理
を判断することが、長く安全に履くためには重要です。

JORDAN TATUM 1のようなモデルでお悩みの方は、まずは状態確認からお気軽にご相談ください。


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