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日別アーカイブ: 2025年9月28日

福井県 S様 Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツ 履き口スポンジ交換修理

福井県 S様 Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツ 履き口スポンジ交換修理

今回ご紹介するのは、福井県にお住まいのS様からご依頼いただいた Dr.Martens(ドクターマーチン)ブーツの履き口スポンジ交換修理 です。

マーチンのブーツといえば、黄色いステッチと分厚いエアクッションソールが象徴的で、ファッションアイテムとしても実用靴としても世界中で愛用されています。しかし、どんなに頑丈なブーツでも、毎日の着用や経年によって各部にダメージが蓄積していきます。特に今回の「履き口(くるぶしやアキレス腱のあたりが当たる部分)」は、足の出し入れで常に擦れや負荷がかかるため、意外と早く傷んでしまう箇所です。

 


ご依頼時の状態

S様のブーツは、見た目こそまだまだ現役で履ける状態でしたが、履き口まわりに大きなトラブルが発生していました。

  • 履き口の表皮が全体的に ハゲハゲ状態

  • 特に右足は破れがひどく、中のスポンジまで一緒に裂けている

このようになると、履き心地の悪化はもちろん、足首やアキレス腱に直接スポンジの破片や硬い部分が当たり、不快感や靴擦れの原因になってしまいます。また、見た目の印象も大きく損なわれるため、「そろそろ買い替えか…」と悩まれる方も多い箇所です。

しかし、ブーツ全体の革やソールにはまだ十分な耐久性がありましたので、履き口だけを修理することで、これからも長くご愛用いただける状態に戻せると判断しました。


劣化の原因について

履き口の表皮は「合成皮革」ではなく、どうやら 床革に着色したタイプ の素材でした。床革とは、革を漉いた際に出る下層部分を利用した革で、スムースレザーと比べるとどうしても引張強度や耐久性に劣ります。

床革自体はコストを抑えつつ柔らかさを持たせられるため、履き口のように「柔らかく、足に触れて優しい質感が求められる箇所」にはよく用いられます。しかし、その反面で以下のような弱点があります。

  • 擦れや引っ張りに弱く、表面が剥がれやすい

  • 加工によっては表皮が薄いため、すぐにハゲたような見た目になる

  • 長年の使用で繊維が摩耗し、破れにつながる

今回の「ハゲハゲになってしまった」症状も、この床革の特徴が大きく影響していたと思われます。さらに右足は、スポンジ自体も裂けてしまっていたため、表皮だけの補修では十分な耐久性を確保できません。


修理方針

こうした状態に対して、当店では以下の方針で修理を行いました。

  1. 劣化した表皮を完全に除去
     → ハゲた床革部分を剥がして、新しい素材に交換。

  2. スポンジの交換
     → 裏地ごと破れていた右足に合わせて、左右とも新品のスポンジを入れ直し。

  3. 新しい表皮にはスムースレザーを採用
     → 耐久性の高い本革を用いて、柔らかさと丈夫さを両立。

  4. 縫製による確実な固定
     → 新しいスポンジと革を靴本体にしっかり縫い付けて、将来的な再劣化を防止。

これにより、見た目も履き心地も新品同様に近づけることができます。


修理工程の流れ

実際の作業工程を簡単にご紹介します。

①解体

まずは傷んだ表皮と破れたスポンジを取り除きます。履き口はブーツ全体の構造と密接に関わっているため、無理に剥がすと外側のアッパーまで傷めてしまうことがあります。丁寧に分解し、交換する範囲を明確にしました。

②スポンジの新調

中に収めるスポンジは、硬すぎても足当たりが悪く、柔らかすぎても耐久性に欠けます。今回は履き口に適した柔軟性と復元力のあるスポンジを選びました。新しいスポンジを入れることで、足首を包み込むクッション性が蘇ります。

③スムースレザーでカバー

次に、スポンジを新しい革で挟み込みます。選んだのは、床革ではなく スムースレザー。これは表面がしっかりしており、摩擦や引っ張りに強いため、履き口の耐久性を大きく高めることができます。また、見た目の美しさも格段に向上します。

④縫製(八方ミシン)

新しい革を縫い込む工程では、靴修理専用の 八方ミシン が活躍します。立体的で狭いブーツの履き口部分でも自在に縫える特殊なミシンで、仕上がりの美しさと強度を両立できます。この工程によって、しっかりとした固定が実現できました。


修理後の仕上がり

修理が完了したブーツは、履き口が新品同様に蘇り、見た目も履き心地も格段に改善しました。

  • 足首まわりのクッション性が回復

  • 表面がスムースレザーになり、摩耗に強くなった

  • ハゲていた見た目が解消され、印象が大きく改善

特に今回は「床革からスムースレザーへの素材変更」によって、今後の耐久性が大幅に向上しています。S様にも「また安心して長く履けそう」と喜んでいただけました。


今回の修理のポイント

  1. 床革の劣化は避けられない
     履き口に使われる床革は、どうしても耐久性に限界があります。劣化が進む前に早めに修理に出すことで、ダメージを最小限に抑えることができます。

  2. スポンジも同時に交換がベスト
     表皮だけ張り替えても、内部のスポンジが劣化していれば再度破れてしまいます。まとめて交換することで、安心して長く履ける状態に仕上がります。

  3. 素材選びで寿命が変わる
     今回スムースレザーを選んだように、素材を工夫することでオリジナル以上の耐久性を持たせることができます。


まとめ

ドクターマーチンはタフなブーツとして知られていますが、履き口のスポンジや表皮はどうしても傷みやすい部分です。しかし、適切な修理を行えば再び快適に履き続けることができます。

今回のS様のブーツも、履き口を修理したことで、これからまた長い時間を共に歩んでいただけるでしょう。

「お気に入りの靴をまだまだ履きたい」
「買い替えるのはもったいない」

そんな時は、ぜひ当店にご相談ください。お客様の大切な一足を、できる限り長く使えるよう丁寧に修理いたします。


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群馬県 T様 NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し 作成交換修理

群馬県 T様 NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し 作成交換修理

今回ご依頼いただいたのは、群馬県にお住まいのT様からお送りいただいた NIKE(ナイキ)のバスケットボールシューズ です。長年ご愛用されてきた一足で、まだまだ現役で履き続けたいとのことで当店「いずみ靴店」に修理をご相談いただきました。

不具合の内容 ― 靴紐通しの切れ

シューズを拝見すると、アッパーやソールは大きなダメージもなく、まだ十分に使用可能な状態でした。しかし、靴紐を通すための輪っか(ループ)が破損してしまっています。


このモデルは一般的な金属ハトメやプラスチックパーツではなく、アッパーに平紐状のループを縫い付けて靴紐を通す構造。スポーツシューズらしい軽快さやフィット感を重視した設計ですが、その反面「布製のループが摩耗に弱い」という弱点を抱えていました。

バスケットボールは横方向の激しいステップや急なストップ&ゴーが繰り返される競技です。そのため、靴紐にかかるテンションは想像以上に大きく、特に結び目付近や頻繁に締め直す部分には大きな負荷がかかります。T様のシューズでも、使用を重ねるうちに布製ループの一部が切れてしまい、靴紐を通せなくなっていたのです。

純正部品が入手できないケース

スニーカー修理の難しさのひとつは、「純正パーツが流通していない」点です。特に靴紐通しのような細かなパーツはメーカーでも単品供給されないため、破損するとシューズ全体が使えなくなってしまうことが少なくありません。

今回のケースでも、同じような平紐状のパーツを新品で取り寄せることは不可能でした。そのため当店では、オリジナルのイメージを損なわない形で、新しく靴紐通しを作り直す という方法で修理を進めました。

本革とナイロンテープで新しいループを作成

まずは代替素材の選定です。オリジナルに近い「平紐」の質感を再現するため、柔軟でありながら耐久性のある本革を選びました。しかし革だけでは摩擦や引っ張りに対して強度が不足する恐れがあります。

そこで、中にナイロンテープを仕込み、本革で巻く ことで強度を確保。革のしなやかさとナイロンの引張耐性を組み合わせることで、見た目は革製のループでありながら、実用性としてはオリジナルを上回る強さを実現しました。

この工程は見た目以上に手間がかかります。革を巻き付ける際に厚みを最小限に抑えなければ、靴紐を通したときのフィーリングが変わってしまうからです。強度を確保しつつも、厚ぼったくならないように細心の注意を払いながら加工しました。

靴本体への縫い付け

次に、新しく作成したループを靴本体に縫い付けていきます。ループの位置や角度は靴紐の通りやフィット感に直結するため、ミリ単位の精度で調整する必要があります。もし取り付け位置がずれると、靴紐を締めたときに左右のバランスが崩れ、足に余計なストレスがかかってしまいます。

ここで活躍するのが 八方ミシン です。八方ミシンは立体的な靴の構造に合わせて、あらゆる角度から縫製できる特殊なミシンで、靴修理には欠かせない道具のひとつ。今回もアッパーのカーブや既存の縫い目に沿いながら、しっかりとループを縫い付けることができました。

縫製の際には、負荷が集中しやすい部分を補強するように縫い進め、単純に「元に戻す」だけでなく、今後より長く使用できる強度を確保 することを意識しました。

修理完了 ― オリジナルを超える仕上がり

完成したシューズを改めて確認すると、見た目はオリジナルに近い自然な仕上がりでありながら、中にはナイロンテープが仕込まれているため強度は格段に向上しています。T様からも「新品の頃より安心して使えそう」とのお声をいただきました。

今回のように、メーカーが想定していない部位でも、工夫次第で修理・補強することが可能です。特にスポーツシューズは履き心地に慣れてしまうと代替モデルが見つけにくいため、修理によってお気に入りの一足を延命させる価値は非常に大きいと言えるでしょう。

靴紐通しの破損でお困りの方へ

靴紐通しのループが切れてしまうと「もう履けない」と思われる方も多いですが、実際には今回のように修理が可能なケースもあります。布製・ナイロン製・革製など素材に応じて対応方法は変わりますが、いずれの場合も「強度を高めながら違和感のない見た目に仕上げる」ことを意識して作業しています。

もし同じようなお悩みをお持ちでしたら、一度ご相談いただければと思います。修理の可否を含め、最適な方法をご提案させていただきます。


まとめ

  • 依頼内容:NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し修理

  • 症状:平紐のループが切れて使用不可

  • 修理方法:本革でループを作成、中にナイロンテープを仕込んで強度アップ

  • 取り付け:八方ミシンで靴本体に縫い付け

  • ポイント:オリジナルのイメージを保ちながら強度を向上

大切な一足を「まだまだ履きたい」というお気持ちに応えられるよう、当店では今後も工夫を凝らした修理に取り組んでまいります。


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