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群馬県 T様 NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し 作成交換修理

群馬県 T様 NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し 作成交換修理

今回ご依頼いただいたのは、群馬県にお住まいのT様からお送りいただいた NIKE(ナイキ)のバスケットボールシューズ です。長年ご愛用されてきた一足で、まだまだ現役で履き続けたいとのことで当店「いずみ靴店」に修理をご相談いただきました。

不具合の内容 ― 靴紐通しの切れ

シューズを拝見すると、アッパーやソールは大きなダメージもなく、まだ十分に使用可能な状態でした。しかし、靴紐を通すための輪っか(ループ)が破損してしまっています。


このモデルは一般的な金属ハトメやプラスチックパーツではなく、アッパーに平紐状のループを縫い付けて靴紐を通す構造。スポーツシューズらしい軽快さやフィット感を重視した設計ですが、その反面「布製のループが摩耗に弱い」という弱点を抱えていました。

バスケットボールは横方向の激しいステップや急なストップ&ゴーが繰り返される競技です。そのため、靴紐にかかるテンションは想像以上に大きく、特に結び目付近や頻繁に締め直す部分には大きな負荷がかかります。T様のシューズでも、使用を重ねるうちに布製ループの一部が切れてしまい、靴紐を通せなくなっていたのです。

純正部品が入手できないケース

スニーカー修理の難しさのひとつは、「純正パーツが流通していない」点です。特に靴紐通しのような細かなパーツはメーカーでも単品供給されないため、破損するとシューズ全体が使えなくなってしまうことが少なくありません。

今回のケースでも、同じような平紐状のパーツを新品で取り寄せることは不可能でした。そのため当店では、オリジナルのイメージを損なわない形で、新しく靴紐通しを作り直す という方法で修理を進めました。

本革とナイロンテープで新しいループを作成

まずは代替素材の選定です。オリジナルに近い「平紐」の質感を再現するため、柔軟でありながら耐久性のある本革を選びました。しかし革だけでは摩擦や引っ張りに対して強度が不足する恐れがあります。

そこで、中にナイロンテープを仕込み、本革で巻く ことで強度を確保。革のしなやかさとナイロンの引張耐性を組み合わせることで、見た目は革製のループでありながら、実用性としてはオリジナルを上回る強さを実現しました。

この工程は見た目以上に手間がかかります。革を巻き付ける際に厚みを最小限に抑えなければ、靴紐を通したときのフィーリングが変わってしまうからです。強度を確保しつつも、厚ぼったくならないように細心の注意を払いながら加工しました。

靴本体への縫い付け

次に、新しく作成したループを靴本体に縫い付けていきます。ループの位置や角度は靴紐の通りやフィット感に直結するため、ミリ単位の精度で調整する必要があります。もし取り付け位置がずれると、靴紐を締めたときに左右のバランスが崩れ、足に余計なストレスがかかってしまいます。

ここで活躍するのが 八方ミシン です。八方ミシンは立体的な靴の構造に合わせて、あらゆる角度から縫製できる特殊なミシンで、靴修理には欠かせない道具のひとつ。今回もアッパーのカーブや既存の縫い目に沿いながら、しっかりとループを縫い付けることができました。

縫製の際には、負荷が集中しやすい部分を補強するように縫い進め、単純に「元に戻す」だけでなく、今後より長く使用できる強度を確保 することを意識しました。

修理完了 ― オリジナルを超える仕上がり

完成したシューズを改めて確認すると、見た目はオリジナルに近い自然な仕上がりでありながら、中にはナイロンテープが仕込まれているため強度は格段に向上しています。T様からも「新品の頃より安心して使えそう」とのお声をいただきました。

今回のように、メーカーが想定していない部位でも、工夫次第で修理・補強することが可能です。特にスポーツシューズは履き心地に慣れてしまうと代替モデルが見つけにくいため、修理によってお気に入りの一足を延命させる価値は非常に大きいと言えるでしょう。

靴紐通しの破損でお困りの方へ

靴紐通しのループが切れてしまうと「もう履けない」と思われる方も多いですが、実際には今回のように修理が可能なケースもあります。布製・ナイロン製・革製など素材に応じて対応方法は変わりますが、いずれの場合も「強度を高めながら違和感のない見た目に仕上げる」ことを意識して作業しています。

もし同じようなお悩みをお持ちでしたら、一度ご相談いただければと思います。修理の可否を含め、最適な方法をご提案させていただきます。


まとめ

  • 依頼内容:NIKEバスケットボールシューズ 靴紐通し修理

  • 症状:平紐のループが切れて使用不可

  • 修理方法:本革でループを作成、中にナイロンテープを仕込んで強度アップ

  • 取り付け:八方ミシンで靴本体に縫い付け

  • ポイント:オリジナルのイメージを保ちながら強度を向上

大切な一足を「まだまだ履きたい」というお気持ちに応えられるよう、当店では今後も工夫を凝らした修理に取り組んでまいります。


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神奈川県F様事例:ナイキ エアジョーダン ゴルフシューズ 底剥がれ修理

~フェイクステッチの罠を乗り越えて、職人技で蘇るゴルフシューズ~

ゴルフシューズは、芝の上で安定したグリップ力と快適な歩行性を両立させるために非常に重要なアイテムです。中でも、スポーツブランドとして圧倒的な人気を誇る ナイキ(NIKE)のエアジョーダン ゴルフシューズ は、そのデザイン性と履き心地の良さから、ゴルファーに愛用されるモデルのひとつです。

しかし、今回神奈川県からご依頼いただいたF様のエアジョーダン ゴルフシューズは、なんとソールが大きく剥がれてしまうトラブルに見舞われていました。しかも一見すると「縫い目」が入っているように見えるのに、実はそれがフェイクステッチだったのです。

「縫ってあるから安心」と思っていたのに、実際には縫われていない――。これは使用者にとって大きな落とし穴ですね。では、この修理がどのように行われたのか、詳しくご紹介します。


ナイキ エアジョーダン ゴルフシューズの特徴と弱点

エアジョーダンは、バスケットボールシューズをルーツに持ち、ファッション性とスポーツ性能を兼ね備えた人気モデル。そのゴルフ仕様は、独自のグリップパターンと快適なクッション性を備えています。

しかしながら、F様のゴルフシューズには大きな弱点がありました。

側面の縫い目が「フェイクステッチ」だった

修理に取りかかった際、まず違和感を覚えたのが、側面の縫い目。ぱっと見は「アウトソールとアッパーをしっかり縫い合わせてある」ように見えます。ところが分解してみると、その下糸はソールの内側で止まっており、靴本体とアウトソールは実際には縫い合わされていませんでした。

つまり、見た目だけの装飾ステッチだったのです。

この構造だと、どれだけ見た目が良くても強度はボンド接着頼み。ゴルフのように横方向のG(負荷)が強くかかるスポーツでは、接着剤が劣化すると簡単にソールが剥がれてしまうのです。


修理の流れ

1. ソールの分解と下処理

まずは剥がれたソールを一旦すべて分解。古い接着剤や劣化した素材を徹底的に取り除き、新しい接着剤がしっかり食いつくように表面を整えます。この下処理を怠ると、どんなに良い接着剤を使っても再剥離の原因になります。

2. ボンド接着

分解・清掃したパーツに新しい接着剤を塗布し、丁寧に圧着。仮止めの段階でもうすでに靴の形が戻ってきますが、これだけではまだ安心できません。

3. 側面の「本当の縫い付け」

ここからが当店の腕の見せ所です。今回は装飾ではなく、**実際に靴本体とソールを縫い合わせる「オパンケ縫い」**を採用。

オパンケ縫いは、靴底の周囲をぐるりと縫い付ける伝統的かつ強力な製法で、見た目も美しい仕上がりになります。これにより、接着剤だけに頼るのではなく、物理的に底と本体を固定できるため、剥がれのリスクが大幅に低減します。


修理後の仕上がり

修理が完了したF様のエアジョーダン ゴルフシューズは、見た目にも自然で違和感がなく、しかし中身は「フェイクではなく本物の縫い付け構造」となりました。

これで、接着剤が多少劣化しても縫い糸がしっかり支えてくれるため、安心してゴルフに集中できます。特にスイング時の横方向の負荷や、歩行中のソールのよじれに対しても耐性が向上しました。


修理のポイントまとめ

  • フェイクステッチ問題:見た目の縫い目に安心してはいけない

  • 下処理の徹底:古い接着剤を完全に除去

  • オパンケ縫い採用:本体とソールを確実に固定

  • 仕上がりは自然:強度アップしつつデザインも損なわない


よくある質問(FAQ)

Q1. エアジョーダンのソール剥がれは自宅で直せますか?
A1. 瞬間接着剤や汎用ボンドで一時的に直す方もいますが、負荷の大きいゴルフではすぐに再剥離します。プロの修理がおすすめです。

Q2. オパンケ縫いとは?
A2. 靴底の周囲をしっかりと縫い付ける製法で、見た目の美しさと強度を両立します。フェイクステッチとの大きな違いは「実際にソールと本体を繋ぐ」点です。

Q3. 修理にかかる期間と費用は?
A3. 状態によりますが、底剥がれ補修+オパンケ縫いの場合はおおよそ1〜2週間が目安。費用は靴の状態や素材によって変わります。


まとめ

今回のF様の事例は、「縫ってあるように見えて実は縫っていない」フェイクステッチが原因となった底剥がれでした。
しかし、当店での オパンケ縫いによる補強修理 によって、もう剥がれの心配はありません。

ゴルフという集中力を要するスポーツにおいて、シューズの不安要素は大敵。今回の修理で、F様がスコアアップに繋がるプレーを存分に楽しんでいただけることを願っています。


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千葉県A様 Paraboot(パラブーツ)紳士革靴 履き口破れ修理事例

~愛犬とのハプニングが生んだ、世界に一つだけの靴~

靴修理の現場には、日常のトラブルからちょっと珍しい事件まで、さまざまなケースが舞い込んできます。長年履き込んだ靴のソールが摩耗した、雨で革がふやけてしまった――そんな話はよくありますが、今回の修理依頼は少し変わっていました。

千葉県にお住まいのA様から届いたのは、フランスの老舗ブランド Paraboot(パラブーツ) の紳士革靴。しっかりとした作りで、アウトドアやビジネスシーンでも活躍する一足です。しかし、問題はその履き口部分。A様曰く、「愛犬にガブリとやられてしまった」 とのこと。

犬に噛まれた革靴――なんともユーモラスで、思わず笑ってしまいそうな話ですが、靴好きにとっては一大事です。革が裂け、噛み跡も深く残ってしまったため、通常の縫い合わせだけでは修理が難しい状態でした。


Parabootとは?人気の理由と修理が必要になるケース

Parabootはフランス発祥の高級靴ブランドで、天然皮革を使用した丈夫な作りが特徴です。代表的なモデル「シャンボード」や「ミカエル」は、ドレスにもカジュアルにも合わせやすく、履き心地の良さも評価されています。

しかしどれだけ高級でも、外的な力には勝てません。長年の摩擦やうっかりの水濡れ、そして今回のようにペットによる突発的な破れなど、靴は予期せぬダメージを受けることがあります。

特に履き口の破れは、靴を脱ぎ履きするたびに負荷がかかるため、そのまま放置すると裂け目が広がる可能性があります。A様のケースも、まさにその典型でした。


犬に噛まれた靴の修理は可能?

結論から言えば、修理可能です。ただし、破れの範囲や革の状態によって方法が変わります。

  • 小さな傷や裂け → 縫い合わせで対応可能

  • 広範囲の破れ → 革を当てて補強する必要あり

A様の靴は片足の履き口が広範囲に損傷していたため、単純な縫い合わせだけでは再び裂けてしまう恐れがあります。そこで選んだのが チャールズパッチ風の修理 です。


チャールズパッチ風修理とは?

チャールズパッチは、英国の伝統的な靴修理技法で、穴や裂けた部分に新しい革を当てる方法です。単なる補修にとどまらず、装飾として楽しむこともできます。

今回の修理では、破れた部分を広めに覆うことで強度を確保するとともに、デザインとして自然に見えるよう仕上げました。

つまり、破れを「隠す」だけでなく、靴に新しい表情を与える修理です。


革の色合わせと染色の工夫

補修用の革を選ぶ際、同じ色・質感のものを見つけるのは非常に難しいです。靴の革は一枚ごとに微妙に表情が違い、同じモデルでも個体差があります。

そこで、少し色味の異なる革をあえて当て、修理後に茶色の染料で全体に馴染ませました。結果として、光の加減では差がわかるものの、履いてしまえば違和感はほとんどありません。

片足のみの補修ですが、これもまた世界に一つだけの靴として、個性的な仕上がりになりました。


修理工程のポイント

  1. 下処理
    破れ部分の革を整え、裂けが広がらないよう軽くステッチで補強。

  2. 革の裁断・成形
    チャールズパッチ風に広めの革を裁断。破れ部分をしっかり覆うサイズに調整。

  3. 縫製
    曲線の多い履き口には 八方ミシン を使用。強度を確保しつつ縫い目も美しく。

  4. 染色仕上げ
    補修した革を茶色で染め、全体に馴染ませることで自然な仕上がりに。


修理後の仕上がり

修理後のA様のParabootは、破れや噛み跡をすっかりカバー。履き心地も損なわず、再び安心して履ける状態になりました。

片足だけ少し表情が違うものの、チャールズパッチ風のアクセントとして個性を楽しむこともできます。


Q&A:読者の疑問に答えます

Q1. 犬に噛まれた革靴は本当に直せる?
A1. はい、破れの範囲や革の状態によって、縫い合わせやチャールズパッチ風補修で対応可能です。

Q2. Parabootの部分修理は可能?
A2. はい、履き口、かかと、ソールなど、パーツごとの修理が可能です。

Q3. 色味が合わない場合はどうなる?
A3. 完全一致は難しいですが、染色やデザイン的な工夫で自然に見せることができます。

Q4. 修理費用と納期は?
A4. 破れの範囲や靴の種類により異なりますが、片足の履き口修理の場合は数日〜1週間程度が目安です。


まとめ

  • 犯人は愛犬!?片足の履き口が破れたParaboot

  • 修理はチャールズパッチ風に広めの革を当てて補強

  • 色味は染色で調整、世界に一つの靴として再生

  • 八方ミシンで曲線部分も美しく縫製

  • 修理後は履き心地も強度も安心

突発的な破れやペットによる損傷も、適切な修理で長く履けるようになります。A様のParabootは、これからも愛犬との日常に寄り添う特別な一足となりました。


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【修理実績】ルイ・ヴィトン 厚底サンダル 底剥がれ修理:東京都 Y様

【修理実績】ルイ・ヴィトン 厚底サンダル 底剥がれ修理:東京都 Y様

この度は、東京都にお住まいのY様よりご依頼いただきました、ルイ・ヴィトンの厚底サンダルの底剥がれ修理についてご紹介します。

経年劣化によってソール(靴底)が剥がれてしまった状態で、遠方から当店にお任せいただき、誠にありがとうございます。

高級ブランドの靴は、そのデザイン性や素材の美しさから、私たちを魅了してやみません。しかし、どんなに高価な靴でも、時間と共に素材や接着剤は劣化し、修理が必要になる時がきます。特に、今回ご依頼いただいたような厚底サンダルは、ソール部分に大きな負荷がかかりやすいため、底剥がれが起こりやすい傾向にあります。

なぜ高級ブランドの靴も剥がれてしまうのか

今回お預かりしたサンダルのソールは、ウレタン系の素材でできていました。幸いにも、加水分解と呼ばれる素材自体がボロボロになってしまう重篤な症状は出ておらず、接着剤の劣化が主な原因でした。

靴底をアッパー(甲の部分)に接着しているボンドは、製造されてから時間が経つと、その粘着力が徐々に失われていきます。

  • 経年による劣化: 時間の経過と共に、ボンドの成分が変化し、接着力が弱まります。
  • 歩行時の負荷: 歩くたびに靴が屈曲したり、体重がかかったりすることで、接着面に常にストレスがかかります。
  • 温度・湿度: 高温多湿の環境下では、ボンドの劣化が加速します。

このような複合的な要因が重なり、ある日突然、ソールが「パカッ」と剥がれてしまうのです。

ボンド接着と「ビス止め」による強度アップ

底剥がれの修理は、単に剥がれた部分をボンドでくっつけ直すだけでは、すぐに再発する可能性が非常に高いです。特に厚底の靴は、ソール自体が重く、歩行時の負荷が大きいため、より頑丈な補強が不可欠となります。

そこで、当店では以下の手順で修理を施しました。

  1. 丁寧な下処理: 剥がれた部分の古いボンドを、手作業で丁寧に除去します。この下処理が、新しいボンドの接着力を最大限に引き出すために最も重要な工程です。古いボンドが残ったまま新しいボンドを塗布しても、十分な強度は得られません。
  2. 専用ボンドによる再接着: 下処理を終えた後、靴の素材に適した専用のボンドを塗布し、しっかりと圧着します。この時点で、ソールとアッパーは再び一体となります。
  3. ヒールとつま先部分のビス止め: これが今回の修理の肝となります。ボンド接着だけでは不十分な強度を補うため、特に負荷のかかりやすいヒール(かかと)とつま先部分に、補強用の小さなビス(ネジ)を打ち込みました。

ビス止めは、ソールを物理的にアッパーに固定する役割を果たします。これにより、ボンドが再び劣化しても、ビスがソールとアッパーをしっかりと繋ぎとめてくれるため、再発のリスクを大幅に軽減できるのです。

ビスは靴のデザインを損なわないよう、目立たないように carefully 取り付けました。これにより、見た目はほとんど変わらず、安心して長く履いていただける状態に仕上がりました。

修理を終えて

修理が完了したルイ・ヴィトンの厚底サンダルは、見た目の美しさを保ちながら、底剥がれが再発しにくい状態になりました。

お客様の大切な靴を、遠方よりご依頼いただいたことに感謝し、一点一点心を込めて丁寧に作業させていただいております。これで、また安心してこのサンダルを履いて、お出かけを楽しんでいただければ幸いです。

ブランドの靴や思い出の詰まった靴の修理でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。お客様の大切な一足を、長く愛用できるようお手伝いさせていただきます。


いずみ靴店

岡山県倉敷市玉島

秋田県 I様 NIKE Air Zoom(ナイキ エアズーム)底剥がれ修理事例

【修理実績】ナイキ エアズーム 底剥がれ修理:秋田県 I様

愛用されているナイキのエアズーム、この度は遠方秋田県より当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。

今回ご相談いただいたのは、スニーカーの底剥がれです。靴底が部分的に剥がれてきており、このまま履き続けるのは難しい状態でした。

スニーカーの底剥がれは、ソールとアッパー(甲の部分)を接着しているボンドが、経年劣化や歩行時の負荷によって剥がれてしまうことで起こります。特にナイキのようなスポーツメーカーのスニーカーは、軽量化やクッション性を高めるために、非常に複雑な構造のソールを使用していることが多く、一度剥がれ始めると、ボンド接着だけではすぐに再発してしまうケースがほとんどです。

ボンド接着だけでは強度が出ない理由

「剥がれた部分をもう一度ボンドでくっつければいいのでは?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一度剥がれた靴は、新品の時と同じように完全に接着することは非常に困難です。

その理由は、主に以下の3つです。

  1. 接着面の劣化: 剥がれた面には、古いボンドの残りかすやホコリ、ゴミが付着しています。これらを完全に除去しないまま接着すると、新しいボンドの接着力が十分に発揮されません。
  2. 接着剤の相性: メーカーが使用しているオリジナルのボンドと、修理店が使用するボンドでは種類が異なります。完璧な相性を見つけるのは難しく、十分な強度が出せない場合があります。
  3. 歩行時の負荷: スニーカーは、歩くたびにソールが大きく屈曲します。ボンドだけで再接着しても、この強い屈曲に耐えきれず、再び剥がれてしまう可能性が高いのです。

いずみ靴店の独自修理「オパンケ縫い」で再発防止

お客様のナイキ エアズームは、ただボンドで接着し直すだけでは、またすぐに剥がれてしまうリスクが高いと判断しました。そこで当店では、ボンド接着に加えて、**「オパンケ縫い」**という特殊な縫製修理を施すことをご提案いたしました。

オパンケ縫いとは、靴の側面からソールとアッパーを一緒に縫い付けてしまう修理方法です。

この修理によって、以下のメリットが生まれます。

  • 物理的な強度アップ: ボンドの接着力に頼るだけでなく、糸の力でソールとアッパーをしっかりと固定します。これにより、歩行時の強い負荷にも耐えられる、圧倒的な強度を得ることができます。
  • 屈曲時の耐久性向上: 足を曲げた時にかかるストレスを、糸が分散してくれるため、ボンドが剥がれるのを根本的に防ぎます。
  • 修理跡が目立たない: 専用のミシン**「八方ミシン」**を使用するため、縫い目がきれいに仕上がり、修理跡が目立ちにくいように配慮します。また、糸の色もスニーカーの色に合わせて選ぶことで、修理後の見た目も違和感なく仕上がります。

修理工程のご紹介

秋田県から届いたI様のナイキ エアズームは、以下の手順で丁寧に修理を進めました。

  1. 古いボンドの除去: 剥がれた部分の古いボンドを丁寧に削り、接着面を平らにします。この工程を怠ると、再接着の強度が大幅に低下します。
  2. 専用ボンドによる接着: 新しいボンドを塗布し、ソールとアッパーをしっかりと圧着します。この時点で、ある程度の強度は回復しますが、まだ油断はできません。
  3. オパンケ縫いミシンによる縫製: 修理の要となるオパンケ縫いです。当店の熟練の職人が、特殊な八方ミシンを使い、ソールとアッパーを確実に縫い合わせていきます。

今回は、かかとから土踏まずにかけて大きく剥がれていたため、全体的に縫い付けることで、安心して履いていただけるように修理いたしました。

修理を終えて

修理が完了したI様のエアズームは、元のデザインを損なうことなく、しっかりと強度を取り戻しました。遠方からのご依頼で、お客様のお顔が見えないからこそ、一点一点心を込めて丁寧に作業させていただいております。

これで、秋田の地でも安心して歩いていただけますね。これからも、このエアズームがお客様の良きパートナーとなることを願っております。

スニーカーの底剥がれでお困りの方は、ぜひ当店にご相談ください。ボンド接着に加えて「オパンケ縫い」を施すことで、お気に入りの一足を長く愛用するお手伝いをさせていただきます。


いずみ靴店

岡山県倉敷市玉島

愛知県Y様 PUMA(プーマ)バスケットボールシューズ ソール剥がれ修理事例

今回ご紹介するのは、愛知県にお住まいのY様よりお預かりした、PUMA(プーマ)のバスケットボールシューズ「1OF1」モデルの修理事例です。

PUMAは世界的なスポーツブランドで、サッカーや陸上をはじめとした様々な競技用シューズを展開していますが、バスケットボールの分野でも確固たる地位を築いています。特に近年はNBA選手とのコラボモデルや、限定生産の希少モデルも多く、そのデザイン性や機能性の高さからコレクターや愛好家にとって特別な存在になっています。

Y様がお持ち込みくださったのは、その中でも限定的に展開された1OF1モデル。まさに“一点物”ともいえる特別なシューズで、普段の練習や試合に使うだけでなく、所有する喜びや愛着も大きな一足です。

しかし、長年の使用により靴底の接着剤が劣化し、ソールの剥がれが発生してしまっていました。


ソール剥がれの原因 ― ボンド劣化

バスケットボールシューズに限らず、近年の多くのスニーカーやスポーツシューズは、接着剤(ボンド)による接着構造を採用しています。縫い付けではなく接着によってアッパーとソールを一体化する製法は、軽量化と柔軟性を実現する一方で、長年の使用によってどうしても劣化が避けられません。

接着剤は経年により硬化や分解が進み、使用環境によっては熱や湿気の影響で剥離が起こります。特にバスケットボールのように激しいジャンプや横方向のステップが繰り返される競技では、ソールへの負担が大きいため、剥がれが一気に進行してしまうこともあります。

Y様のPUMAシューズもまさにその状態で、アウトソールが部分的に浮き、プレー中の安定性や安全性に不安を感じるレベルになっていました。


修理方針:接着+縫い付け補強

今回の修理では、単純に再接着するだけでは再び剥がれるリスクが高いため、接着+縫製による補強を行う方針をとりました。

具体的には、

  1. ソールを一度剥がし、古い接着剤を除去

  2. 新しいボンドで接着

  3. さらに**側面からつま先にかけて周囲をぐるりと縫い付ける「オパンケ縫い」**で補強

という流れです。

オパンケ縫いとは、ソールの縁をアッパーに貫通させながら糸で縫い付ける技法で、古くから登山靴やワークブーツの補強としても用いられてきました。単なる装飾ステッチとは異なり、縫製そのものが強度を担保する役割を果たすため、糸が切れない限りソールが剥がれることはほぼなくなります。


修理工程の詳細

1. 分解とクリーニング

まずはソールを完全に分解。接着剤が劣化しているため、無理に引き剥がすとアッパーの素材を傷めてしまうリスクがあるため、専用工具を使って慎重に進めました。剥がした後は残った古いボンドを削り落とし、接着面をきれいに整えます。

2. 新しい接着剤で圧着

下処理が終わったら、新しいボンドを均一に塗布し、圧着機でしっかりと固定します。この段階で既に一度ソールは密着しますが、ここで終わらせると再び剥がれてしまう可能性があるため、次の工程が重要です。

3. オパンケ縫いによる補強

靴の周囲、特に負荷の大きいつま先から側面にかけて、専用の縫製機を用いてソールとアッパーを貫通させながら縫い合わせました。オパンケ縫いは非常に手間と技術を要する作業ですが、その分強度は抜群。糸が切れない限りは再剥離の心配がありません。

4. 仕上げ

縫い付けた部分の糸端処理を丁寧に行い、アッパーとソールの境目を磨いて整えます。外観を損なわず、むしろ補強跡がデザインのように見えるよう工夫しました。


修理後の仕上がりと特徴

修理後のPUMAシューズは、外観を大きく損なうことなく、しっかりとした補強が施されています。ソールの剥がれが再発する心配はほとんどなくなり、競技中の急な方向転換やジャンプ着地でも安定性を確保できます。

さらに、縫い付けによる補強は見た目にも力強さがあり、「修理した靴」ではなく「カスタムされた一足」のような雰囲気をまとっています。Y様にとっても、再び安心してコートに立てる心強い存在になったのではないでしょうか。


オパンケ縫いの魅力

今回採用したオパンケ縫いは、一般的なスポーツシューズにはなかなか施されない特別な修理方法です。量産のスニーカーではコストや効率の面から接着が主流ですが、修理の場面では**「縫う」という古典的な技法が最も信頼できる補強手段**となります。

オパンケ縫いの大きなメリットは、

  • 強度が飛躍的に向上する

  • 見た目にも独特の存在感が出る

  • 縫製によってソール交換も容易になる

といった点にあります。長く履きたい大切な靴にこそ、最適な方法だといえます。


まとめ:プレーに集中できる安心感を

今回の修理を通じて、Y様のPUMAバスケットボールシューズは再び実用に耐えうる状態へと蘇りました。
「糸が切れない限りソールは剥がれない」という確実な補強によって、もう靴の不安に気を取られることなく、プレーそのものに集中していただけるはずです。

特別な「1OF1」モデルという希少性に加え、修理によって付加価値が加わったことで、より一層愛着を持って履き続けられるのではないでしょうか。

当店いずみ靴店では、今回のような修理困難とされるスニーカーやスポーツシューズにも対応しております。大切な一足を「まだ履ける靴」から「これからも履きたい靴」へと蘇らせるお手伝いをいたします。ソール剥がれなどでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。


いずみ靴店

  • 岡山県倉敷市にて営業

  • スニーカー・ブーツ・革靴など幅広く修理対応

  • オールソール交換・縫製修理・接着補強など実績多数

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福井県N様 Joya(ジョーヤ)ウォーキングシューズ カスタムオールソール交換修理

福井県にお住まいのN様より、スイス発のコンフォートブランド「Joya(ジョーヤ)」のウォーキングシューズ修理をご依頼いただきました。Joyaといえば、独自の厚みのあるソールによる「柔らかく、前へ前へと進んでいくような感覚」で人気を集めているブランドです。長時間のウォーキングや旅行のお供として愛用される方も多く、「一度履いたら他の靴に戻れない」という声も少なくありません。

しかし、その一方でJoyaに限らず多くの靴で共通の問題が存在します。それがソールの加水分解です。今回お預かりしたシューズも、ウレタン素材のソール部分が経年劣化によって割れ、使用が困難な状態になっていました。

「もう修理は無理なのでは…?」と諦めてしまう方も多いのですが、当店いずみ靴店では、こうした修理困難とされる靴でも、工夫と技術を凝らすことで蘇らせることができます。今回はオリジナルのウレタンソールをそのまま再現することは不可能なため、加水分解しないEVAスポンジ素材を用いたカスタムオールソール交換を実施しました。その詳細を、工程ごとにご紹介していきます。


Joyaのソールと加水分解の問題

まず、今回の修理に至った背景を少し掘り下げてみましょう。

Joyaの特徴は、厚みのあるウレタン素材を主体としたソール構造にあります。一般的なスニーカーやウォーキングシューズよりもはるかに分厚いソールを備え、そのクッション性とローリング感(前へ進むようなカーブ形状)が歩行を楽にしてくれるのです。

ところが、このウレタン素材の弱点は「加水分解」という現象にあります。空気中の水分と反応して化学的に分解が進み、ある日突然、表面がベタついたり、ボロボロと崩れたり、真っ二つに割れてしまうのです。これは使用頻度にかかわらず発生するため、「あまり履いていなかったのに久しぶりに出してみたら靴底が壊れていた」というケースも珍しくありません。

今回のN様のJoyaもまさにこの状態で、ソールが割れ、しかも側面から跡形が大きく露出してしまっていました。修理屋としてもかなり難易度の高い案件です。


修理方針:オリジナル再現は不可能、だからこそカスタム

ウレタンソールをそのまま修復することは不可能です。専門の工場レベルであれば金型を起こして成形できますが、靴修理店のレベルでは現実的ではありません。そこで今回は、加水分解の心配がないEVAスポンジを積み重ねてソールを再現するという方針を立てました。

EVAスポンジは軽量で柔軟性に富み、衝撃吸収性も優れています。スポーツシューズやサンダルのソールにも広く使われている素材で、長期使用でも加水分解しないのが大きなメリットです。

ただし、オリジナルのウレタンソールに比べると若干固めの着地感になります。そこで積層を工夫し、厚みを持たせつつ、Joya特有の「前に前に進むようなカーブ」を可能な限り再現することを目指しました。


修理工程の詳細

1. 分解作業

まずは残っているソールを丁寧に剥がします。ウレタンが劣化しているため、無理に引きはがすとアッパー側まで傷んでしまう恐れがあるので、ここは慎重に進めます。加水分解でボロボロになった部分は完全に除去し、土台を整えました。

2. 側面処理:本革で覆う

オリジナルのソールが崩れると、側面にはどうしても跡形がむき出しになります。これを隠すために、本革を幅広く縫い付けました。本革を使うことで見た目が美しくなるだけでなく、補強としての強度も増します。縫製方法はオパンケ縫いを応用し、しっかりと固定しました。

3. EVAスポンジの積層と成形

次に、EVAスポンジを何層にも積み重ね、厚みを確保します。ただ積むだけではなく、曲線的なフォルムを削り出していく作業が重要です。Joya特有の「前傾したカーブ」を意識し、着地から蹴り出しまでの流れがスムーズになるようバランスを調整しました。

4. アウトソールの仕上げ

接地面には耐摩耗性に優れたソール素材を使用。今回はTOPY社製のクロコ柄ソールを採用し、機能性とデザイン性を兼ね備えた仕上がりにしました。TOPY社は世界的にも信頼されるソールメーカーで、当店でも多くの修理で活用しています。クロコ柄は高級感もあり、ウォーキングシューズの雰囲気を損なうことなく自然に馴染みます。


修理後の仕上がりと使用感

完成したシューズは、オリジナルとは素材が異なるものの、しっかりとした厚みと前進性を備えています。EVAスポンジ特有のやや固めの着地感はあるものの、歩行時には「前に押し出される感覚」を味わっていただけるはずです。

また、側面に縫い付けた本革のおかげで、加水分解の跡形が目立たず、美しい外観に仕上がりました。むしろ「カスタムシューズ」のような雰囲気が加わり、世界に一足だけの特別な靴になったといえるでしょう。


加水分解に悩む方へ

今回のようなケースはJoyaに限らず、さまざまなブランドの靴で起こります。特にウレタン素材を使ったソールは、経年劣化が避けられません。「まだ履けると思っていたのに、久しぶりに出したら壊れていた」という声も多く、非常に残念な気持ちになる方が多いのです。

しかし諦める前に、ぜひ靴修理店へご相談ください。オリジナルと全く同じ形状や素材を再現するのは難しくても、EVAスポンジなど代替素材を用いて、より長持ちする形にカスタムする方法があります。

特に当店では、マッケイ縫いやオパンケ縫いなど伝統的な製法を活かしながら、現代の素材を組み合わせることで、オリジナル以上に実用的な修理を実現することを目指しています。


まとめ:歩く楽しみをもう一度

今回の修理で、N様のJoyaウォーキングシューズは再び履ける状態に蘇りました。確かにオリジナルの柔らかさとは少し異なりますが、それを補って余りある「丈夫さ」と「前へ進む推進力」を備えています。

「楽しく歩いていただきたい」という思いを込めて、丁寧に仕上げました。これからも長くN様の足元を支え、毎日のウォーキングやお出かけのお供として活躍してくれることを願っています。

もし同じようにソールの加水分解でお困りの方がいらっしゃれば、ぜひ一度いずみ靴店にご相談ください。靴にはまだまだ可能性があります。私たちは、その一足を大切に蘇らせるお手伝いをいたします。


いずみ靴店

  • 岡山県倉敷市にて営業

  • オールソール交換・ヒール修理・縫製修理など幅広く対応

  • Joyaをはじめ、NIKE、Clarks、Timberlandなど修理困難な靴も実績多数

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長崎県S様のNew Balance 576 ヒールカップ交換修理事例

長崎県S様のNew Balance 576 ヒールカップ交換修理事例

今回ご依頼いただいたのは、長崎県にお住まいのS様からお預かりした「New Balance(ニューバランス)576」です。ニューバランスを代表するモデルのひとつである576は、クラシックなデザインと履き心地の良さで長年愛され続けている定番スニーカーです。しかし、いくら丈夫なスニーカーといえども経年劣化を避けることはできません。特に問題となりやすいのが、靴のかかと部分をしっかりと支えているヒールカップの破損です。今回の修理もまさにそのケースでした。

 

■ 修理前の状態

S様の576を拝見すると、かかとを支える樹脂製のヒールカップが加水分解によりひび割れ、ボロボロに崩れている状態でした。ヒールカップは靴の後ろ半分を外側から支える非常に重要なパーツであり、足を安定させる役割を担っています。ここが壊れてしまうと、歩行時にかかとがしっかりホールドされず、靴全体の履き心地や耐久性が著しく損なわれてしまいます。

ニューバランスをはじめ、多くのスニーカーには軽量性と成型のしやすさから樹脂製のヒールカップが使われています。しかしこの素材は加水分解という経年劣化を避けられません。湿気や気温の変化、長年の使用によって樹脂が徐々に脆くなり、ある日突然パキッと割れてしまうことが多いのです。

 

■ 修理方法の選択

通常であれば同じ樹脂製のヒールカップを入れ替えるのが理想ですが、純正部品は入手困難です。そこで当店では、代替案として本革を用いたヒールカップを新たに作製し、縫い付ける方法を採用しました。本革はしなやかでありながら耐久性も高く、履いているうちに足の形に馴染んでいくというメリットがあります。樹脂製のような軽さや硬さはありませんが、むしろ自然なフィット感を得られるという点では優れた選択肢とも言えます。

ここで重要となるのが縫製技術です。今回の修理では「八方ミシン」と呼ばれる特殊なミシンを使用しました。八方ミシンは立体的な靴の内部やカーブのきつい部分など、通常のミシンでは縫いにくい箇所を自在に縫うことができる専用機械です。特にヒールカップのような複雑な部位をしっかりと縫い付ける際に大活躍します。


■ 修理工程の詳細

靴の分解

まずは靴を分解し、劣化して割れてしまった樹脂製ヒールカップを完全に取り除きます。この作業は慎重さが求められます。強引に剥がすとアッパーやライニングを傷めてしまう恐れがあるため、時間をかけて丁寧に除去しました。

本革ヒールカップの作製

取り出したヒールカップをもとに型を取り、新たに本革で代用品を作製します。本革は厚みや硬さを吟味し、足をしっかり支える強度を持ちながらも馴染みやすいものを選定しました。革を裁断し、立体的な形状に成型していきます。

八方ミシンによる縫製

成型した革のヒールカップを靴に縫い付けていきます。八方ミシンを使用することで、アッパーと新しいヒールカップが隙間なく一体化し、安定した補強が可能となります。縫い目は統一性を持って仕上げるため、見た目の違和感もありません。

アウトソールの再接着

分解した際に外したアウトソールを再びしっかりと接着します。ここでは専用の強力な靴用接着剤を使用し、接着面を均一に処理してから圧着を行います。

ビス止めによる補強

特に負荷のかかりやすいヒール部分には、内側からビス止めを施しました。これにより、接着だけでは不安の残る部分を物理的に固定し、剥がれのリスクを大幅に軽減しています。

最終仕上げ

内部のライニングを整え、履き心地に違和感が出ないよう微調整を行います。外観についてもクリーニングを施し、修理後とは思えない自然な仕上がりを目指しました。

 

■ 修理後の状態と履き心地

完成した576を実際に履いていただくと、S様から「新品の頃以上にかかとが安定して歩きやすい」とのお声をいただきました。本革を用いたことで足当たりが柔らかく、また使用していくうちにさらに馴染んでいくのが特徴です。耐久性についても、ビス止めと縫製による二重の補強で安心して長くご使用いただけます。

今回のように、純正部品が手に入らない場合でも工夫を凝らすことで靴を再生させることが可能です。むしろ本革を使用することで、オリジナルにはない味わいや耐久性を加えることができる点は修理の大きな魅力でもあります。


■ ニューバランス修理のポイント

ニューバランスのスニーカーは履き心地の良さで知られていますが、その分パーツごとの機能性が高く、劣化や破損が生じると履き心地が大きく損なわれる傾向があります。今回のようなヒールカップの破損以外にも、ソールの加水分解やアッパーの破れなど、様々なトラブルが発生することがあります。しかし、それらは適切な方法で修理することで十分に延命させることが可能です。

当店ではニューバランスをはじめとするスニーカーの修理を数多く手掛けており、オールソール交換から部分補強、ライニングの補修まで幅広く対応しています。「まだまだ履きたい」と思える一足があれば、ぜひお気軽にご相談ください。


■ まとめ

今回のS様の事例では、ニューバランス576の樹脂製ヒールカップが加水分解で破損してしまったため、本革を用いた代用品を新たに作製・縫い付けることで修理を行いました。八方ミシンによる確実な縫製と、アウトソール再接着+ビス止めによる補強で、強度と耐久性を確保。さらに履き心地の向上という付加価値を実現しました。

スニーカー修理はただ元に戻すだけでなく、オリジナル以上の履き心地や耐久性を引き出すことが可能です。大切な一足を長く愛用するために、ぜひ専門店での修理をご検討ください。


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東京都 T様 NIKE Zoom UpTempo(ナイキ ズームアップテンポ)ソール剥がれ修理事例

東京都 T様 NIKE Zoom UpTempo(ナイキ ズームアップテンポ)ソール剥がれ修理事例

東京都にお住まいのT様より、NIKE(ナイキ) Zoom UpTempo(ズームアップテンポ) の修理依頼を承りました。
バスケットボールファンには馴染み深い名作シリーズの一つであり、機能性とデザイン性を兼ね備えた人気モデルです。しかし今回お持ち込みいただいた一足は、靴底のボンドが経年劣化し、ソールが大きく剥がれてしまっていました。

ソール剥がれはスポーツシューズ全般に起こりやすいトラブルですが、特にナイキ製のシューズは接着の仕様や素材の関係で、一度剥がれが生じると単なるボンド補修だけでは十分な強度を確保できません。そこで当店では、縫製による補強 を加えることで、修理後も安心して激しいプレーができるように仕上げています。

今回はその修理工程を詳しくご紹介します。


1. 修理前の状態確認

お預かりしたズームアップテンポを拝見すると、ソール全体がアッパーから浮き上がり、つま先部分やサイドに大きな隙間ができていました。

これは典型的な 加水分解や接着剤の経年劣化 によるトラブルです。
ナイキをはじめとするスポーツブランドの多くは、靴底の組み立てに強力な接着剤を用いていますが、時間の経過とともに接着剤が硬化し、弾性を失うことで剥がれが生じます。特にズームシリーズは、ソール内部に「ズームエア」ユニットを搭載しているため、屈曲時に負担が集中しやすく、接着面が弱りやすい構造となっています。

バスケットボールは横方向のステップや急停止・急加速が多いため、靴への負荷は日常靴の比ではありません。剥がれを放置すれば、プレー中に完全にソールが外れてしまう危険性もあるため、早めの修理が欠かせません。


2. 修理方針の決定

T様からは「練習や試合でもしっかり使えるように強度を上げたい」とのご希望をいただきました。

当店では、ナイキのシューズ修理において以下の方針を基本としています。

  1. 単なるボンド接着ではなく縫製を併用する
    → 接着剤だけでは再び剥がれる可能性が高いため、縫いによる補強を加える。

  2. 八方ミシンによる側面縫い付け
    → アウトソールとアッパーを横方向から縫い込むことで、強度を飛躍的にアップ。

  3. つま先部分にはオパンケ縫い
    → 前足部はプレー時に最も負荷がかかるため、縫製をしっかり施す。

  4. プレーヤーには底縫い(マッケイ縫い)を推奨
    → ソール全体を底から貫通させて縫うことで、最大限の強度を確保できる。

これらを組み合わせることで、オリジナル以上に耐久性の高い一足へと生まれ変わらせます。


3. 分解と下処理

まずはソールを完全に分解します。剥がれかけた状態を放置して上からボンドを塗るだけでは、内部に残った古い接着剤や劣化した素材が邪魔をして密着しません。そのため、アッパー側・ソール側ともに徹底的にクリーニングと下処理を行います。

古いボンドを削り落とし、表面を均した後、新しい接着剤がしっかり定着するように目荒らし(細かい傷を付けて接着強度を上げる処理)を施します。この工程を怠ると、どれだけ強い接着剤を用いても再剥離のリスクが高まります。


4. ボンド接着

下処理を終えた後、専用の強力接着剤を塗布し、圧着機を用いて均一な圧力をかけて固定します。
この段階で一応は履ける状態になりますが、冒頭で触れた通り、バスケットボールという競技特性を考えると「接着だけ」では十分ではありません。

ここからさらに縫製工程を加えていきます。


5. 八方ミシンによる側面縫い付け

ここで登場するのが 八方ミシン です。
八方ミシンは、靴の側面や立体的な箇所を縫い付けられる特殊な業務用ミシンで、靴修理の現場では欠かせない存在です。

ソールの周囲をアッパーごと縫い付けることで、横方向への剥離を防ぎます。特にバスケットシューズはサイドステップやクロスオーバーなどで横方向に強い力がかかるため、この補強は非常に効果的です。

糸には摩耗に強い専用の靴用糸を用い、強度を最大限に高めています。


6. つま先部分のオパンケ縫い

次に、つま先の「まくり部分」を オパンケ縫い で補強します。
オパンケ縫いとは、ソールの縁をぐるりと縫い付ける技法で、特につま先部の剥がれを防止するのに有効です。

バスケットプレーではつま先で踏ん張る動作が非常に多く、剥がれやすい箇所でもあります。オパンケ縫いを加えることで、より安心して試合に臨んでいただけます。


7. 底縫い(マッケイ縫い)の推奨

さらに、実際にバスケットボールをプレーされる方には マッケイ縫い(底縫い) を強くおすすめしています。

マッケイ縫いは、アッパーと中底、アウトソールを底面から一気に縫い上げる方法です。縫い糸がアウトソールを貫通するため、摩耗による糸切れのリスクはありますが、それでも「縫っていない場合」と比べれば格段に強度が高くなります。

プレー中にソールが外れるという最悪の事態を防ぎ、最後まで安心して集中できるシューズへと仕上げることができます。


8. 修理後の仕上がり

すべての工程を終えたズームアップテンポは、見た目はオリジナルのままに、内部はしっかりと補強された一足に仕上がりました。

接着+八方ミシン+オパンケ縫い+(必要に応じてマッケイ縫い)という多層的な補強により、バスケット特有の激しい動きにも耐えられる強度を確保。これでT様も、練習や試合で安心してプレーに集中していただけるはずです。


9. 修理を終えて

T様からは「新品のように安心して履ける」「これで試合に思い切って臨めます」と喜びの声をいただきました。

ナイキのズームアップテンポをはじめとするバスケットボールシューズは、機能性が高い反面、ソール剥がれや接着面のトラブルが起こりやすいのも事実です。しかし、適切な修理を行えば、再び現役として活躍できるシューズに蘇ります。

大切な一足を長く履き続けるために、私たちは単なる修理ではなく「強度を高め、安心して使える状態にする」ことを意識して作業しています。


まとめ

  • ナイキ ズームアップテンポのソールがボンド劣化で剥がれ

  • ボンド接着だけでは強度不足のため、縫製を追加

  • 八方ミシンで側面を縫い付け → 横方向の剥がれを防止

  • つま先部分をオパンケ縫いで補強 → 踏み込み時の強度アップ

  • 実際にプレーする方にはマッケイ縫い推奨 → 最大限の耐久性

  • 見た目はそのままに、内部は新品以上の強度に

これで安心してコートに立ち、プレーに集中していただけます。


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倉敷市K様 FootJoy ICON ソフトスパイク交換式オールソール修理事例

倉敷市K様 FootJoy ICON ソフトスパイク交換式オールソール修理事例

ゴルフシューズの最高峰ブランドのひとつとして知られる FootJoy(フットジョイ)。その中でも「ICON(アイコン)」シリーズは、多くのゴルファーから支持される伝統的なモデルです。今回、倉敷市にお住まいのK様より、このフットジョイ・アイコンの修理依頼を承りました。

K様のシューズは、長年の使用によりソールが加水分解を起こし、靴底全体に多数の亀裂が入っている状態でした。ゴルフシューズは芝や土の上を歩くため、耐水性とグリップ力が非常に重要ですが、経年劣化でソールが弱ると滑りやすくなるだけでなく、ラウンド中の安定性やスコアにも悪影響を及ぼします。

K様からは「スパイクレスではなく、従来のようにソフトスパイク交換式の仕様でオールソール修理をお願いしたい」とのご要望をいただきました。今回はその工程を詳しくご紹介いたします。


1. 修理前の状態確認

まず靴の状態を確認したところ、アウトソールに無数の亀裂が走っており、踏み込み部分には剥離も見られました。典型的な加水分解による劣化であり、部分補修では再発する可能性が高いため、オールソール交換が必須と判断しました。

フットジョイ・アイコンは一体型のソール構造を採用しており、元々ボンドによる接着で組み立てられています。そのため、分解作業自体は比較的スムーズに行うことが可能です。


2. 分解工程

まずはソールを慎重に剥がします。アイコンモデルは接着構造のため、切り離し自体は容易ですが、アッパーに傷を付けないように細心の注意を払いながら作業を進めます。

この段階で、アッパーの縫い糸やミッドソールの状態も確認します。長年履き込まれているため、縫い糸の劣化や革の乾燥も見受けられました。必要に応じて補強やクリーニングを行い、次の工程に備えます。


3. ソール素材の選定 ― 本革ソールを選ぶ理由

今回の修理で重要なのは、ソフトスパイク交換用のメスネジを確実に取り付けられるアウトソールを用意することです。

一般的なラバーソールやEVAスポンジでは、強度が不足してスパイク取り付け部が摩耗・破損してしまいます。そのため、今回は耐久性と加工精度に優れた 本革ソール を採用しました。

本革ソールは、ゴルフ場の芝や土にしっかりと対応できる上、座刳り(ネジを埋め込むための穴あけ加工)を施す際にも適度な硬度と保持力を発揮します。まさに、ソフトスパイク交換式の仕様にするには「一択」と言える素材です。


4. 座刳り加工とメスネジの取り付け

続いて、本革ソールに 座刳り加工 を行います。専用のドリルを用いて、ソフトスパイクを取り付けるための窪みを正確に掘り込みます。

加工位置は、元のソールの配置を参考にしつつ、踏み込み時の力のかかり具合を考慮して慎重に決定します。ズレが生じると、スイング時のバラン

スに影響するため、ミリ単位の精度が求められる作業です。

加工後、それぞれの座刳り部分に金属製のメスネジを埋め込み、強力に固定します。これにより、今後ソフトスパイクを何度も交換できる耐久性が確保されます。


5. ソール接着とマッケイ縫い

メスネジの取り付けを終えた本革ソールを、アッパーと接着します。強力なボンドを用いて圧着し、乾燥させた後、さらに マッケイ縫い を施します。

マッケイ製法は、アッパー・中底・アウトソールを一体化させる縫い付け方法で、強度を高めるだけでなく、靴全体の返り(柔軟性)も良くなります。ゴルフシューズにおいては、歩行時の快適さとスイング時の安定性の両立が重要ですので、この工程が非常に意味を持ちます。


6. ヒール部分の積み上げと加工

次にヒール部分の修理です。まず本革を積み上げて形を整え、トップリフト(かかと部分のゴム)に座刳り加工を行います。ここにもメスネジを埋め込み、しっかりと固定しました。

仕上げに、ヒール全体をボンドで接着し、釘を打ち込んで強度を確保します。これにより、ソール全体が一体化し、ゴルフラウンドでの激しい動きにも耐えられる仕様となりました。


7. ウェルトの仕上げ

今回はウェルト(靴底周囲の縁部分)を 革色のまま 残す仕上げを選択しました。これによりクラシックな風合いが引き立ち、さりげないお洒落感を演出しています。

ゴルフシューズはどうしてもスポーティーな印象になりがちですが、本革ウェルトのナチュラルな色味が加わることで、大人の落ち着きを感じさせる一足となりました。


8. 修理後の状態と履き心地

完成したシューズは、外観こそオリジナルに近いものの、内部構造とソールの強度は新品同様に蘇っています。

ソフトスパイク交換式にすることで、今後スパイクの摩耗があっても簡単に交換が可能になり、長期にわたり愛用いただけます。

本革ソール特有のしなやかさと堅牢さにより、歩行時には自然な屈曲が得られ、スイング時にはしっかりとした安定感を実感していただけるはずです。


9. 修理を終えて

K様には「これでまた安心してゴルフを楽しめます」と大変ご満足いただけました。

今回のように、フットジョイ・アイコンのような高級ゴルフシューズは、単なる消耗品ではなく「相棒」として長く付き合いたい一足です。ソールの劣化で諦めてしまう方も多いのですが、適切な修理を行えば再びラウンドで活躍してくれます。

私たち靴修理店としても、ただ履けるようにするだけでなく、「より快適に」「より長持ちするように」という観点で最適な方法をご提案しています。

ゴルフシューズに限らず、靴のトラブルでお困りの際にはぜひご相談ください。


まとめ

  • フットジョイ・アイコンのソールが加水分解し亀裂多数

  • ご要望により「ソフトスパイク交換式」でオールソール修理を実施

  • 本革ソールに専用の座刳り加工を施し、メスネジを埋め込み

  • ボンド接着+マッケイ縫いで強度と柔軟性を確保

  • ヒールも積み上げ加工し、トップゴムにメスネジを取り付け

  • ウェルトは革色のままで、クラシックな雰囲気を演出

仕上がったシューズは、新品同様の安定感と履き心地を取り戻しました。これからもK様のゴルフライフをしっかり支えてくれる一足となるでしょう。


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