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日別アーカイブ: 2025年8月20日

茨城県 O様 FootJoy アイコンモデル スパイクレス化オールソール交換修理

茨城県 O様 FootJoy アイコンモデル スパイクレス化オールソール交換修理

~伝統的なゴルフシューズを軽快なスパイクレス仕様に再生~

■ ご依頼の背景

今回ご紹介するのは、茨城県にお住まいのO様からお預かりした FootJoy(フットジョイ)・アイコンモデル の修理事例です。

FootJoyはゴルフシューズブランドの中でも世界的に知られた存在で、長年プロゴルファーから絶大な信頼を得ています。中でも「アイコン」シリーズは、クラシカルなデザインと高級感のあるレザーを用いたモデルで、伝統的なゴルフシューズのスタイルを色濃く残しています。

しかし、いかに高級靴であっても避けられないのが ソールの経年劣化 です。今回お預かりしたアイコンモデルも、アウトソール表面に多数のひび割れが発生し、グリップ力も低下。快適にプレーするには修理が必要な状態でした。

O様からは「スパイク付きのままではなく、普段履きや練習場でも使いやすいスパイクレス仕様にしたい」というご要望をいただきました。そこで私たちは、オリジナルの雰囲気を残しながらも、現代的なスパイクレスソールへと生まれ変わらせる修理プランをご提案しました。


■ 修理前の状態

実際に靴を確認すると、アッパーのレザー部分はまだまだ良好でツヤも保たれていましたが、ソール部分は明らかに寿命を迎えていました。

  • アウトソール全体に ひび割れ

  • 部分的に 硬化 しており屈曲に追随できない

  • グリップピンや凹凸も摩耗し、滑りやすい状態

ゴルフシューズのソールは歩行だけでなく、スイングによるねじれにも耐えなければならないため、ひび割れは致命的です。そのまま使用を続けると、ソールがさらに割れて剥がれるだけでなく、アッパーへの負担も大きくなります。

幸い、フットジョイのアイコンはアウトソールが一体型でボンド接着されている構造のため、分解や交換作業が比較的行いやすい設計になっています。ここから、新たなソール構築作業へと移っていきます。


■ 修理の方針

O様のご要望を踏まえ、今回の修理方針は以下の通りです。

  1. スパイクレス化
     グリーン保護の観点からもスパイクレスは一般的になりつつあります。練習場や日常履きとしても使える仕様へ。

  2. 軽量化とクッション性向上
     従来のソールより軽く、疲れにくい履き心地を目指す。

  3. 耐久性とグリップ力の両立
     ゴルフ用としての機能性を維持しつつ、長く履ける仕上がりにする。

これを実現するため、以下の工程を組み立てました。

  • 劣化したソールを分解し除去

  • EVAスポンジミッドソール を新規製作し、マッケイ縫いで取り付け

  • 同素材でヒールを追加し、傾斜を調整してバランスを確保

  • 最後に Vibram419Cスパイクレスソール を装着し、仕上げる


■ 修理工程

1. 分解作業

まずは古いソールを剥がす作業から。フットジョイのアイコンは、アウトソールが一体型のボンド接着で取り付けられているため、分解は比較的スムーズに進みました。

劣化したソールは触るとカサつき、押すと簡単に割れてしまう状態。全体をきれいに取り除き、アッパー側の接着面を研磨して、新しいソールを取り付ける下準備を整えます。


2. EVAスポンジミッドソールの製作

次に、新しいミッドソールを作成します。素材に採用したのは EVAスポンジ

EVAは、軽量・柔軟・耐水性に優れ、加水分解の心配がほとんどありません。従来のゴルフシューズによく使われていたウレタン素材の弱点を克服できるため、リペア用として最適です。

切り出したEVAスポンジを靴型に合わせて成形し、マッケイ縫い でしっかり固定。接着だけでなく縫い付けることで、耐久性が飛躍的に向上します。


3. ヒールの取り付けと傾斜調整

次に、同じEVAスポンジでヒールを製作し、取り付けます。ゴルフシューズにとってヒールの高さと傾斜は非常に重要で、安定感やスイング時の姿勢に直結します。

O様のシューズは元々クラシカルなヒール形状をしていましたが、今回はスパイクレス化に合わせてややフラットに近い形へ調整。それでいて踵の安定感を失わないよう、絶妙な角度を持たせて取り付けました。


4. Vibram419Cスパイクレスソールの装着

最後に装着するのは、Vibram419C

このモデルはゴルフ向けに設計されたスパイクレスソールで、芝の上でのグリップ力と、アスファルトなど硬い地面での歩行性の両立が図られています。独自のパターンがしっかりと地面を捉え、滑りにくさを実現。耐久性にも優れており、練習場からラウンド、タウンユースまで幅広く対応できます。

ソールを接着後、圧着・乾燥を経て仕上げ。側面の仕上げを整え、全体のバランスを最終チェックして完成となります。


■ 修理後の状態

修理を終えたFootJoyアイコンモデルは、クラシックな雰囲気を残しつつも、現代的で実用的な一足に生まれ変わりました。

  • EVAミッドソールで 軽量化とクッション性向上

  • 傾斜調整したヒールで 安定感と歩行性アップ

  • Vibram419Cで 芝・舗装路どちらでも安心のグリップ力

  • 見た目はシンプルで、普段履きにも使える落ち着いたデザイン

O様からも「まるで新しい靴になったようだ。これなら練習場でもタウンユースでも履ける」と大変ご満足いただけました。


■ 今回の修理のポイント

  1. スパイクレス化 による利便性向上
     ラウンド以外でも気軽に履ける仕様へ。

  2. EVAスポンジ+マッケイ縫い
     耐久性と軽量性の両立。加水分解の心配もなし。

  3. Vibram419Cの採用
     ゴルフ専用のスパイクレスソールで、機能性と安心感を確保。


■ まとめ

フットジョイのアイコンモデルはクラシカルなデザインと高級感で多くのゴルファーに愛されています。しかしソールの経年劣化は避けられず、特にゴルフシューズはプレーの動作特性上、ソールの負担が大きい靴です。

今回のように スパイクレス化を伴うオールソール交換修理 を行えば、従来の雰囲気を残しつつも、現代的な快適性と実用性を備えた一足に再生できます。

「まだ履きたいけれど、ソールが劣化して困っている」という方も、修理によって再び現役の一足として蘇らせることが可能です。

O様の靴もこれから新たなステージで活躍してくれることでしょう。スコアアップのお手伝いになれば、職人としてこの上ない喜びです。


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東京都 S様 ECCO スパイクレスゴルフシューズ オールソール交換修理

東京都 S様 ECCO スパイクレスゴルフシューズ オールソール交換修理

~赤いソールから黒へ。加水分解したウレタン層をEVAスポンジとVibram419Cで再生~

■ ご依頼の背景

今回ご紹介するのは、東京都にお住まいのS様よりお預かりした ECCO(エコー)製スパイクレスゴルフシューズ の修理事例です。

ECCOはデンマーク発のシューズブランドで、独自のコンフォート設計と高品質レザーを用いた靴作りで知られています。特にゴルフシューズ分野では世界的に高い評価を得ており、多くのプロゴルファーが愛用していることでも有名です。

今回お預かりしたのは、ECCOらしい赤いアウトソールが印象的なスパイクレスゴルフシューズでした。しかし経年によってソールのミッド層が劣化し、いわゆる 加水分解 によって割れてしまった状態でした。


■ 修理前の状態

靴底を確認すると、赤いアウトソール自体はまだ大きな摩耗が見られないものの、その下に配置されている ウレタン製ミッドソール層 が完全に劣化し、ぱっくりと割れていました。

ウレタン素材は軽量かつクッション性に優れる一方で、湿気や経年による劣化に弱いという性質を持っています。新品当初は柔らかく弾力性があるのですが、数年が経つと次第に硬化し、最後には割れたり粉状になって崩れてしまうのです。

ゴルフシューズは特に芝の上での歩行やスイング動作による屈曲が多いため、ソールの劣化が進むと破損が一気に広がってしまいます。今回も、ミッドソールのウレタン層が靴全体の構造を支えられなくなり、履けない状態となっていました。


■ 修理の方針

S様のご希望は、

  1. これからもゴルフ用として安心して使えること

  2. 耐久性と安定感を確保しつつ、軽量であること

  3. 見た目はシンプルで落ち着いた印象に仕上げたい

というものでした。

オリジナルの赤いアウトソールと同じ部材は入手できないため、今回は次のようなプランで修理を進めることにしました。

  • 劣化したウレタン層を完全に除去

  • 本革のトウガード(つま先補強) を縫い付けて接着跡を隠しつつ補強

  • ベージュのEVAスポンジ を用いて新しいミッドソールを製作

  • ヒールに厚みを持たせ、安定性のある ウェッジソール形状 を再構築

  • ゴルフ専用の Vibram419C スパイクレスソール を黒で装着

  • 全体を マッケイ縫い で縫い付け、強度と耐久性を高める

これにより、オリジナル以上の耐久性・軽量性・グリップ性を備えた一足へと生まれ変わらせます。


■ 修理工程

1. 分解作業

まずは加水分解してボロボロになったウレタンミッドソールを取り除きます。指で押すと粉状に崩れるほど劣化が進んでおり、完全に剥離させるまでに時間を要しました。接着剤の残りや汚れもきれいに削り落とし、新しいソールを取り付けるための準備を整えます。


2. つま先ガードの製作

ソールを分解した後のアッパー部分には、古い接着跡や縫製の痕がどうしても残ります。これを隠すと同時に補強の役割を持たせるため、本革でトウガードを製作。カップ状に成形した革をつま先部分に縫い付け、自然に馴染むよう仕上げます。これにより見た目が整うだけでなく、つま先の耐久性も大きく向上します。


3. EVAスポンジミッドソールの製作

次に、新しいミッドソールを製作します。
素材には EVAスポンジ(ベージュ) を採用。EVAは軽量でクッション性があり、加水分解の心配がないため、ウレタンに代わる素材として最適です。ベージュカラーを選んだことで、黒のアウトソールとのコントラストが柔らかく、落ち着いた雰囲気になります。

また、S様の要望を踏まえ、ヒールに向かって厚みを増すように削り出し、ウェッジソール形状 に加工しました。これにより、スイング時の安定感や歩行時のバランスが改善されます。


4. マッケイ縫いで固定

新しいEVAミッドソールは接着だけでなく、マッケイ縫い を施しました。マッケイ縫いはアッパーとミッドソールを直接縫い付ける構造で、接着だけでは得られない強度を確保できると同時に、靴底の柔軟性も残せます。スポーツ用途の靴には特に有効な修理方法です。


5. Vibram419C スパイクレスソールの装着

最後にアウトソールを取り付けます。採用したのは Vibram419C
このソールはスパイクレスゴルフシューズ用に開発されたモデルで、芝の上でのグリップ力はもちろん、コンクリートやクラブハウス内の床でも歩きやすいパターンが施されています。

オリジナルは赤いソールでしたが、今回は取り扱いがなかったため 黒を採用。その結果、全体が落ち着いたシックな印象になり、むしろ普段履きにも使いやすい仕上がりになりました。


6. 最終仕上げ

全体のバランスを確認し、ソール側面を整えて完成です。縫製部分や革ガードとの境目も自然に馴染むよう調整し、見た目にも違和感のない状態に仕上げました。


■ 修理後の状態

修理後のECCOスパイクレスゴルフシューズは、オリジナルの印象を残しながらも、より実用的で長く履ける仕様に生まれ変わりました。

  • EVAスポンジ採用で 軽量化とクッション性向上

  • ウェッジソール形状で 安定感を確保

  • Vibram419Cで 芝・アスファルト両方に対応できるグリップ性能

  • 黒ソールに変更することで 落ち着いた大人の雰囲気

S様からも「オリジナルよりも履きやすくなった。ゴルフ以外でも履けそう」と大変ご満足いただけました。


■ 今回の修理ポイント

  1. 加水分解への対策
     ウレタンからEVAへ変更することで、再び同じ劣化が起こるリスクを回避。

  2. デザイン性と実用性の両立
     本革トウガードで仕上げを整えつつ補強。黒ソールでシックに仕上げ。

  3. スポーツ用途に対応した設計
     マッケイ縫い+Vibram419Cで、強度と柔軟性を兼ね備えた構造に。


■ まとめ

ECCOのスパイクレスゴルフシューズは、履き心地の良さと独特のデザインで人気ですが、加水分解によるソール劣化が避けられない弱点もあります。メーカーでは修理が難しいケースでも、適切な素材と技術を用いることで、オリジナル以上の耐久性と快適性を備えた靴に再生することが可能です。

今回のS様の靴も、新たなソールによって再び現役のゴルフシューズとして活躍できる状態に生まれ変わりました。お客様の「まだ履きたい」という思いを形にできたことが、私たち職人にとっても大きな喜びです。


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