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日別アーカイブ: 2026年1月4日

倉敷市 T様 ASICS サッカーボールシューズ 加水分解によるオールソール交換修理 ― 競技用シューズを「普段履きスニーカー」へ再構築 ―

今回ご紹介するのは、倉敷市にお住まいのT様よりご依頼いただいた
ASICS(アシックス)サッカーボールシューズのオールソール交換修理事例です。

この靴は本来、競技用として設計された特殊なシューズですが、
お客様からのご要望は少し変わったものでした。

「この靴を、普段履きのスニーカーとして履けるようにしたい」

一見すると簡単そうに聞こえるかもしれませんが、
実際には 構造的にも素材的にも難易度の高い修理となりました。

■ お預かり時の状態

まず、靴の状態を確認した段階で、
問題点ははっきりしていました。

  • ポリウレタン系素材のソールが加水分解

  • ソールが真っ二つに割れている

  • 触ると崩れるほど劣化が進行

競技用シューズに多く使われる軽量素材は、
時間の経過と湿気によって加水分解を起こしやすく、
今回のように「突然割れる」という症状がよく見られます。

■ さらに深刻だった中底の劣化

外見上のソール割れ以上に問題だったのが、
中底(インソールの下にある構造材)の状態です。

中底を確認すると、

  • 全体に亀裂が入っている

  • 指で押すと割れる

  • すでに構造材としての役割を果たしていない

という、かなり深刻な劣化状態でした。

■ ソール分解時に起きた問題

オールソール交換を行うため、
既存のソールを分解していくと、
予想通りではありますが 中底が割れてしまい、穴が開いた状態になりました。

これは作業ミスではなく、
中底そのものが素材として限界を迎えていたことが原因です。

この時点で、
「ソールを貼り替えるだけ」という選択肢は完全になくなりました。

■ 修理方針の再構築

今回の修理では、

  • アウトソール交換

  • ミッドソール新設

  • 中底の再建

  • 普段履きスニーカー仕様への変更

という、ほぼフルリビルドに近い作業が必要となりました。

競技用シューズをそのまま再現するのではなく、
日常使用に耐えられる靴として作り直すという方向性で進めます。

■ 中底の再建作業

まず最優先となったのが、
中底の再建です。

割れて穴の開いた状態では、
どんなに良いソールを付けても意味がありません。

そこで今回は、

  • 耐久性

  • 形状安定性

  • 縫い付け可能

という条件を満たす 本革を使用し、
新たに中底を作り直しました。

本革の中底は、

  • 経年劣化が緩やか

  • 修理対応がしやすい

  • 足当たりが自然

といった利点があり、
「長く履く靴」には非常に適しています。

■ EVAスポンジミッドソールの新設

中底が再建できたことで、
次に行うのが ミッドソールの構築です。

今回は、

  • EVAスポンジ素材

  • 適度なクッション性

  • 軽量性を重視

したミッドソールを採用しました。

さらに、
ウェッジソール形状とすることでヒールを高く設定し、
歩行時の安定性と疲れにくさを向上させています。

この工程では、
マッケイ縫いによってミッドソールを靴本体に直接縫い付けています。

接着だけに頼らない構造にすることで、
耐久性と修理後の安心感が大きく向上します。

■ アウトソール選択:Vibram 477B 黒

仕上げに使用したアウトソールは、
お客様ご指定の **Vibram 477B(黒)**です。

このソールの特徴は、

  • 丸い突起状のパターン

  • 柔らかすぎないゴム質

  • 日常使用に十分な耐摩耗性

特に今回の修理では、
突起パターンがサッカーボールシューズのイメージを連想させる点が
非常に重要なポイントでした。

競技用としての役割は終えても、
デザイン的な「出自」は残したい、
そんなお客様のご希望を形にした選択です。

■ 仕上げと最終確認

すべてのパーツを組み上げた後は、

  • 接地バランス

  • ヒール高の左右差

  • 縫い目と接着状態

を細かく確認し、
普段履きスニーカーとして違和感がないかをチェックします。

結果として、

  • 見た目は個性的なスニーカー

  • 構造はしっかりした日常靴

  • 歩行感は安定して快適

という、
**「用途を変えて生まれ変わった一足」**に仕上がりました。

■ 今回の修理を通して

競技用シューズは、
本来「軽さ・瞬発力」を重視して作られているため、
長期使用や修理を前提としていない構造が多く見られます。

しかし、今回のように、

  • 用途を見直す

  • 構造を組み替える

  • 素材を選び直す

ことで、
全く別の価値を持った靴として再生することも可能です。

「もう履けない」と諦める前に、
一度ご相談いただければ、
靴の状態に応じた最善の方法をご提案できます。


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倉敷市 T様 REGAL Walker ソール張替え修理事例 ― 履き慣れた一足を、もう一度安心して歩ける靴へ ―

今回ご紹介する修理事例は、倉敷市にお住まいのT様よりご依頼いただいた
REGAL(リーガル) Walker(ウォーカー)モデルのソール張替え修理です。

リーガルのウォーカーシリーズは、「歩くこと」を主眼に設計されたラインで、
クッション性・安定性・足運びの良さに定評があり、
通勤や日常使いはもちろん、長時間歩行にも対応できる実用性の高いモデルです。

その反面、履き心地が良いがゆえに使用頻度が高くなりやすく、
結果としてソールの消耗が進みやすいという特徴もあります。

■ お預かり時の状態について

お持ち込みいただいた靴を確認すると、
全体的に「かなり履き込まれている」ことが一目で分かる状態でした。

特に目立っていたのが、かかと部分の補修跡です。
過去に部分的な補修を行いながら履き続けてこられたことが伺えます。

これは靴を大切にされている証拠でもありますが、
同時に「ソール全体としては限界が近い」サインでもあります。

底面を確認すると、

  • アウトソールのパターン(溝)がほぼ消失

  • 踏み返し部分の摩耗が進行

  • 滑り止めとしての機能が著しく低下

といった状態でした。

ウォーキングシューズにおいて、
底面パターンの消失=安全性と歩行性能の低下を意味します。

滑りやすくなるだけでなく、
足の着地が不安定になり、膝や腰への負担も増えやすくなるため、
この段階での修理判断は非常に適切だと言えます。

■ 修理内容の検討

今回のケースでは、

  • アッパー(甲革)はまだしっかりしている

  • ミッドソールも大きな劣化は見られない

  • 問題はアウトソールの摩耗

という状況でした。

そのため、

「ミッドソールは活かし、アウトソールのみを張り替える」

という修理方法を選択しています。

これはコストと仕上がりのバランスが良く、
REGAL Walkerの設計思想にも合った、非常に理にかなった修理方法です。

■ 使用するソール材について

今回採用したのは
Vibram(ビブラム)2021 ソールです。

Vibram2021は、

  • 軽量なスポンジ系素材

  • 適度なクッション性

  • 歩行時の返りの良さ

  • 日常使いに十分な耐摩耗性

を兼ね備えたソールで、
ウォーキングシューズとの相性が非常に良いモデルです。

純正ソールと全く同じものは手に入りませんが、
「履き心地の方向性が近い素材」を選ぶことで、
違和感の少ない仕上がりを目指します。

■ 修理工程

1.ソールの分解

まずは、劣化したアウトソールを慎重に分解します。
この工程では、

  • ミッドソールを傷めないこと

  • 接着面をできるだけ平滑に保つこと

が重要です。

古い接着剤やゴムの残りを丁寧に除去し、
次の工程に備えます。

2.下処理作業

ソールを取り外した後は、

  • 接着面の研磨

  • 高さ・バランスの確認

  • 左右差の調整

といった下処理を行います。

この工程を丁寧に行うことで、
接着強度・耐久性・歩行時の安定感が大きく変わります。

3.Vibram2021の取り付け

下処理が完了したら、
Vibram2021ソールを靴の形状に合わせて成形し、
強力な専用接着剤を用いて圧着します。

位置ズレがないか、
踏み返し位置が適切かを確認しながら、
慎重に作業を進めます。

4.仕上げ・最終確認

圧着後は、

  • ソール周囲の仕上げ

  • 接着状態の確認

  • 実際に地面に置いてのバランスチェック

を行い、問題がなければ完成です。

■ 修理後の状態

修理後は、

  • 底面にしっかりとしたパターンが復活

  • クッション性のある歩き心地

  • 安定感のある接地感

が戻り、
「また安心して歩ける靴」に生まれ変わりました。

長年履き慣れた靴は、
新品に買い替えるよりも、
修理して履き続ける方が足に合うことも少なくありません。

今回のように、
適切なタイミングでソール張替えを行うことで、
靴の寿命は大きく延ばすことができます。

■ まとめ

REGAL Walkerは、
しっかりとした作りのため、
ソールさえ適切に修理すれば、
まだまだ長く履き続けることが可能な靴です。

「もうダメかも」と思われる状態でも、
実際には修理で十分対応できるケースも多くあります。

ソールの減りや滑りが気になり始めたら、
早めのご相談をおすすめします。


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