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日別アーカイブ: 2026年1月13日

倉敷市 A様 加水分解した ブランドストーンの靴底をオールソール交換修理しました

倉敷市にお住まいのA様より、ブランドストーン(Blundstone)サイドゴアブーツの修理をご依頼いただきました。


日常使いから街歩きまで幅広く活躍するブランドストーンのサイドゴアブーツは、履きやすさと耐久性を兼ね備えた人気モデルです。A様も長年このブーツを愛用されており、日々の生活の中で欠かせない一足として大切に履かれてきたそうです。

今回のご相談内容は、靴底の剥がれ
確認させていただいたところ、アウトソールだけでなく、内部のポリウレタン製ミッドソールが加水分解を起こしている状態でした。ポリウレタン素材は、クッション性や軽さに優れる一方で、経年や保管環境によって劣化が進みやすいという特性があります。

加水分解とは、空気中の湿気と化学反応を起こすことで、素材の分子構造が壊れてしまう現象です。
この症状が進行すると、ソールがボロボロと崩れたり、今回のように接着が効かなくなって剥がれてしまったりします。履いていなくても劣化が進む場合があるため、「久しぶりに履こうとしたら突然壊れた」というご相談も少なくありません。

A様のブーツも、外見上は比較的きれいな状態でしたが、内部では確実に劣化が進んでいました。
このようなケースでは、部分的な貼り替えや応急処置では根本的な解決にはなりません。そのため今回は、劣化したソールをすべて取り除き、新たに作り直すオールソール交換修理をご提案しました。

まずは既存ソールの分解作業から始めます。
加水分解したポリウレタンは非常に脆く、粉状になったり、粘ついたりと状態が安定しません。無理に剥がすとアッパー(甲革)を傷めてしまう恐れがあるため、状態を見極めながら、慎重に取り外していきます。

ソールを完全に除去した後は、靴底全体の下処理を行います。
劣化した素材の残りや古い接着剤を丁寧に取り除き、次に取り付けるミッドソールがしっかり密着するよう、底面を整えていきます。この工程は完成後には見えなくなる部分ですが、耐久性と履き心地を左右する非常に重要な作業です。

新たなミッドソールとして採用したのは、EVAスポンジ素材
EVAスポンジは軽量でクッション性が高く、加水分解のリスクが低い素材として知られています。歩行時の衝撃を和らげ、長時間歩いても疲れにくいため、街歩きや日常使いのブーツには非常に相性の良い素材です。

このEVAミッドソールは、接着だけに頼らず、マッケイ縫いによって靴本体にしっかりと固定しています。
マッケイ縫いは、インソールからアウトソールまでを一気に縫い通す製法で、軽さと屈曲性に優れるのが特徴です。サイドゴアブーツのように、脱ぎ履きが多く、歩行時の柔軟性が求められる靴には最適な構造と言えます。

アウトソールには、Vibram(ビブラム)528Kソールを使用しました。
このソールは、軽量でありながら耐摩耗性に優れ、安定したグリップ力を持つモデルです。街中のアスファルトやタイル路面でも安心して歩けるため、日常使いを想定した今回の修理内容にぴったりの選択となりました。

仕上がりは、見た目にも自然で、ブランドストーン本来のシンプルで実用的な雰囲気を損なうことなく完成しました。
履き心地も軽やかで、修理前よりも歩きやすく感じていただける仕上がりになっています。

靴は、私たちの日々の歩みを支える大切な道具です。
消耗品であることは確かですが、適切なタイミングで修理やメンテナンスを行えば、驚くほど長く使い続けることができます。特に今回のように、構造から見直したオールソール交換は、靴に新たな寿命を与える修理と言えるでしょう。

新品に買い替えるのではなく、履き慣れた靴を修理して使い続けることは、経済的なメリットだけでなく、環境への配慮にもつながります。
そして何より、足に馴染んだ一足をこれからも履き続けられるという安心感は、何ものにも代えがたいものです。

A様のブランドストーンも、今回の修理によって再び安心して街へ出かけられる相棒として生まれ変わりました。
これからも、日々の歩みを支える一足として、存分に活躍してくれることと思います。

この度は、大切なブーツの修理をご依頼いただき、誠にありがとうございました。
靴の修理やメンテナンスについて、気になる点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

倉敷市 A様 Rossi ロッシ サイドゴアブーツ 加水分解したソールを オールソール交換修理した

倉敷市にお住まいのA様より、大切に履き続けてこられた Rossi(ロッシ)サイドゴアブーツ の修理をご依頼いただきました。


今回のご相談内容は、ブーツのソール部分に起きた 加水分解による深刻な劣化。見た目以上に内部が傷んでおり、部分的な補修では対応が難しい状態だったため、オールソール交換修理を行うことになりました。

このRossiのサイドゴアブーツは、長年にわたりA様の日常を支えてきた一足。
通勤や外出、時には多少ハードな環境でも履かれていたとのことで、ブーツとしては「本来あるべき使われ方」をしてきた靴だと感じました。履きジワや革の表情からも、単なるファッションアイテムではなく、生活の中にしっかりと溶け込んだ相棒であることが伝わってきます。

しかし、どんなに大切に履いていても避けられないのが、ソール素材の経年劣化です。
特に今回のように、ソール内部にポリウレタン系素材が使われている場合、空気中の湿気と化学反応を起こし、時間の経過とともに分子構造が壊れていきます。これが「加水分解」と呼ばれる現象で、外見上は問題がなさそうでも、突然ボロボロと崩れたり、接着が効かなくなったりするのが特徴です。

A様のブーツも、アウトソールだけでなく、その下のミッドソール部分まで劣化が進行していました。
この状態では、表面だけを貼り替えても長くは持ちません。そこで今回は、劣化したソール一式を完全に取り除き、構造から作り直すオールソール交換を行う判断をしました。

まず最初の工程は、既存ソールの分解作業です。
加水分解した素材は、通常のゴムや革と違い、非常に脆く、かつ粘つきが残ることがあります。そのため、力任せに剥がすとアッパー(甲革)を傷めてしまう危険があります。
状態を確認しながら、熱を加え、少しずつ、革に負担をかけないよう慎重に除去していきました。

ソールを取り外した後は、靴底全体のクリーニングと下処理を行います。
劣化した素材の残骸や古い接着剤を丁寧に取り除き、次に取り付けるミッドソールがしっかりと密着するよう、底面を整えていきます。この工程は見えない部分ではありますが、仕上がりの耐久性を大きく左右する非常に重要な作業です。

今回、新たにミッドソールとして使用したのは EVAスポンジ素材
EVAは軽量でクッション性が高く、加水分解のリスクが低い素材です。歩行時の衝撃をしっかり吸収しつつ、長時間履いても疲れにくいため、日常使いのブーツには非常に相性が良い素材と言えます。

このEVAミッドソールは、単に接着するだけでなく、マッケイ縫いによって靴本体にしっかりと固定しました。
マッケイ縫いは、インソールからアウトソールまでを一気に縫い通す製法で、軽さと屈曲性に優れるのが特徴です。サイドゴアブーツのように、歩きやすさと足馴染みが重要な靴には非常に適した構造となります。

縫製後、最終仕上げとして取り付けたアウトソールは Vibram(ビブラム)1136ソール
このソールは、耐摩耗性に優れ、グリップ力と安定感のバランスが非常に良いモデルです。日常的にガシガシ履く方や、舗装路・多少ラフな路面を問わず使用される方には特におすすめできるソールです。

見た目にもRossiの無骨さと相性が良く、ブーツ全体の雰囲気を損なうことなく、むしろより「道具感」のある佇まいに仕上がったのではないかと思います。
新品のように生まれ変わりながらも、長年履き込まれたアッパーの表情はそのまま残り、まさに「再生された一足」となりました。

修理後は、構造的にも強度が向上しており、これから先も安心して履き続けていただけます。
新品を買い替えるという選択肢もある中で、思い入れのある靴を修理して使い続けるという決断は、決して簡単なものではありません。しかし、その選択には、ものを大切にする気持ちや、履き慣れた一足への愛着が詰まっています。

靴修理という仕事をしていて感じるのは、「修理=延命」ではなく、「修理=価値の再発見」だということです。
今回のRossiサイドゴアブーツも、オールソール交換によって、これから先の時間を再びA様と共に歩んでいく準備が整いました。

ぜひ、これからも遠慮なく、ガシガシ履いていただければと思います。
履き込んで、またソールが減ったら、その時は再び手を入れればいい。そうやって付き合っていけるのが、良い靴、そして修理できる靴の魅力です。

この度は、大切なブーツの修理をお任せいただき、誠にありがとうございました。
また何かございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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