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月別アーカイブ: 2026年1月

倉敷市 T様 REGAL Walker ソール張替え修理事例 ― 履き慣れた一足を、もう一度安心して歩ける靴へ ―

今回ご紹介する修理事例は、倉敷市にお住まいのT様よりご依頼いただいた
REGAL(リーガル) Walker(ウォーカー)モデルのソール張替え修理です。

リーガルのウォーカーシリーズは、「歩くこと」を主眼に設計されたラインで、
クッション性・安定性・足運びの良さに定評があり、
通勤や日常使いはもちろん、長時間歩行にも対応できる実用性の高いモデルです。

その反面、履き心地が良いがゆえに使用頻度が高くなりやすく、
結果としてソールの消耗が進みやすいという特徴もあります。

■ お預かり時の状態について

お持ち込みいただいた靴を確認すると、
全体的に「かなり履き込まれている」ことが一目で分かる状態でした。

特に目立っていたのが、かかと部分の補修跡です。
過去に部分的な補修を行いながら履き続けてこられたことが伺えます。

これは靴を大切にされている証拠でもありますが、
同時に「ソール全体としては限界が近い」サインでもあります。

底面を確認すると、

  • アウトソールのパターン(溝)がほぼ消失

  • 踏み返し部分の摩耗が進行

  • 滑り止めとしての機能が著しく低下

といった状態でした。

ウォーキングシューズにおいて、
底面パターンの消失=安全性と歩行性能の低下を意味します。

滑りやすくなるだけでなく、
足の着地が不安定になり、膝や腰への負担も増えやすくなるため、
この段階での修理判断は非常に適切だと言えます。

■ 修理内容の検討

今回のケースでは、

  • アッパー(甲革)はまだしっかりしている

  • ミッドソールも大きな劣化は見られない

  • 問題はアウトソールの摩耗

という状況でした。

そのため、

「ミッドソールは活かし、アウトソールのみを張り替える」

という修理方法を選択しています。

これはコストと仕上がりのバランスが良く、
REGAL Walkerの設計思想にも合った、非常に理にかなった修理方法です。

■ 使用するソール材について

今回採用したのは
Vibram(ビブラム)2021 ソールです。

Vibram2021は、

  • 軽量なスポンジ系素材

  • 適度なクッション性

  • 歩行時の返りの良さ

  • 日常使いに十分な耐摩耗性

を兼ね備えたソールで、
ウォーキングシューズとの相性が非常に良いモデルです。

純正ソールと全く同じものは手に入りませんが、
「履き心地の方向性が近い素材」を選ぶことで、
違和感の少ない仕上がりを目指します。

■ 修理工程

1.ソールの分解

まずは、劣化したアウトソールを慎重に分解します。
この工程では、

  • ミッドソールを傷めないこと

  • 接着面をできるだけ平滑に保つこと

が重要です。

古い接着剤やゴムの残りを丁寧に除去し、
次の工程に備えます。

2.下処理作業

ソールを取り外した後は、

  • 接着面の研磨

  • 高さ・バランスの確認

  • 左右差の調整

といった下処理を行います。

この工程を丁寧に行うことで、
接着強度・耐久性・歩行時の安定感が大きく変わります。

3.Vibram2021の取り付け

下処理が完了したら、
Vibram2021ソールを靴の形状に合わせて成形し、
強力な専用接着剤を用いて圧着します。

位置ズレがないか、
踏み返し位置が適切かを確認しながら、
慎重に作業を進めます。

4.仕上げ・最終確認

圧着後は、

  • ソール周囲の仕上げ

  • 接着状態の確認

  • 実際に地面に置いてのバランスチェック

を行い、問題がなければ完成です。

■ 修理後の状態

修理後は、

  • 底面にしっかりとしたパターンが復活

  • クッション性のある歩き心地

  • 安定感のある接地感

が戻り、
「また安心して歩ける靴」に生まれ変わりました。

長年履き慣れた靴は、
新品に買い替えるよりも、
修理して履き続ける方が足に合うことも少なくありません。

今回のように、
適切なタイミングでソール張替えを行うことで、
靴の寿命は大きく延ばすことができます。

■ まとめ

REGAL Walkerは、
しっかりとした作りのため、
ソールさえ適切に修理すれば、
まだまだ長く履き続けることが可能な靴です。

「もうダメかも」と思われる状態でも、
実際には修理で十分対応できるケースも多くあります。

ソールの減りや滑りが気になり始めたら、
早めのご相談をおすすめします。


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東京都 H様 Dubarry(デュ・バリー)ブーツ 加水分解によるオールソール交換修理事例

— 側面跡形処理を伴う本格再構築 —

今回ご紹介する修理事例は、東京都にお住まいのH様よりご依頼いただいた Dubarry(デュ・バリー)ブーツのオールソール交換修理 です。
アイルランド発祥のデュ・バリーは、防水性と耐久性に優れたブーツを多く展開しており、アウトドアやタウンユースを問わず愛用されているブランドですが、使用されている素材の特性上、避けて通れない経年劣化も存在します。

■ ご依頼時の状態 ― ミッドソールの加水分解

お持ち込み時のブーツを確認すると、ミッドソール部分に明確な加水分解症状 が見られました。
ポリウレタン素材特有の劣化により、ミッドソールが脆くなり、部分的に剥がれと崩れが生じています。

加水分解は、空気中の水分と反応することで内部から分子構造が壊れていく現象で、見た目にはまだ使えそうに見えても、内部では確実に進行しています。
特にデュ・バリーのように、ミッドソールにポリウレタンを広範囲に使用している構造 の場合、この症状が出始めると部分補修では対応できず、オールソール交換修理が必須 となります。

さらにアウトソール部分も、長年の使用により 全体的に大きく摩耗 しており、グリップ力の低下も顕著でした。
これらの状態を踏まえ、今回はミッドソールからアウトソールまでをすべて作り直す、本格的なオールソール交換修理をご提案しました。


■ 修理の難所 ― 側面に残る「跡形」の問題

今回の修理で特に注意が必要だったのが、側面構造の処理 です。

このブーツは、ミッドソールのポリウレタンが 側面に幅広く貼り付けられている構造 になっています。
加水分解したミッドソールを除去すると、その下から接着跡や段差、素材の境目などがそのまま露出してしまいます。

この「跡形」をそのままにして新しいソールを取り付けてしまうと、

  • 側面の見た目が著しく損なわれる

  • 後付け感が強くなり、全体のバランスが崩れる

  • 耐久性や防水性にも悪影響が出る

といった問題が生じます。

そのため今回は、単なるソール交換ではなく、側面処理を含めた再構築修理 を行うことにしました。


■ 本革による側面処理 ― オパンケ縫いを採用

まず、加水分解したポリウレタンミッドソールを完全に除去し、残った素材や接着剤を丁寧に処理します。
下地を整えたうえで、側面の跡形を覆うために本革を新たに成形 し、靴本体に縫い付けていきます。

ここで採用したのが オパンケ縫い です。

オパンケ縫いは、側面から革を立ち上げて縫い付ける製法で、

  • 側面を立体的に整えられる

  • 跡形を自然に隠すことができる

  • 強度が高く、ハードユースにも耐える

といった特徴があります。

見た目の処理だけでなく、構造的な補強 としても非常に有効なため、今回のような修理には最適な方法と言えます。


■ EVAスポンジミッドソールの縫い付け ― マッケイ縫い

側面処理が完了した後は、新しいミッドソールの取り付けです。
今回は EVAスポンジ素材のミッドソール を採用しました。

EVAは、

  • 加水分解しにくい

  • 軽量でクッション性が高い

  • 加工がしやすく、修理向き

という特性があり、今後長く履いていただくための素材として非常に優れています。

このEVAミッドソールは、マッケイ縫い によって靴本体に直接縫い付けています。
マッケイ縫いは、底付けの安定性が高く、修理後のトラブルが少ない製法で、オールソール交換修理では定番かつ信頼性の高い方法です。


■ アウトソール ― Vibram1136を選択

仕上げとなるアウトソールには、Vibram1136 を使用しました。

Vibram1136は、

  • 厚みがあり耐摩耗性が高い

  • 悪路でも安定したグリップ力を発揮する

  • ブーツとの相性が非常に良い

といった特徴を持つソールです。

デュ・バリー本来のタフなイメージを損なわないよう、実用性重視のソール選定 を行っています。


■ 修理後の仕上がりと評価

完成したブーツは、修理前と比べると 全体的にごつく、無骨な印象 になりました。
しかしこれは決してマイナスではなく、

  • 構造的に強くなった

  • ハードな使用にも耐えられる

  • 今後の再修理もしやすい

という、実用靴として非常に優れた状態に生まれ変わっています。

見た目だけを元に戻す修理ではなく、これから先も安心して履き続けられること を最優先に考えたオールソール交換修理です。


■ まとめ

デュ・バリーのブーツは高品質で魅力的な反面、ポリウレタン素材の加水分解という宿命を抱えています。
しかし、適切な修理方法を選択すれば、寿命を大きく延ばすことが可能 です。

今回のように、

  • 側面跡形を本革で処理

  • オパンケ縫いとマッケイ縫いを使い分け

  • 加水分解しにくい素材へ置き換える

ことで、単なる延命ではなく「再構築」と言える修理が実現します。

同様の症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。


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