オフィシャルブログ

日別アーカイブ: 2025年12月18日

倉敷市 Y様|NIKE Air Jordan 1 ソール張替え修理 船上作業に対応する「ハイパーVソール」カスタム

今回ご紹介する修理事例は、倉敷市にお住まいのY様よりご依頼いただいた
**NIKE(ナイキ)Air Jordan 1(エアジョーダン1)**のソール張替え修理です。

エアジョーダン1といえば、言わずと知れたバスケットボールシューズの名作であり、現在ではストリートファッションやカジュアルユースでも高い人気を誇るモデルです。
しかしその一方で、オリジナルのアウトソールは街履きや軽いスポーツ用途を想定した設計であり、特殊な環境下での使用には必ずしも最適とは言えません。

今回Y様からいただいたご相談は、
「船の上で使用するため、水に濡れた状態でも滑りにくいソールに張り替えてほしい」
という、非常に明確で実用的な内容でした。

■ ご依頼の背景 ― 船上作業という過酷な使用環境

Y様は、船上での作業が多いお仕事をされており、
甲板が常に水で濡れている、あるいは海水や油分が付着しているといった環境で靴を使用されるとのことです。

一般的なスニーカーソールは、
・乾いた路面
・アスファルトやコンクリート
・屋内フロア
といった条件では問題ありませんが、水に濡れた金属面やFRP甲板では、想像以上に滑りやすくなります。

特にエアジョーダン1のオリジナルソールは、耐摩耗性は高いものの、
「水滑り防止」を主目的とした配合・意匠ではないため、船上使用では不安が残ります。

■ 選択したソール「ハイパーVソール」とは

そこで今回採用したのが、
**日進ゴム製「ハイパーVソール」**です。

ハイパーVソールは、
・水に濡れた路面
・油分のある床面
・金属・タイル・FRP
といった滑りやすい環境での高いグリップ性能に定評のあるソール素材です。

作業靴・安全靴の分野では非常に有名で、
「濡れた床でも止まる」「体感的に分かるほど滑らない」
と評価されることが多く、実務用途では信頼性の高い素材です。

Y様は、以前に別の靴をハイパーVソールに張り替えた経験があり、その性能を実感済み
今回はその実績を踏まえ、エアジョーダン1にも同様のカスタムを施したい、ということで再度ご依頼くださいました。

■ 修理前の状態確認

お預かりしたエアジョーダン1は、
アッパー(革部分)の状態は比較的良好で、大きなダメージは見られませんでした。

一方で、アウトソールは
・摩耗によるグリップ低下
・パターンの角が丸くなっている
・船上使用では不安が残る状態
となっており、張替えのタイミングとしては適切な状態でした。

■ 修理工程① ソール面の下処理

まず行うのは、既存ソール面の削り込み作業です。

エアジョーダン1はカップソール構造のため、
オリジナルのソールを完全に剥がして縫い替える方法ではなく、
**底面を削って平滑な接着面を作る「貼り替え方式」**を採用します。

・ソールの凹凸を均一に削る
・左右で高さ差が出ないよう慎重に調整
・接着に適した粗さまでペーパー処理

この下処理の精度が、
接着強度・仕上がりの美しさ・耐久性を大きく左右します。

特に船上での使用では、
・水分
・温度変化
・ねじれ
といった負荷がかかるため、下処理は通常以上に丁寧に行います。

■ 修理工程② ハイパーVソールの加工と貼り付け

次に、ハイパーVソールを靴のサイズ・形状に合わせて加工します。

・つま先、土踏まず、かかとのラインを微調整
・左右差が出ないよう慎重にトリミング
・接着面にプライマー処理を施す

その後、業務用の強力接着剤を使用し、圧着・硬化を行います。

ハイパーVソールはゴム質が強く、
単純に貼るだけでは剥がれやすいため、
素材特性を理解したうえでの工程管理が不可欠です。

■ 修理後の仕上がりと実用性

仕上がったエアジョーダン1は、
見た目の印象を大きく損なうことなく、
実用性を重視したソールカスタムとなりました。

実際にY様からは、
「水に濡れた船上でも安心して作業できる」
「以前張り替えた靴と同じで、やはり滑らない」
と、高い評価をいただいています。

ファッション性の高いスニーカーでありながら、
仕事道具としても信頼できる一足へと生まれ変わりました。

■ いずみ靴店からのひとこと

スニーカーは「履き潰すもの」と思われがちですが、
使用環境に合わせてソールを選び直すことで、
用途特化型の一足として長く活躍させることが可能です。

特に、
・船上作業
・水場
・厨房
・工場内
など、滑りが事故につながる環境では、
ソール選びが安全性を大きく左右します。

「この靴を、この環境で使いたい」
というご要望がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。


対応修理内容

  • NIKE Air Jordan 1

  • ソール張替え(ハイパーVソール)

  • 船上・水濡れ環境対応カスタム


#いずみ靴店
#倉敷市
#ナイキエアジョーダン
#NIKE
#AirJordan1
#ハイパーV
#ソール張替え
#水滑りに強い
#船上作業
#スニーカーカスタム
#靴修理事例

東京都K様 Joya(ジョーヤ)ウォーキングシューズ ポリウレタンミッドソール加水分解によるオールソール交換修理事例

今回ご紹介する修理事例は、東京都よりご依頼いただいたK様の Joya(ジョーヤ)ウォーキングシューズ のオールソール交換修理です。
Joyaはスイス発のコンフォートシューズブランドとして知られ、柔らかく衝撃吸収性に優れた独自構造のソールが特徴で、長時間の歩行や立ち仕事をされる方から高い支持を得ています。

しかし、その履き心地の要となっているポリウレタン素材のミッドソールは、経年劣化による「加水分解」という避けられない問題を抱えています。
今回お持ち込みいただいたK様の靴も、まさにその典型的な症状が現れていました。


■ ご入荷時の状態 ― ポリウレタン加水分解によるソール崩壊

靴を拝見すると、アウトソール自体は大きな摩耗があるわけではないものの、
ミッドソール部分のポリウレタンが粉状・スポンジ状に崩れ始めている状態でした。

ポリウレタンは、製造から一定年数が経過すると空気中の水分と反応し、
・ベタつく
・ひび割れる
・指で押すと潰れる
・最終的にはボロボロと崩れる
といった症状を起こします。

これは履いていなくても進行するため、「見た目はきれいなのに、突然履けなくなる」というケースが非常に多い素材です。
Joyaをはじめ、コンフォートシューズや高機能スニーカーでは避けて通れない問題でもあります。


■ 修理方針 ― オリジナル構造を尊重しつつ、実用性を重視

Joyaの純正ソールは特殊構造のため、同一形状・同一素材の交換用ソールは入手不可能です。
そのため今回は、

  • ポリウレタンは使用しない

  • 今後加水分解しない素材を採用

  • できる限りオリジナルのシルエットと曲線を再現

  • 実用的で長く履ける構造にする

という方針で、フルオールソール交換修理を行うことにしました。


■ ソール分解と下処理

まずは劣化したソールを慎重に分解します。
ポリウレタンは劣化が進むと粘着力が落ちているため、
熱を加えながら無理な力をかけずに剥がしていきます。

分解後は、靴本体側に残ったポリウレタンの残骸を徹底的に除去
この工程を疎かにすると、後の接着不良や再剥離の原因になります。

特にJoyaのように側面に丸みのあるデザインでは、
**ソール側面の跡形処理(成形痕の処理)**が非常に重要です。
ここを丁寧に整えることで、後から取り付けるミッドソールの仕上がりが大きく左右されます。


■ EVAスポンジミッドソールの製作とマッケイ縫い

ミッドソールには、加水分解しないEVAスポンジ素材を採用しました。
EVAはポリウレタンほどの柔らかさはありませんが、

  • 軽量

  • 適度なクッション性

  • 経年劣化に強い

  • 実用靴として安定性が高い

といったメリットがあります。

このEVAミッドソールを靴本体にマッケイ縫いで取り付けます。
マッケイ縫いは、底付けとしては比較的軽量で、屈曲性を確保しやすい縫製方法です。

また、縫いを入れることで接着だけに頼らない構造となり、
長期使用時の剥がれリスクを大幅に軽減できます。


■ ミッドソール2層積み上げによる厚みと曲線の再現

Joya特有の厚みと、なだらかな曲線を再現するため、
EVAスポンジをさらに2層積み上げて高さを確保します。

積み上げた後は、
・前足部からかかとにかけての流れるようなライン
・ウォーキング時に自然に足が運ばれる形状
を意識しながら、手作業で削り込み成形を行います。

この削り込み作業は、見た目だけでなく履き心地にも直結する重要な工程です。
削りすぎれば安定感を失い、削りが足りなければ野暮ったい印象になります。


■ TOPY社 クロコ柄アウトソールの装着

アウトソールには、TOPY(トピー)社製のクロコ柄ソールを採用しました。

このソールは、

  • 耐摩耗性が高い

  • グリップ力が安定している

  • ウォーキング用途に適した硬度

  • 落ち着いたデザイン性

といった特徴があり、今回の修理内容に非常に相性の良い素材です。

ミッドソールとの接着面を丁寧に下処理し、
確実な圧着を行ったうえで仕上げます。


■ 仕上がりと履き心地について

完成後のシルエットは、
オリジナルのJoyaが持つ丸みのあるボリューム感と曲線的なデザインを、可能な限り再現できたと思います。

正直なところ、
**ポリウレタン特有の「ふわっと沈み込むような柔らかさ」**を完全に再現することはできません。
しかしその分、

  • 安定感

  • 耐久性

  • 長期使用時の安心感

は大きく向上しています。

「履き心地の方向性は近づけつつ、実用性を重視した修理」
それが今回のオールソール交換修理の最大のポイントです。


■ 修理を終えて

加水分解は避けられない劣化ですが、
適切な素材と構造を選べば、靴は再び日常使いに戻すことができます。

K様にも
「これでまたウォーキングを続けられます」
とお伝えし、修理を完了しました。

大切に履いてこられたJoyaが、
これからも健康的な歩行のお供として活躍してくれれば幸いです。


#いずみ靴店
#倉敷市
#東京都
#Joya
#ジョーヤ
#ウォーキングシューズ
#オールソール交換修理
#加水分解
#EVAスポンジ
#マッケイ縫い
#側面処理
#オパンケ縫い
#TOPY社
#クロコ柄ソール

Translate »